ライダーの命を護るボッシュの緊急通報ソリューション「ヘルプコネクト」ってどんなシステム?

掲載日: 2021年03月16日(火) 更新日: 2021年03月16日(火)
この記事は2021年3月16日当時の情報に基づいて制作されています。

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現在ドイツをはじめとする欧州11カ国で運営されているボッシュの緊急通報ソリューション「ヘルプコネクト」をご存知だろうか。

このサービスは、自動事故検知、緊急通報機能、個人用緊急対応システムを統合したものとなっており、自転車やバイクに装備したスマートフォンのセンサーデータを衝突検出アルゴリズムによって判断し、事故発生時にはスマートフォンアプリを経由し位置情報や衝撃の深刻度などのデータを緊急通報センターに送信するというもの。

また、ボッシュではバイクに搭載される IMU(慣性計測ユニット)と連動した事故検知機能も開発したという。既に欧州では自転車を含む数十万人が利用しているというこのサービスだが、日本にも早くこのようなシステムが導入されることを願う次第だ。

ボッシュ、ネットワーク化されたデバイスを個人の守護神に

自宅や走行中に役立つ自動緊急支援用アプリ

・統合型ソリューション:ヘルプコネクトは自動事故検知、緊急通報機能、個人用緊急対応システムを統合
・利用が可能に:ヘルプコネクトは eBike やモーターサイクル向けアプリとの連携によって二輪車の安全性を向上
・ロバート・ボッシュ GmbH 取締役会会長のフォルクマル・デナー:「私たちはヘルプコネクトを活用して、ネットワーク化されたデバイスをあらゆる状況で救命に役立てます」

シュトゥットガルト(ドイツ)

一瞬の不注意が、eBike の衝突事故やモーターサイクルの制御不能につながります。ドイツだけでも、毎日38台以上の二輪車ライダーが事故により重傷を負っています(出典:連邦統計局)。事故は1分1秒を争う事態です。

しかし、単独で移動中の事故や、助けを呼ぶことができない状態となる可能性もあります。そんな時に活躍するのが、ボッシュのネットワーク化された緊急通報ソリューションです。ヘルプコネクトは、ユーザーのスマートフォンなどネットワーク化されたデバイスに搭載されているセンサーにアクセスし、インテリジェントな衝突検出アルゴリズムにより自動的に事故を検知します。

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緊急時には、アプリがヘルプコネクトの緊急通報センターを介して救急サービスに通報し、速やかに事故現場に誘導します。これにより救命までの時間が短縮され、命が助かる可能性も高まります。現在は Bosch eBike Systems の「COBI.Bike」と、二輪車用ナビゲーションの「calimoto」という2つのアプリが提供されており、自転車とモーターサイクル双方のライダーを含む数十万人のユーザーが利用しています。

「ボッシュは、緊急通報ソリューションをパートナー企業の製品を含む様々な製品に統合することに注力しています。私たちはモノのインターネット化(IoT)とアルゴリズムを駆使し、ヘルプコネクトを活用して、移動中や運動中、自宅など、あらゆる状況下でネットワーク化されたデバイスが救命に役立つようにしています」と、ロバート・ボッシュ GmbH 取締役会長であるフォルクマル・デナーは述べています。ボッシュは現在、欧州11カ国(※)でドイツの SIM カードを使用しているユーザーを対象にヘルプコネクトのサービスを提供しています。

ひとつのソリューションで3つのメリット

ヘルプコネクトは、自動事故検知、緊急通報機能、個人用緊急対応システムを統合したものです。たとえば、COBI.Bike や calimoto では、衝突検出アルゴリズムが速度、加速度、回転に関するスマートフォンのセンサーデータを評価します。現在市販されているスマートフォンの大半は、このようなセンサーを搭載しています。なお、走行中にアプリを起動し、デバイスをハンドルに取り付ける必要があります。ヘルプコネクトは、バージョン6以上の Android デバイス全機種、およびバージョン11以上の iOS スマートフォン全機種で動作します。

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このソリューションは、事故が発生するとスマートフォンのモバイルデータ接続を使って、現在地や衝撃の深刻度、そしてアプリによってはオプションで保存された医療関連データを24時間年中無休で稼働しているヘルプコネクトの緊急通報センターに送信します。通報センターでは、特別な訓練を受けた救急係員が事故に巻き込まれた人との連絡を試みます。

やり取りは、ドイツ以外の欧州諸国でもドイツ語または英語で行われます。応答がなく、センサーデータが深刻な転倒事故を示唆した場合には、直ちに救急サービスに通報します。同様に、オプションで親族や友人にも通知します。緊急通報は、いつでも手動で行うこともできます。

ボッシュはまた、モーターサイクルのライダー向けに車両に搭載する事故検知機能も開発しました。この場合、ヘルプコネクトはボッシュのモーターサイクル用スタビリティコントロール(MSC)の構成コンポーネントの一つである慣性計測センサーユニットを活用します。Bluetooth を介してヘルプコネクト対応のパートナー企業のアプリに接続し、スマートフォンベースのソリューションと同様に、データをヘルプコネクトの緊急通報センターに送信します。

パートナーの拡大 – 広がる用途

ボッシュはより安全な暮らしの実現を目指し、緊急通報ソリューションを自社やパートナー企業の製品など、可能な限り多くのネットワーク化された製品に統合しています。「ヘルプコネクトはオープンな IoT エコシステムとして設計されており、幅広い製品のそれぞれの特性に適したセンサー技術を用いて救命に役立てることができます」と、デナーは述べています。

たとえば、スタートアップ企業の Tocsen は現在、自社製品のヘルメットに搭載しているセンサーソリューションにヘルプコネクトを統合する作業を進めています。ボッシュも、自社のスマートホームサービスや製品をヘルプコネクトサービスに統合する準備を進めており、火災警報や盗難警報のほか、将来的には家庭の水防対策としても活用できるようになる見込みです。

(※)ドイツのほか、オーストリア、ベルギー、フランス、イタリア、アイルランド、ルクセンブルク、オランダ、スペイン、スイス、イギリスでサービスが利用できます。

リリース

ボッシュ株式会社(2021年3月16日発行)

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(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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