ファンティックがエンデューロ世界選手権のフランスGP および、モトクロス世界選手権 中国GP のレポートを公開した。フランスGP ジュニア1クラスでは、XEF250 を駆るケビン=クリスティーノが優勝しタイトルを獲得。また、MXGP 中国GP ではグレン=コルデンホフがプレミア・クラスで総合6位入賞となった。
エンデューロGPの最終戦、フランス大会でファンティックライダーのケビン=クリスティーノがFantic XEF250を抜群のパフォーマンスでJ1タイトル獲得に導く。ユースクラスでもピエトロ=スカルディーナが2日間のレースを完全に支配し、シーズンランキング2位をものにした。
フランス・ブリオードの素晴らしい週末の最後に栄冠を手にしたのはファンティック・ライダーのケビン=クリスティーノ。新たなエンデューロ・ジュニア1チャンピオンの誕生だった。ランキング3位で迎えた最終戦、土曜日はレース半ばで痛めた足をかばいながらも3位を確保したクリスティーノ。日曜日は愛車、XEF250に最高のパフォーマンスを発揮させ、彼の今シーズン5回目となる優勝をものにした。この結果、わずか1ポイント差でシーズンチャンピオンはケビンの手に転がり込むことに。またジュニア総合でも4位―2位の結果を記録し、総合3位に食い込んだ。
チームメイトのアレックス=セムはXEF310を駆って手堅く土曜日は3位を獲得。日曜日はJ2クラスの7位に入賞し、シリーズランキングはJ2の2位、ジュニア総合も2位を獲得した。
ライバルとの厳しい戦いの中E2クラスを走るジェド=エッチェルズはフランスGPの週末を5―5位でまとめ上げて年間ランキングを6位とした。さらに激しいE3クラスを新型のXEF310で走るアルビン=ノルビンは土曜日は9位、日曜には7位と厳しい戦いとなった。惟倫男E3総合ランキングは5位。
ファンティック・ジュニアレーシング・エンデューロ・チームにとってはしかし、フランスGPは素晴らしい週末となった。ピエトロ=スカルディーナがチャンピオンシップ初の優勝を飾ったのだ。これによりスカルディーナはランキングも2位に。XE125に乗る若きイタリアンは週末を両日とも完全に支配した。チームメイトのリッカルド=パスクワートは7/11位となり、シーズンランキングは13位に。一方怪我からの復調が待たれていたバレンティーノ=コルシは10/14位でカムバックを印象付け、今シーズンを総合19位で終えることとなった。
ケビン=クリスティーノ/最高の週末だったね!タイトル獲得に向けて、とにかく勝ち切るためのありとあらゆる努力をしたつもりだったんだ。もうほとんど望みはないって言われていたけど、それを取り戻したんだよ。土曜日に足をちょっとばかり怪我しちゃったけど、そのくらいでは諦められなかった。厳しい戦いだったけど、ミスはなくレース全体をまとめ上げることができて、最後の3レースにランキング3位で臨むことができたんだ。レースをものにすることができて、たったの1ポイント差でチャンピオン獲得だ!サポーターのみんな、メカニック、チーム、ファンティック、スポンサーや家族、いやもうフランスで僕を応援してくれたすべての人々に、心からの感謝をささげたいよ。
ピエトロ=スカルディーナ/フランスGPでダブル・ウィンを飾れるなんて!世界戦レベルでは初めての勝利になったけど、本当にうれしくて言葉にもならないくらいだ。スペシャルテストでのタイムもよかったし、最終的なチャンピオンシップ・ランキングでも2位に入ることができたからね!
予想外の気候変動の影響で決勝日を1日に短縮して行われた中国GP。ファンティック・ファクトリーレーシングMXGPのグレン=コルデンホフはプレミア・クラスで6位を記録し、MX2のカイ=カラセメーカースもトップ10まであとわずかに迫る結果を残した。
中国GPは日曜日と月曜日の2日間のレースが予定されていたが、台風接近の影響を受け、1日に短縮したスケジュールで開催された。予選レースはキャンセルされ、ポール・ポジションとゲートピック(スタート位置を選択するための順位)のためだけの計時予選が1回行われた。ファンティック・ファクトリー・レーシングMXGPのグレン=コルデンホフとブライアン=ボガースはそれぞれ9位と10位を獲得。わずか1.4秒差の中に10台がひしめき合う予選結果は、プレミアクラスならではの接近戦が予想された。
XXF450の俊敏性を生かして素晴らしいスタートを切った「ザ・ホフ」は第1レースのオープニングラップで5位にマシンを滑り込ませると、その後レースの大半を7位走行で冷静にペースをつかみ、終盤、猛チャージを仕掛けて再びマシンを5位に持ち上げることに成功した。再びその強さを見せつけたファンティックとコルデンホフは第2レースに臨んだが、スタートに失敗して転倒。しかしあきらめずに再スタート後も着々と順位を上げ、フィニッシュラインを8位で通過、総合6位に入賞となった。
ブライアン=ボガースはここ上海インターナショナルオフロードサーキットでは予選から良いペースをつかみつつあったが、決勝ではいくつかの不運もあって14位でレース1を終了。レース2ではトップ10を走りながらも4周を残してレースを中断せざるを得なかったものの15位と記録され、14/15の総合15位でポイントを獲得することとなった。
コルデンホフはMXGP総合ランキング6位、ボガースは10位で最終戦、スペインを迎えることになる。
グレン=コルデンホフ/体調が悪い一日だった。時差ボケもあって2:30に目が覚めて、その後眠ることができなかったんだ。朝一でクラッシュもして、どうも波に乗れていなかった。でもレース1のスタートは悪くなかったから、ペースを保つことに集中したんだ。何か特別なことを仕掛けずに、しかしきっちりと5位をキープすることに成功した。4位からもそう離されていたわけじゃないから、これはかなりポジティブな結果といっていいだろう。
レース2のスタートは今一つで、おまけに目の前のライダーがクラッシュして避けることができなかった。ほぼ最後尾から、それでもできることは全部やり切っての8位フィニッシュだ。もう一つ順位を上げれば総合5位だったんだけど、惜しくも6位という結果になってしまった。求めていた結果ではないけれど、前を向き続けるしかないからね。最終戦では5位以内、出来れば表彰台に上って今シーズンをまとめ上げたいところだね。
ボライアン=ボガース/ここ数週間のレースと比べると、調子は良かったよ。バイクに乗ってもいい感じだったし、でも結果として厳しい週末になってしまった。レース1ではゴーグルを交換するために止まらざるを得なくなり、これは高い代償となってしまった。レース2では8位を走っていたんだけど、マシンに何か問題があったみたいだ。でももう解決しているし、最終戦では最高の結果を出せるように頑張るよ。
高音多湿の上、ぎりぎりになってのスケジュール変更で、中国GPは非常に厳しいレースとなった。デビッド=ブラセラスはそれでもいい走りを見せて計時予選で10位に。カイ=カラセメーカースは1周目の失敗を回復するのに手間取って14位で予選を終えた。
レース1、ブラセラスはスタートが決まってトップ10に食い込むと、ポジションを維持しながらの我慢のレースでリザルトは11位に。カラセメーカースはさらに厳しいスタートで出遅れたものの、食い下がっての14位となった。
ファンティックXXF250に乗る二人のファクトリーライダーは、レース2ではスタートから7位-8位を走行。ブラセラスは15分ほどポジションをキープしたまま前をうかがっていたが、クラッシュしてリタイヤの憂き目にあってしまった。一方カラセメーカースは手堅い走りで10位に。総合11位と、もう一つでトップ10に手が届くところでレースを終えることになった。
カイ=カラセメーカース/中国は1日のレースになってしまった。トラックはハードパックでハイスピード。予選ではいいラップを刻むことができなかったよ。でもレース1では13位と徐々に調子は上がってきていたんだ。レース2はいいスタートを切れて、レースのほとんどをトップ8で走ることができた。最後の3周でポジションを落として10位になったけど、悪くない結果だと思うよ。2週間後の最終戦に向けてチームとともに全力で挑むよ。
デビッド=ブラセラス/今回のGPのフォーマットはいつもとは全く違うことになって、タイムスケジュールもタイトでやり直しが効かない結果になってしまった。でもフィーリングは悪くなくて、レース1では10位からのスタートで終始トップ10を争いながらの11位だったんだ。レース2はスタートも決めて7位に上がり、そのポジションで15分ほど走ることができた。ところが岩にヒットしてコースアウトし、バイクはダメージを負うし僕自身も足をやられるしで、レースを続けることができなかったんだ。トップ10圏内でレースを終える自信があっただけに、本当に残念な結果になってしまったよ。でも最終戦は僕のホームGP、スペインだからね、いい結果のために頑張るさ。
モータリスト合同会社(2024年9月16日発行)