【ホンダ】新社長就任会見を実施

掲載日: 2015年07月06日(月) 更新日: 2015年07月06日(月)
この記事は2015年7月6日当時の情報に基づいて制作されています。

リリース = 本田技研工業株式会社

ホンダは、八郷隆弘代表取締役社長・社長執行役員の就任初となる社長会見を実施した。リコール問題などで厳しい状況が続く同社を「新しいHonda」へ導くキーワードは「チームHonda」であるとし、そのカギとなるのは「グローバル6極体制の進化」と「ホンダらしいチャレンジングな商品開発」という2つのテーマの達成と説明した。

質疑応答では「『ホンダらしい』の定義」について尋ねられる場面もあり、八郷社長は「今までに革新的な技術でお客様に夢を与える商品であること」と回答。なお、本会見でバイクに関する話題が挙がったのは、2015年に欧州で発売予定のCRF1000L(アフリカツイン)の商品開発事例と、6拠点のひとつで2輪工場の一部に四輪生産能力を加えるという2点のみだった。

八郷隆弘 代表取締役社長・社長執行役員
以下リリースより
2015年7月6日

2015年7月 社長会見 代表取締役社長 社長執行役員 八郷 隆弘 スピーチ骨子

新社長就任にあたり、私は2つのテーマを掲げて、新しいHondaをつくっていきたい。

【新しいHondaに向けて掲げる2つのテーマ】
1.グローバル6極体制の進化
2.Hondaらしいチャレンジングな商品を継続的に開発し、全世界のお客様にお届けしていくこと
この2つのテーマを実行していくにあたり、私が築いていくこれからのHondaの姿についてお話する。キーワードは「チームHonda」。

【自身の現場経験から考える「これからのHonda」】
・Hondaの強みはチームやプロジェクトのメンバーが、高い目標にチャレンジし、実現すること
・チャレンジはいつも「現場」の中から生まれてきた
その事例を、今までの私の経験からご紹介させていただく。

1999年 北米に投入した初の本格ミニバン、US「オデッセイ」の開発・カナダ新工場立ち上げに開発責任者代行として携わる
・北米ビジネスの今後を担う重要なプロジェクトで、担当領域も国籍も異なるメンバーで構成されたチームをまとめ、のちのライトトラックモデル生産の礎を作る
・2011年 東日本大震災直後に鈴鹿製作所 所長に就任
・軽自動車の開発、生産、購買の一体化にチャレンジし、立ち上げた軽事業の推進部門「SKI:スズカ・ケイ・イノベーション」で累計販売台数100万台を超えるNシリーズという成果を出す
・2012年 欧州経済不況時の英国で、ホンダモーターヨーロッパ・リミテッド 副社長を務める
・工場内に開発・生産・購買の一体フロアを作り、議論を重ねて生まれた「シビック・タイプR」はスポーツカーの本場欧州でも存在感あるモデルとなり、今年秋に日本でも発売予定
・2013年 中国で本田技研工業(中国)投資有限公司 生産統括責任者を務める
・2つの合弁会社(広汽本田汽車有限公司、東風本田汽車有限公司)が、共通のプラットフォームを使いそれぞれの車を作るという、従来の合弁パートナーとの仕事のやり方を根本から大きく変える取り組みを実現した
・現場での経験を通して、目的をひとつにしてそれぞれの個がひとつになり、進んでいくことの重要性を学んだ
・Hondaは、一人ひとりの個性が重なり合った「チーム」を生み出した時、力を発揮する会社
・チームに大切なのは、意見をぶつけあい徹底的に議論ができる現場
・私の役目は、現場が主体的に動けるボトムアップの環境づくり
・「チームHonda」 が目指すのは、そうした現場でのチームからつくり出されたチャレンジングな商品を通して、お客様ともひとつの絆で結ばれること
以上の方針のもと、実際に取り組むテーマ2つについてお話する。

1.グローバル6極体制の進化

・これまでのグローバル6極体制
―他社にはないユニークなマトリックス経営体制により、各地域の生産能力は整い、販売、開発、調達の体制も構築され、地域専用モデルの開発を可能にした

・次のステップとして、地域生産能力をグローバル全体で活用
―グローバル本社のオペレーション機能を高め、地域の相互補完を強力に推進
―フレキシブルな生産体制を活用し最適な生産配分に取り組む
四輪車生産における相互補完例として、
北米「フィット」の一部と欧州「ジャズ」を日本から供給
次期「シビック」5ドアを欧州から他地域に供給
次期「CR-V」をカナダから欧州に供給
・ナイジェリア事業:Hondaとして初めて、アフリカで「アコード」の生産を今月から開始(年間1,000台レベル)
2.Hondaらしいチャレンジングな商品を、継続的に開発し、全世界のお客様にお届けしていく

・今までにないような技術で、お客様に感動や喜びを提供できる商品を実現するためには、チームが一丸となって、とことん考え抜くことが大切。例えば、
―若いアソシエイトの「こんなスポーツカーをつくりたい」、という提案から新しいチームが生まれ、かたちになった「S660」
―30年近く空への夢を追い続けた航空機ジェットエンジン「HF120」とビジネスジェット機「HondaJet」が今年デリバリー開始
・これからも、Hondaらしい「チャレンジングな商品」を生み出すことにこだわっていきたい
―四輪製品では、次期「シビック」に新しいプラットフォームとダウンサイジングターボエンジンを採用
―グローバル基幹車種「CR-V」と「アコード」を更なる新技術、競争力、先進のデザインを持つ魅力的な商品として、フルモデルチェンジする
―燃料電池自動車「クラリティ」後継車の今年度中の日本発売を目指し、更なる次世代モビリティとしては電動化技術を核にした商品を展開していく
―二輪製品では、2015年末の欧州での発売を皮切りに、日本、北米などで順次発売を予定しているデュアルパーパスモデル「CRF1000Lアフリカツイン」で、Hondaらしさを体感できる商品をお届けしていく
―汎用パワープロダクツ事業では、脚力が低下した方の歩行をサポートするための「歩行アシスト」の研究・開発を続けており、今年中の日本での事業化を目指す

【結び】
・Hondaは今後も、今までにないような技術で、お客様に感動や喜びをお届けするべく、二輪・四輪・汎用の各領域で、商品開発に取り組んでいく
・チームが現場で時間をかけなければならないこともあるかもしれないが、そのための時間が確保できるようにすることで、ものづくりの現場を支えていく
・お客様の喜びにつながるものづくりを第一に考えて取り組んでいく
・Hondaの人材、技術力、ポテンシャルを信じ、全世界20万人のアソシエイト一人ひとりのチャレンジングな力をお客様の夢へとつなげるために体制を構築することが私の仕事
・私がアソシエイトと一緒に前に進んでいく原動力は「The Power of Dreams」
・「The Power of Dreams」を原動力に、「チームHonda」は、世界中のお客様と喜びを分かち合うことを目指して前に進んでいく

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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