【ホンダ】電動モーターサイクル「Honda WN7」を EICMA2025 で公開! 二輪電動事業のブランドプロミスと4つのコアバリューを発表

掲載日: 2025年11月05日(水) 更新日: 2025年11月05日(水)

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ホンダはイタリア・ミラノで開催されている EICMA 2025 において、初の電動モーターサイクル「Honda WN7(ホンダ ダブリュー・エヌ・セブン)」を一般公開した。ホンダ初の電動ネイキッドモデルとなる同車両は、排気量600cc相当の出力・1000ccクラスに匹敵する最大トルクを発揮。ブラック基調の車体色にゴールドカラーの部品によるアクセントというカラーリングと横一文字のシグネチャーライトは、今後の電動二輪車に共通で採用されるという。

あわせてホンダは二輪電動事業におけるブランドプロミス「Expected life. Unexpected discoveries」と4つのコアバリューを発表。ICE の進化にも継続的に取り組みながら、環境戦略の主軸として二輪車の電動化を進める方針を示した。

<EICMA 2025>Honda初の電動モーターサイクル「Honda WN7」を一般公開

Hondaの英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッド(本社:バークシャー州ブラックネル 社長:奥田 克久)は、現地時間2025年11月4日(火)9:00に以下を発表しましたので、その内容をご案内いたします。

Hondaは、イタリア・ミラノで開催されているEICMA 2025(ミラノショー、プレスデー:11月4日~5日、一般公開:11月6日~9日)で、初の電動モーターサイクル「Honda WN7(ホンダ ダブリュー・エヌ・セブン)(以下、WN7)」を一般公開しました。

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Honda WN7

WN7の主な特長

■コンセプト
Honda WN7は、同時に発表した新しい二輪電動事業のブランド方針を具現化した初のFUN領域向け電動ネイキッドモデルで、開発コンセプトを「風になる(Be the Wind)」としました。ICE(内燃機関)車では体験できなかった電動車ならではの静粛性により、走行中でも聞こえてくる街中の人々の会話や笑い声、木々の葉がざわめく音など、自然と周辺の音や感覚をダイレクトに感じながら、スムーズでトルクある走りと軽快なハンドリングで、風のように自由に走る楽しみを体験してほしいという開発者の思いが込められています。

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■デザイン
「機能を研ぎ澄まし、本質を表現すること」を目指したデザインは、ライダーが触れるボディ部分はシームレスで滑らかな表面としながら、独創的で力強いシルエットとしました。WN7に採用されたシグネチャーライトは特徴的な横一文字で、今後Hondaの電動二輪車の共通アイデンティティーとして展開していきます。

また電動二輪車専用のカラーリングとして、ブラックを基調とした車体色に、ゴールドカラーの部品によるアクセントを取り入れました。シグネチャーライト同様、今後グローバルで展開する電動二輪車にはこのカラーリングを採用していきます。

■フレームレスシャシー
車体骨格には通常車体の前後をつなぐフレームが採用されますが、WN7は車体の中心に配置したアルミ製バッテリーケースを骨格の一部とする構造を採用しています。車体と前方のステアリングを保持するヘッドパイプと、車体の後方を保持するピボットブラケットは同じく車体中央に配置されたパワーユニットに直接締結しました。フレームが存在しないことで、軽量化だけでなくスペースレイアウトの自由度が上がり、スリムでコンパクトな車体の実現に大きく寄与しました。

また、車両の中で大きな比重を占めるバッテリーパックを車体全体の中心に配置したことで、マスの集中化と軽快なハンドリングを実現します。

■インバーター一体型モーターユニット
WN7は、搭載性に優れた軽量コンパクトな水冷・インバーター一体型モーターを専用開発しました。最高出力は50kWで排気量600ccのICE車相当、最大トルクは100Nmで1000ccのICE車に匹敵する性能をそれぞれ発揮します。街中での発進・停止時や郊外でのクルージング時でも、ゆとりのある走行を実現します。

モーターからの出力は新規開発したギアボックスを介してベルトドライブに伝達され、リアタイヤを駆動させるとともに、静粛性にも貢献しています。

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■駆動バッテリー、充電規格
WN7に採用した駆動バッテリーは、新規開発した9.3kWhの固定式リチウムイオンバッテリーです。バッテリーの充電には急速充電を可能にするCCS2(※1)規格と一般家庭にある普通充電Type 2(※2)規格を採用しました。急速充電器では30分でバッテリー残容量20%から80%まで充電でき、外出先で素早く充電し待機時間のストレスを軽減します。

また、普通充電では残容量0%から100%まで2.4時間以内(※3)で完了します。フル充電時の航続距離は140km(WMTCモード)です。

■回生ブレーキ、減速度セレクター、微速前後進(ウォーキングスピードモード)
WN7は、走行中のスロットルオフによる減速時にモーターによって電力回生を行うと同時に、回生ブレーキを発生させスピードを減速(※4)させます。回生ブレーキの強さ(減速度)を、左手ハンドルスイッチ操作によって選択できる「減速度セレクター」も採用しました。ブレーキを多用せずスロットル操作だけで極低速まで車速をコントロールしたり、少ない減速度で滑空するようなフィーリングで走行できるなど、ICE車とは異なるライディングフィールを楽しめます。

また、左手ハンドルスイッチとスロットル開度で速度を調節しながら前後進できる微速前後進機能(ウォーキングスピードモード)を搭載し、切り返しや街中の狭い駐車場スペースなどでも取り回しがスマートに行えます。

WN7はHondaの二輪車生産におけるマザー工場として位置付けている熊本製作所にて生産し、今後電動化が進むグローバル市場に供給します。

(※1)Combined Charging System Type 2の略称、電気自動車急速充電器用コネクターの仕様
(※2)200V、充電ガン使用時
(※3)充電時間は充電環境(温度)によって異なる場合があります。充電時間はHonda調べ
(※4)バッテリー残容量によって回生ブレーキが発生しない場合もあります

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二輪電動事業のブランドプロミスと4つのコアバリューを発表

Hondaは、75年以上にわたる二輪車開発で培った経験や知見と、電動車ならではの提供価値を融合させ、二輪電動事業において新たな価値を創造することを目指し、新たに二輪電動事業のブランドプロミスとそれに基づき提供する4つのコアバリューを定めました。

思うままの暮らし、思いがけない発見のある心地よさと興奮に満ちた世界を人々と共鳴することを目指しブランドプロミスを「Expected life. Unexpected discoveries」とするとともに、これに基づき、二輪電動事業において以下の4つのコアバリューを提供していきます。

(1)不安や障壁から解放する
電動車だからこそ実現できる自由度の高い車体レイアウトやデザイン、制御・運転支援技術によって、ライダーの感じる不安や障壁を取り除き、ストレスフリーで自由な移動の喜びを実現します。

(2)本能と感性を刺激する
ICE(内燃機関)車開発の長い歴史で培った高次元の「走る・曲がる・止まる」の基本性能と、電動車ならではの加速性能や静音性、ライディングに集中できる直感的なヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)が、操る喜びを最大限に高め、ライダーの本能を刺激します。

(3)人と社会と共生する
無駄を削ぎ落とし洗練されたデザイン、電動車ならではの圧倒的な静粛性により人々の暮らしに溶け込むモビリティを目指します。また、コネクティビティ技術による車車間の協調制御、渋滞回避やより効率的なルート誘導による環境負荷低減にも貢献し、二輪車と人、社会が相互に心地よく共生できるモビリティ社会を創造します。

(4)知性を共鳴させる
環境変化に対しリアルタイムで適応するUI(ユーザー・インターフェース)やアップデート機能で、購入後も使えば使うほどお客様にパーソナライズされた二輪車へと進化させていきます。また、Hondaが有するデータも活用し新しい提案を行うことで、お客様一人ひとりに合わせたモビリティライフの可能性を拡張します。

また二輪電動事業のVI(ビジュアル・アイデンティティ)を新たに定め、製品のプロダクトマークにおいては、「Honda」を採用します。
二輪電動事業の新しいブランドプロミスを具現化した初のモデルとして、本日イタリア・ミラノで開催されているEICMA 2025でHonda初の電動モーターサイクル「Honda WN7」を公開しました。

Hondaは、2040年代に全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目指し、ICEの進化にも継続的に取り組みながら、環境戦略の主軸として二輪車の電動化を進めています。今後は新たに掲げた4つのコアバリューを体感いただける電動二輪車のラインアップを拡充していきます。

リリース

本田技研工業株式会社(2025年11月4日発行)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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