モータリスト合同会社がファンティックのニューモデル「Caballero 700(キャバレロ700)」の受注を開始した。価格は175万円(税10%込み)となる。同車両に搭載される CP2 エンジンはヤマハの MT-07 や テネレ700 と同系列のユニットとなっており、これを新設計となる車体に搭載するという。なお、国内でのデリバリー開始は2023年8月の予定だ。
ファンティックブランド初の2気筒モデル、7月から欧州で出荷開始。日本へも秋以降順次入荷予定
世界のプレミアム・モーターサイクルの中でも「楽しさ」と「デザイン」を満たせる「本当に遊べる」モーターサイクルやeBikeに的を絞り、日本に紹介を続けているモータリスト合同会社(東京都大田区)。その取扱商品群の中でも主力ブランドといっていいのが、イタリアのスポーツモーターサイクルブランド、ファンティック(FANTIC)だ。
1960年代に創業し50年以上の歴史を誇るファンティック社は、近年では積極的にレース(モトクロス、エンデューロ、ロードレース)に参戦し、その取扱商品への直接的・間接的なフィードバックを行い、商品のクオリティを高めてきている。こうした中、ファンティックの販売の中心となるストリート・スクランブラーモデルが「キャバレロ(Caballero)」シリーズだ。
その飽きの来ない美しいスタイリング、驚くほど軽量なボディならではの鋭いコーナリング、バランスよいシャシーデザインに依るバイクを操る喜びにあふれるライディングフィールが高く評価されているキャバレロ・シリーズに、ついに新しい兄弟が追加された。Caballero 700だ。
昨年11月のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)で発表され大注目を集めて以来、長らく実際の市販車の登場が望まれてきたFantic Caballero 700。水冷2気筒の『CP2』エンジンを搭載し、これまで世界中で高く評価かされてきた125/250/500㏄の兄弟車の特徴を損なうことなく、それどころか卓越したパフォーマンスを持つ、次元の異なる新世代のスクランブラーとしての満を持しての登場となった。
これまでのファンティック・スクランブラー・ブラザースたちとはボルト1本から異なって作りこまれたキャバレロ700は、まったく新しいプロジェクトとして生まれたモデルだ。
新たに採用された689㏄の2気筒エンジンは、ファンティックの技術陣によって磨きなおされ、厳しい環境規制に合致しながらも、ファンティックならではのレスポンス、ライディングを楽しませるサウンド、新たにマシンの制御を安定させつつ安全に大いに寄与する電子制御システムと、ファンティックの R&D 陣が総力を傾注してこのモデルのために仕上げたのだ。
だが、何よりも需要なのはリアル・スクランブラーであること。ストリートとオフロードのいずれでも完璧にバランスし、走りの楽しさを世界中のあらゆるライディングエクスペリエンスの中でスポイルさせないこと。車重を175㎏にまとめ、スクランブラーと名乗るにふさわしい敏捷さを一切犠牲にすることなく、道を選ばずに走る楽しさをライダーに提供する。この素晴らしさをぜひ味わっていただきたい。
スタイリングは、ファンティックの伝統的なスクランブラーづくりを継承するもので、そのモチーフは1974-76年に製造されたスクランブラー125RC(レゴラリータ・コンペティツィオーネ)だ。
大柄なCP2エンジンを搭載しながらもファンティック・デザインセンターが入念に作り上げたピュア、かつシンプルなラインは、赤いタンク、黄色いサイドゼッケン、丸いヘッドライトなど、スタイル上の特徴を見事に再現させながらも、CNC加工によって美しく仕上げられたキャバレロシリーズに共通する上下ステムやステップピボットプレート、またカーボン製のマフラー・ヒートプロテクターなどの現代的な装備とも見事にマッチしている。
搭載されるエンジン「CP2」はヤマハ・テネレなどで熟成を重ねられてきた並列2気筒。ファンティックではこれを入念にチューニングを重ね、全域でその兄弟車以上のトルクを生み出しながら、のびやかにトップエンドまで回りきる特性とレスポンスの小気味よさをものにした。
最高出力は74ps@9400rpmとトップエンドに余力を与え、最大トルクは70Nm@6500rpmを発揮。しかしピークトルクの85%に相当する60Nmものトルクがその先8000rpmまで継続して発揮できるエンジンを作り上げたのだ。独自設計のエアボックスとエキゾーストはもちろん、長年エンジンチューニングを重ねてきたファンティック・ミナレッリの技術陣がそのパフォーマンスを存分に発揮させたといえよう。
車体周りは従来のキャバレロ・シリーズとは大きく異なっている。メインフレームは高張力鋼とアルミ鋳造スイングアームから構成され、前後のサスペンションシステムはマルゾッキが担当した。
フロントフォークは45㎜と堅牢さを誇りながら、リアショックはスタンダードで150㎜のサスペンション・ストロークを発揮、シティライディングはもちろん、ハイウェイからツイスティなワインディング、林道、道なきオフロードまであらゆるシーンでの最適化が行われたと考えている。
前後ブレンボ製でまとめられたブレーキはフロント330㎜、リア240㎜と大径化され、安定のストッピングパワーを発揮している。
Caballero 700はファンティックで初めて多くの電子制御を取り入れたモデルとなった。ABSにはコーナリングABS機能が用意され、IMUによって集中管理される。トラクションコントロールも併せて新たに増備されており、また、ライディングモードはハンドルバーに備えられたコントロールスイッチで「ストリート」「オフロード」「カスタム」の3モードから選択が可能となった。
もちろん、シチュエーションに応じてライダーがすべての電子制御を解除することも可能であり、スクランブラーらしい野趣にあふれたライディングも存分に楽しんでいただける、キャバレロらしい仕上がりとなっている。
ダッシュボードは3.5インチのTFTスクリーンながら、キャバレロの伝統に則った丸型のデザインはスクランブラーらしいスタイルを崩すことはない。もちろん、ヘッドライトをはじめ、ターンシグナルからテールライトまで、灯火類はすべてLEDでまとめられ、最新の技術をレトロなスタイルに包み込んでいるのだ。
すでに日本向けのコンテナには数台のキャバレロ700が収められており、8月中には日本に到着する予定です。エンジンの供給能力が限られているため残念ながら今年度の出荷台数は限られたものにとどまる見通しですが、ご予約いただいたお客さまを優先して順次出荷させていただく予定です。従いまして、まずはファンティックお取り扱いのディーラーあるいはプロショップにて車両のご予約をいただきたく、お願い申し上げます。
・エンジン/水冷4サイクルDOHC4バルブ・2気筒689㏄
・燃料共有装置/EFI(電子制御燃料供給)/スロットルボディ径38㎜
・フレーム/高張力鋼クロームモリブデン製スチールフレーム
・フロントフォーク/マルゾッキ製VRMシステム、45㎜計倒立式
・リアフォーク&サスペンションユニット/マルゾッキ製VRmシステム・モノショック、プログレッシブリンク
・タイヤ/110/80R19(F)、150/70R17(R)
・ブレーキ/330㎜(F)/245mm(R) ディスク+コーナリングABS(コンチネンタル)
・寸法/軸距/シート高 1460㎜/830㎜
・車両重量/175㎏(ガソリン抜き)
・燃料タンク/13L
・希望小売価格/175万円(税10%込み)
モータリスト合同会社
TEL/03-3731-2388
リリース = モータリスト合同会社(2023年6月28日発行)