ドゥカティは「スーパーレッジェーラ V4」を発表した。このモデルは限定500台の生産を予定しており、2020年6月より欧州から順次発送される予定だ。
フレーム・サブフレーム・スイングアーム・ホイールにカーボンを使用するこの車両は、ベースモデルから重量で6.7kgの軽量化を実現。エンジンの最高出力は公道走行可能な状態で224馬力。レーシングキットを装着した場合は234馬力を発生し、パワーウェイトレシオは1.54ps/kgになる。
また、この車両のオーナーにはイタリアのムジェロ・サーキットにおいて、スーパーバイク世界選手権参戦マシン”パニガーレV4 R”の試乗、さらに30名限定で MotoGP マシン”デスモセディチ GP20″に試乗するチャンスが与えられるという。なお、国内への導入および車両価格については現在のところ不明となる。
・スーパーレッジェーラV4は、ドゥカティ史上もっともパワフルかつ最先端のテクノロジーを搭載したプロダクション・バイク、シリアルナンバーが付けられたこのリミテッド・エディションの生産台数はわずか500台
・カーボンファイバー製シャシ、スイングアーム、ホイールを備えた世界で唯一の公道走行可能なバイク
・バイプレイン・ウイングと究極のエアロダイナミクス
・レーシングキット装着時の1kgあたりのパワーは、市販バイクとしては驚異的な1.54ps/kg
・生産は1日5台のペースで2020年6月よりヨーロッパから順次デリバリーを開始
・スーパーレッジェーラV4のオーナーには、スーパーバイク世界選手権(SBK)のファクトリー仕様パニガーレ V4 R にサーキットで試乗する機会に加え、MotoGP選手権に参戦している最新のデスモセディチGP20を試乗する類まれな機会も提供
ドゥカティは、スーパーレッジェーラV4を発表し、エンジニアリング、ディテールへのこだわり、モーターサイクル・デザインの限界を打ち破ります。このプロジェクトには、エンジニアリング、パフォーマンス、デザインの面で、ドゥカティの最高傑作を創り上げるという使命が課されました。
ドゥカティは、同社史上もっともパワフルで最先端のテクノロジーを搭載したスーパーレッジェーラV4を正式発表します。もっとも情熱的なドゥカティスタやロイヤル・カスタマー限定で先行プレビューが行われたこのモーターサイクルは、生産台数わずか500台のリミテッド・エディションで、各バイクには個別のシリアルナンバーが付けられています。
スーパーレッジェーラV4は、すべてのシャシ構造部材(フレーム、サブフレーム、スイングアーム、ホイール)が複合材料で作られた 唯一の公道走行可能なモーターサイクルです。これらのコンポーネントにより、重量が6.7kg削減されています。
最高の品質と安全基準を確保するために、これらのコンポーネントは、サーモグラフィ、超音波検査、トモグラフィ(断層撮影法)といった、航空宇宙産業から流用した最先端技術を使用して100%のテストが実施されています。
サーキット・パフォーマンスを最適化するため、スイングアームを長くすることにより、シャシの寸法が変更されました。その結果、比類なき減速力、より速いコーナーへの進入と立ち上がりを実現しています。
そのパフォーマンス・レベルは極めて高いものとなりました。ドゥカティのオフィシャル・テストライダーであるアレッサンドロ・ヴァリアは、レーシングキットとスリックタイヤを装着したスーパーレッジェーラV4を駆り、ムジェロ・サーキットで1分52秒45のタイムを記録。これは、イタリア・モータースピード選手権(CIV)で2019年のタイトルを獲得したミケーレ・ピッロがパニガーレV4 R SBK仕様で出したタイムとわずか2秒以内という驚異的なタイムです。
数多くのコンポーネントは、高度な空力形状に成形されたカーボンファイバー製です。これには、現行のMotoGPマシンと同等以上の空力性能を提供するフェアリングも含まれています。空力分野で最高のパフォーマンスを発揮した2016年のドゥカティMotoGPマシンからヒントを得た“バイプレイン・ウイング”は、270km/hの速度で走行したときに50kgのダウンフォースを発生します。これは、パニガーレV4 MY20 および V4 R のウイングによって生成されるダウンフォースよりも20kg大きな数値です。このダウンフォースによって、ホイールアップの傾向が抑制されるため、加速性能とブレーキング時の安定性が向上しています。
カーボンファイバー製フェアリングは、デスモセディチGP19にヒントを得て、形状、素材、テクニカル・ディテールを強調するカーボン素地と、GP19マシンのレッドを組み合わせた印象的なカラーリングを特徴としています。
フェアリングの内部には、これまで以上に軽量でパワフルなデスモセディチ・ストラダーレRエンジンが搭載されています。スーパーレッジェーラV4に搭載されている998ccの90°V型4気筒エンジンは、パニガーレV4 / V4 S の1,103ccV型4気筒エンジンよりも2.8kg軽量です。このエンジンは、型式認証を受けたアクラポヴィッチ製エグゾーストのおかげで、公道走行可能な構成で224psを発生します(EU認証値)。この数値は、サーキット走行専用のアクラポヴィッチ製チタニウム・エグゾーストを装着すると、234psにまで引き上げることができます。
レースから生まれたこのエンジンの特性は、乾式クラッチの使用と、専門家の手作業によるデスモドロミック・タイミングシステムの調整によって、さらに強化されています。
レーシング・エグゾースト専用のエンジン・キャリブレーションをインストールした場合、スーパーレッジェーラV4専用の“レースGP”ディスプレイ・モードが利用可能になります。サーキット専用に設計されたこのディスプレイ・モードは、デスモセディチGP20のインストルメントパネルから直接派生したもので、MotoGPライダーのアンドレア・ドヴィツィオーゾからの貴重なフィードバックに基づいてデザインされています。
スーパーレッジェーラV4は、カーボンファイバー、チタニウム、マグネシウムに加え、機械加工されたアルミニウム製コンポーネントを多用しているため、乾燥重量はわずか159kg(パニガーレV4より16kg削減)に抑えられ、重量1kgあたりのパワーは1.41ps/kgに達します。これは、公道走行可能なモーターサイクルとしては記録的な数字です。レーシングキットを装着してサーキット仕様にすると、最高出力が234psに引き上げられ、重量が152.2kgに低下し、重量1kgあたりのパワーは1.54ps/kgに高まります。
サーキットにおけるパフォーマンスを高めるために、専用の電子制御システムも開発されました。各システムの作動パラメーターは、あらかじめプログラムされた3つのライディング・モード(レースA、レースB、スポーツ)に関連付けられています。今回初めて、ライダーの好みの設定にパーソナライズできる、5種類の追加のライディング・モードも用意されています。
ライダーは、5つの異なるサーキットのフィニッシュライン座標と区間セッションタイムを記録できる、最新バージョンのラップタイマーを使用して、自身のラップタイムを評価することができます。この機能によって、フィニッシュラインと区間座標のセットアップ手順を繰り返すことなく、各サーキットで簡単に呼び出すことができます。デフォルトのシステム設定には、ラグナセカ、ムジェロ、ヘレス、セパン、ロサイルの5つのサーキットのフィニッシュライン/区間座標が含まれています。
さらに、エレクトロニクス・パッケージのドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)およびドゥカティ・クイック・シフト(DQS)アップ/ダウンは、最新世代の EVO 2 へと進化を遂げています。
その他の標準装備アイテムには、加圧式フォークと機械加工されたアルミニウム製フォークボトムを備えた軽量オーリンズ・サスペンション・システム、初期の圧縮段階における路上の凹凸やうねりの吸収力が改善されたMotoGP由来の油圧バルブを備えたチタニウム性ショックアブソーバーが含まれています。
ブレーキシステムには、ブレンボ製の最高峰システムが搭載されています。これには、レバー間隔をリモート調整可能な機能を備えたMCSキャリパーとスーパーレッジェーラV4専用のStylema(R)R キャリパーが含まれ、サーキットで周回を重ねてもブレーキレバーの引きしろが変化しないというメリットがもたらされています。
また、アルミニウム削り出しのラジエーターキャップと、シリアルナンバーが付けられたアルミニウム製インサートを備えた専用のイグニッションキーにも、ディテールへのこだわりが表れています。
このニューモデルは、わずか500台が限定生産され、全てのモーターサイクルにはシリアルナンバーが付けられ、本物であることの証明書が添付されます。ここにも、素材およびテクニカル・ソリューションの独自性が明確に表れています。車台番号(VIN)と一致するモーターサイクルのシリアルナンバー(XXX/500)は、フレーム、トップブリッジ、イグニッションキーに刻まれます。
ヨーロッパでは2020年6月から納車が計画されています。このモーターサイクルは、数多くのコンポーネントに非常に複雑な製造工程が必要なため、生産はわずか1日5台に限定されます。しかし、すべてのモーターサイクルは2020年以内に生産されます。
スーパーレッジェーラのオーナーには、エアバッグが内蔵されたプレミアム・レザースーツとカーボンファイバー製ヘルメット(いずれもスーパーレッジェーラV4専用)を購入する機会が設けられています。どちらの製品も、モーターサイクルのカラーとグラフィックが反映されています。ダイネーゼが製造したこのレザースーツには、強さと軽さに加え、D-air(R)エアバックシステムが組み合わされ、高い安全性を実現しています。同様に、航空グレードのカーボンファイバーを使用し、細心の注意を払って製作されたアライ製ヘルメットは、卓越した安全性と快適性を提供します。
ドゥカティがスーパーレッジェーラV4を購入したエンスージアストのために用意したパッケージには、オーナーがムジェロ・サーキットでスーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦するパニガーレ V4 Rに試乗することができる「SBKエクスペリエンス」へ参加する機会も含まれています。
さらに驚くべきことに、30人のスーパーレッジェーラV4オーナーは、すべてのモーターサイクル愛好家の夢を実現する特別な機会、「MotoGPエクスペリエンス」を楽しむことができます。このプログラムでは、MotoGPオフィシャル・ライダーのアンドレア・ドビツィオーソとダニーロ・ペトルッチが駆るデスモセディチ GP20 で、サーキットを試乗するというドゥカティ史上初の機会が用意されています。試乗時には、ドゥカティコルセの技術者が緊密なサポートを行います。
これらの特別なイベントは、この新しいドゥカティ・モデルと同じくらい貴重な体験となるでしょう。スーパーレッジェーラV4は、最高のサーキット性能を達成しながらも、公道走行するための法規制に適合し、耐久性とライダーの利便性を確保しながら設計・開発された、究極のモーターサイクルです。
スーパーレッジェーラV4により、ドゥカティは従来の限界を打ち破ります。MotoGPで開発され、連綿と進化を続けるテクノロジーと専門知識は、モーターサイクルのエンジニアリングとパフォーマンスをこよなく愛するエンスージアストのために、常に市販バイクへとフィードバックされています。
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リリース = ドゥカティジャパン株式会社(2020年2月6日発行)