【EICMA2018】デザインもコンセプトも新しいKYMCOの電動スーパースポーツ

掲載日: 2018年11月13日(火) 更新日: 2018年11月13日(火)
この記事は2018年11月13日当時の情報に基づいて制作されています。

2018年11月6日、台湾のKYMCO(キムコ)はミラノ市内でEICMA2018(ミラノショー)のローンチパーティーを開催し、電動スーパースポーツバイク「SuperNEX」を発表した。

アジアを代表するスクーターブランドとしてヨーロッパで絶大な支持を得ているKYMCO。イタリアでのスクーターシェアはナンバーワンで、その知名度を生かして毎年ミラノショーでは大々的なカンファレンスを開催している。しかし、KYMCOが今回発表したのは、スクーターではなく独自路線の電動スーパースポーツ「SuperNEX:スーパー・ネックス」だ。

この日、カンファレンスでKYMCOのアレン・コウ会長はハイパフォーマンスでエモーショナルな新しい電動バイクとしてSuperNEXを紹介した。
独自のモーターによる0→100km/h加速はわずか2.9秒、0→200km/h加速は7.5秒、そして0→250km/h加速は10.9秒とすさまじいスペックだ。現在の一般的な電動バイクはトランスミッションを持たないが、SuperNEXではモーターには6速ミッションを組み合わせて、モーターのパワーバンドをライダーが活かせるメカニズムとしているところも大きな特徴のひとつだ。

さらに面白い特徴としてはモーターの駆動音を楽しむための「アクティブ・アコースティック・モーター」と名付けた世界初の機構を搭載していることだ。これはモーターの回転数に応じて駆動音が高まる機構で、6速トランスミッションとの組み合わせによりこれまでの電動バイクにはないエモーショナルなライディングプレジャーが得られるという。

ここからはSuperNEXのスタイリングを見ていこう。

モーターの定格出力やバッテリー容量などは明らかにされていないが、今回発表されたSuperNEXは1000ccクラスのスーパースポーツモデル同等の車体サイズだ。

ヘッドライトはLEDを採用している。プロトタイプということで各部にスケルトンのパネルが用いられている。

エアロダイナミクスを考慮したフロントカウルとサイドカウル。サイドカウルにはウイング状のパーツも確認できる。

デザインも未来的なSuperNEX。ミラーにはウインカーと思われるLEDがセットされている。

テールカウルはエアスルー構造。テールランプの配置もとても面白い。

モーターが生み出す驚異的なパワーを受け止める足周りは、前後ともにオーリンズ。このプロトタイプではOZの鍛造ホイールを履いていた。

現段階ではSuperNEXの詳細なスペックや発売時期などは明らかにされていないが、2019年から電動バイクの世界選手権(MotoE)もスタートすることもあり、二輪の世界でもEVに対する注目が集まりつつある。そんな中で世界的なスクーターブランドが電動ユニットを用いてモーターサイクルの世界に参入してくることは大きなニュースと言えるだろう。

 

Text&Photo/RyoTsuchiyama
取材協力/KYMCO, ITA(Italian Trade Agency)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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