日本国内での、女性のモーターサイクルスポーツをリードする4人。左から森脇 緑さん、安原さや選手、岡崎静夏選手、小玉絵里加選手。
女性のモーターサイクルスポーツ進出を
FIMとMFJが強力にバックアップ
女性のより一層の社会進出が推奨されている現代。既にさまざまな分野で女性が目覚ましい活躍をみせ、活動しているのは周知の通りだ。こうした時代の流れを受けて、近年、モーターサイクルスポーツの世界でも、女性ライダーの活躍がクローズアップされるようになってきている。日本のモーターサイクルスポーツを統括する団体であるMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)も、今まで以上に女性ライダーの活動をバックアップすることを表明している。
その活動の一環として、第一線で活躍する女性ライダーと、マスコミ関係者の懇談会が、2016年3月17日に開催された。当日、壇上でプレゼンテーションを行ったのは、FIM女性委員会で委員を務める森脇 緑さん、ロードレースからは岡崎静夏選手、モトクロスからは安原さや選手、トライアルからは小玉絵里加選手。主要3種目のトップライダーと、マネージメントサイドで活躍する4人の女性が、モーターサイクルスポーツの魅力や今後の課題などを、女性の立場からアピールした。
これからの時代、バイクカルチャーの発展には、女性の積極的な参加は不可欠。モーターサイクルスポーツの世界から、その存在を発信する女性ライダーに注目しよう。
父親の影響で、子供の頃からトライアルに取り組んできた小玉絵里加選手。地方選手権では男子に交じって健闘し、2015年はランキング4位を獲得。トライアル国別対抗戦に参加したことで世界との差を痛感し、自ら働きかけて全日本トライアル選手権レディースクラス設立にこぎつけました。小玉選手は、その初代選手会会長も務めています。
今までのレース人生の中で、今が一番レースを楽しめていると語る、岡崎静夏選手。2011年から全日本ロードレース選手権に参戦を開始、現在はJ-GP3クラスのライダーとして活躍中。最高ランキング2015年シーズンの13位。女性クラスの無い全日本ロードレース選手権で、トップコンテンダーの一人として認識されているライダーなのです。
レディースクラスの創設が早く、女性ライダーの進出が最も進んでいる競技がモトクロス。その全日本モトクロスで、レディースクラスの2015年チャンピオンが、安原さや選手です。長く、チャンピオン候補の最有力選手と言われてきましたが、全日本参戦11年目にして、満を持して女王の座を獲得しました。春からは女子大生として、学業とレースの両立に挑みます。
モリワキエンジニアリング総帥、森脇 譲氏を父に持ち、幼い頃からロードレースに触れ、自らもチームのマネージメントに携わってきた森脇 緑さん。女性ライダーの鈴鹿4耐参戦をサポートしたことがきっかけで、モーターサイクルスポーツの国際統括機関であるFIM(世界モーターサイクリズム連盟)の女性支援部門であるFIM女性委員会に、昨年から委員として就任しました。
MFJ会長を務める大島裕志さんもスピーチを行い、女性のモーターサイクルスポーツ進出をサポートすることを約束しました。