バイクブロス×マガジンズ編集部 =文/写真
タイトルで驚いてしまうかもしれないが、伊豆ツーリングの生命線とも言える「伊豆スカイライン」が2輪通行止めの危機にさらされていることはご存知だろうか。
伊豆スカイラインはワインディングを堪能できる快走ルートとして多くのライダーに親しまれているが、平成18年ごろから2輪による事故が増加傾向となり、平成20年は事故件数が24件に。そしてまた、事故当事者の重症率が46.2%と非常に高いことも問題視されていた。この事態を解消すべく、地元警察署である大仁署が平成21年より「伊豆スカイライン・ライダー事故・ゼロ作戦」を展開。同ルートの休憩施設であるスカイポート亀石にて啓蒙活動を継続して行い、重大事故件数は減少傾向となっていた。しかし、平成22年6月に入り、大型2輪による事故が多発。6月6日では1日に3件もの重大事故が発生し、そのうちの一件は大型2輪3台による大事故で、ドクターヘリの出動を要請しなければいけないほどだったと言う。そして、2輪が関与する事故が再び増加傾向という事態を受けて、伊豆スカイラインの2輪通行規制案が浮上しているらしいのだ。
この件について精力的に活動されているフリージャーナリスト・KAZU中西氏の調査によると、伊豆スカイラインが静岡県下の2輪通行規制のベンチマークになっているとのこと。そして、もしこのまま事故が増え続ければ、伊豆スカイラインだけでなく周辺のワインディングも2輪通行止めとなってしまう可能性は否定できないのだ。
現状では単純に規制するのではなく、まずは啓蒙活動で状況の改善を図るという動きがあるというのがライダーにとっては唯一の救いだ。7月には4度目の「伊豆スカイライン・ライダー事故・ゼロ作戦」実施が検討されており、再度ライダーに対し安全を啓発していく方針だという。仮に2輪通行止めが実施された場合、その解除には長い年月を要することは容易に想像がつく。奥多摩のように規制が始まってからでは遅いのだ。ワインディングを走行する際のマナーと安全についてライダー一人一人が考える必要がありそうだ。
※今回の記事はフリージャーナリスト・KAZU中西氏のレポートをもとにしています。
伊豆スカイライン通行止め危機に関するPDFファイルはこちら