今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】1.ライディングフォーム (4)曲がるための5つのフォーム(動画あり)

掲載日: 2024年02月07日(水) 更新日: 2024年02月07日(水)

今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】1.ライディングフォーム (4)曲がるための5つのフォーム(動画あり)
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写真/渡辺 昌彦 取材・文/佐川 健太郎 衣装協力/KUSHITANI

フォーム5態を使い分けて
安全で楽しいライディングを

コーナリングフォームが今回のテーマ。曲がり方によってフォームをどう変えていけば良いのかを考えます。たとえばランニングでも短距離と長距離では走り方やフォームは変わりますよね。バイクでも走る場所や路面状況、速度域などシチュエーションによって走り方は変わりますし、それに合わせてフォームも最適化すべきでしょう。そのほうが走りの自在性が高まり、何よりも安全で楽しいライディングが可能になると思います。

そこで私が提案するのが「フォーム5態」。5つの形態=タイプということですね。ひとつめは「リーンウィズ」。車体の傾きとライダーの上体の傾きが一直線になるフォームのこと。最も自然で疲れにくく、路面状況をつかみすい汎用的なフォームと言えます。

2つめが「リーンイン」。車体の傾きよりもライダーの上体が内側に入っていくフォームで、滑りやすい路面などでバイクを起こして安全なバンク角で通過したい場合に有効です。

3つめは「リーンアウト」。これは車体の傾きとは逆にライダーの上体を外側に傾けるフォーム。メリットは小回りが利くこと。ライダーが上体を外側に持っていくことで重心が外側に移動し、逆に車体を寝かすことができます。つまり、V字バランスの効果を利用するわけです。使い方としてはUターンなど小旋回で効果的です。

4つめは「オフセット」と呼んでいますが、腰をイン側に少しずらすことで重心移動の効果によって曲がりやすくなります。使い方としてはワインディングなどでスポーティに走りたいときなどにおすすめです。

そして5つめが「ハングオフ」。レースシーンなどで見たことがあると思いますが、大胆に腰をずらして頭の位置も低くセットし、場合によってはヒザを開いてスライダーを路面に当てていく戦闘的なフォームです。最もアグレッシブで速度レンジも高い、サーキット走行向きのフォームです。その反面、いざというときの機敏な動作や自由な動きが制限されるため公道ではリスクが高まります。というより、公道で使う必要はありませんよね。詳しくは下記の解説をご覧ください。動画も合わせてチェックしていただくと動きのイメージが分かりやすいと思います。

これを見れば完璧!曲がるための5つのフォームを解説!【最新版 スマテク2.0】

Point1「リーンウィズ」

今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】1.ライディングフォーム (4)曲がるための5つのフォーム(動画あり) 01

今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】1.ライディングフォーム (4)曲がるための5つのフォーム(動画あり) 02

■頭と腰とタイヤが一直線
曲がるフォームの基本中の基本。頭、着座位置、タイヤの接地点が一直線になるフォーム。最も楽でリラックスできて、実はタイヤの接地感やサスペンションの感触もリーンウィズが最も分かりやすい。油断すると上体が逃げてリーンアウトになりやすく、人それぞれクセがあって着座位置も右か左にずれている場合が多い。頭がステアリングセンターからずれていないか、シートのど真ん中に座っているか常にチェックしてほしい。

Point2「リーンイン」

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■頭を入れて舵角で曲がる
雨の日や高速道路の継ぎ目の鉄板、写真のようなグルーピングなど、滑りやすい路面やグリップが不安な場合に有効なのがリーンイン。上体をイン側に入れる(ライダー重心をイン側に移動する)ことで逆にバイクを若干起こすことができ、バンク角を浅くすることで結果的に安全マージンを稼ぐことができる。しっかりニーグリップして腰はずらさず、頭をイン側グリップに近づけるイメージ。バンク角ではなく舵角を増やすイメージだ。

Point3「リーンアウト」

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■V字バランスでフルステア
Uターンや狭い路地を曲がるときなど極小旋回で有効なのがリーンアウト。上体をアウト側に持っていくことでバイクをイン側に傾けることができ、バンク角を深くすることで小さく曲がることができる。V字バランスのイメージだ。このときハンドルが切れ込むのを腕力で妨げないことが重要で、フルステアに近いほど小さい半径で曲がれる。シートの外縁に座るぐらい腰をアウト側に移動するとより大きな重心移動効果が得られる。

Point4「オフセット」

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■腰をずらしてキッカケを作る
リーンウィズを基本として、腰を少しだけイン側にずらすフォームのこと。ライダー重心がイン側に移動することでバイクを倒し込みやすく、曲がりやすくなる。ずらす量は5cmでも10cmでも構わない。頭はセンターのまま。左右に切り返すコーナーなどでも腰をずらすタイミングで倒し込みのキッカケを作りやすく、大型バイクでも楽に切り返すことができるはず。峠道などでスポーティに気持ち良く走りたいときにおすすめしたい。

Point5「ハングオフ」

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■大きくずらしてヒザでバランス
体重移動の効果を最大限引き出すフォーム。腰は半分以上ずらし(左コーナーなら右の尻だけシートに乗る)、その分外足でしっかりタンクをホールド。頭は低く前方・内側へ。基本はシートにしっかり体重を乗せておくのがポイント。ヒザを開くのはバランスをとるためで、深いバンク角で走るサーキットでは結果的にヒザを擦ることでバンク角を探る。回避しにくいなどデメリットもあるためクローズドコース限定のフォームと心得たい。

スマテク2.0 講師 プロフィール

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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