【ファンティック】新型ストリートスポーツ「ステルス500」日本導入へ、モータリストが先行試乗レポートを公開

掲載日: 2026年05月12日(火) 更新日: 2026年05月12日(火)

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モータリスト合同会社は、ファンティックのニューモデル「ステルス500」の先行試乗レポートを公開した。同車両は463cc水冷単気筒エンジンを搭載した147kgの軽量な車体で最高出力45ps/8,000rpmを発揮し、俊敏な走りと扱いやすさを両立。4種類のライディングモードやコーナリングABS、トラクションコントロールなど電子制御も充実しており、希望小売価格は126万5,000円(税10%込み)となる。最終量産モデルは2026年5月より製造が開始されており、日本導入後は試乗車の用意も予定されているとのことだ。

TUTTO BENE! Fantic Stealth、間もなくリリース!

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イタリアで1968年に創業、以来イタリアはもちろん、ヨーロッパ、そして世界の若者を魅了するボーイズレーサーを世に送り出してきたファンティック・モーター社(Fantic Motor SPA)。
「キャバレロ」に代表されるスクランブラー・モデルや、「XEF」トレールモデルはその代表的な公道用スポーツモーターサイクルとして多くの幅広いユーザーに愛されてきた。「XX/XX-F」シリーズなどのコンペモデルによって、世界選手権モトクロスやエンデューロで多くのチャンピオンシップを獲得してきたことからもファンティックはオフロード・ブランドとしても認識されやすい。
しかし、ロードレース世界選手権MOTO 2クラスに5シーズンもの間継続して戦い、昨年にはチームとして初の世界チャンピオンに輝いたことでも示されるように、ストリートモデルこそがそのベースにあり、スポーツ・モーターサイクルの楽しみをよく理解してモデルを開発しているブランドでもある。

そのファンティック・モーターの日本における正規輸入元であるモータリスト合同会社では、ファンティックが今まさに鋭意生産中であるニューモデル、ステルス500(Stealth 500)の先行試乗にチームを送り込んだ。レポートを提供するのは、これまでもキャバレロの先行試乗や、キャバレロによるエンデューロ挑戦などで多くのライダーに話題を提供してきた、クラウス=ネネヴィッツ(ドイツ人ジャーナリスト)だ。ぜひその報告をお読みいただきたい。

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ファンティックがこのモデルに「ステルス」の名を与えたのは、その衝撃的な性能が市場に予想していなかったかのような不意打ちのインパクトを与える、という意図があったからに違いない。存在感の高いフォルム、素晴らしい走りは間違いなくしっかりと「目に焼き付く」ほどに顕在化したマシンであるのに、なぜ「ステルス」、すなわち隠密、秘匿、こっそりと、といった意味を持つ名前を与えられたのかを思うに、そんな開発陣の想いが想起されてくるのです。

そう、イタリア中部の素晴らしいワインディングが続くパッソ・デッロ・スピノで与えられたこの最新モデルの試乗機会は、まさに事前の予想をはるかに超えるほどの楽しさに終始する一日となったのでした。

ヒルクライム・レースの舞台としても知られるこのツイスティなワインディングは、扱いきれるパワーを存分に発揮しながら思うが儘にこのマシンを走らせる最高のシチュエーションでした。沿道にはポリツィアが配置され、私たちテスターがマシンを走らせると手を振って応えてくれます。まあそういう意味でも「見える」マシンでのライディングですから、発売前らしいステルス性は全く確保はされていませんでしたが、素晴らしいハンドリングを担当するには最高のシチュエーションだったのです。

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新設計のエンジンはMM460と呼ばれる、新しいキャバレロに搭載されたものと基本設計は同一ながら、ストリート向けにピストンを20g軽量化。振動はさらに抑えられ、回転フィールは一段とスムースに進化しています。最高出力は45psを8,000rpmで発揮。最大トルクは42.5Nmを7,000rpmで記録しますから、キャバレロと比べてもパワー、トルク共にわずかながら向上しています。いまやファンティックのグループ会社であり、ヨーロッパの多くのモーターサイクルブランドにエンジンを供給することでも知られるモトーリ・ミナレッリの手によるこのエンジンは、実際の走行でも非常に力強い印象を与えてくれます。

トランスミッションはキャバレロから変更なし。ステルスとの相性も良好で、俊敏な走りを支えます。ファイナル・ギア・レシオのみややロングに設定され、ストリート・スポーツらしい伸びのあるキャラクターを加えているといっていいでしょう。気持ちよくスロットルを開けていくと、この元気なシングル・シリンダー・エンジンはレブ・リミットの9,500rpmまで一気に吹け上り、全回転域で軽快さと爽快感を演出します。クラッチとシフターの操作感も非常にソフトで、冷間時でもニュートラルは容易に見つけられます。

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オフロードイメージの強いファンティックなだけに、スポーツストリートは大丈夫なの?という疑問の声には明確な答えを用意しています。その中でも、世界選手権ロードレース、Moto2への参戦は一つの回答といえるでしょう。Moto2はシャシーもエンジンも確かにファンティック自身が制作しているわけではありませんが、チームとしてファンティック自身が参戦していることから、その経験は間違いなく生産車にフィードバックされているといっても間違いではありません。ステルスの車体構成を見てもそれは明らかです。
頑丈なスチール製トリレスフレームがステアリングヘッドとステッププレート(ファンティックのお家芸でもあるアルミ削り出しの高品質、高剛性のパーツでもあります)を結び、ここにリアフォークとサブフレームがマウントされています。軽量なアルミホイールは17インチとスポーツバイクの文法通り。マスの集中化は12Lの燃料タンクをシート下深くへと潜り込ませたデザインからも推し測れます。

年末に登場すると言われているフル・フェアリング構造の「イモラ」も含めた新しいファミリーの開発にあたり、ファンティックは徹底した軽量化にも注力しています。公表されている車両重量(ガソリン抜き装備)は147kg。同クラスのライバルと比べても10-20kg以上も軽量な仕上がりです。当然、この軽さは大きなメリットとして、あらゆる場面で体感できます。取り回しは非常に軽く、都市部の渋滞路でもおもちゃのように軽く扱えます。用意されたワインディングでもその敏捷さは変わらず、わずかな入力で素早くバンクし、そのまま次のコーナーへ矢のように飛び込んでいくのです。

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排気量500ccクラスはヨーロッパではエントリーモデルと言えますが、この楽しさはベテランライダーもうならずにはいられないでしょう。価格も¥1,265,000(10%消費税込)と非常に魅力的です。この走りを支えているのは前後130mmのストロークを持つサスペンションであることは間違いありません。ファンティック自身が設計し、その豊かな経験を反映してセットアップされた前後のサスペンションは、調整機構こそ省かれているものの(リアショックのプリロードのみ調整可能)、それで実用上は全く不満のでない設定です。フロントフォークは41mmのインナーチューブ径を持つ高剛性な倒立式がおごられていますが、快適性とスポーツ性の十分以上の両立を果たした、素晴らしいセッティングのサスペンションといっていいでしょう。

心地よい走りに安心を提供するブレーキシステムは、フロントに大径320mmのシングル・ディスクとラジアルマウント・キャリパーを用意しました。剛性感抜群のフロントエンドは安心してフルブレーキを行うことができますし、リアも230mm系のディスクブレーキですから、延々と続く峠の下りでも最後まで安心してブレーキを使い続けることができました。

路面との対話は、ピレリ・ディアブロ・ロッソIVタイヤが行いますが、きわめて深いバンク角まで安心して持ち込める特性が自慢です。軽量な車体との相性も抜群といっていいでしょう。もちろん直進安定性も十分以上で、路面状態が悪いところでもラインが乱れることはほとんどなく、高速域でもイタリアン・スーパースポーツらしい安定感を維持してくれます。もちろん「アウトバーン推奨速度」の域まで車速を伸ばしても、その安心感は変わることがありません。

シート高は810mmと高すぎず低すぎずでマシンの中心にライダーをうまく配置したエルゴノミクスといっていいでしょう。ホイールベースは1365mmです。実に優れたバランスで、私のような大柄なライダーでもシート上で自由に体を入れ替えることが可能でした。ステップバー、ハンドルとの位置関係もバランスがよく、長時間の走行でも疲労は最小限に抑えられています。振動も少なく、エキゾースト・サウンドは抑制が効いた心地よい音量にまとめられています。

エレクトロニクスは最先端で、ステルス500には「ストリート」「レイン」「トラック」「カスタム」の4つのモードが提供されています。各モードごとにトラクションコントロール、コーナリングABS、エンジンマップが最適化され、組み合わせに頭を悩ませる必要がありません。一方、カスタムモードならトラクションコントロールやリアABSもカットできますから、マシンを完全に自分自身で制御したいライダーをも飽きさせることはないでしょう。5インチのTFTディスプレイは視認性が高く、ユーザーインターフェイスも直感的でわかりやすくなっています。USB給電ポートはステアリングヘッド直後、フレーム左側に用意されています。

総評すれば、ファンティック・ステルス500はビギナーからリターンライダーまで、さらにはスポーツ志向の高いライダーであっても十分以上に楽しめる、非常に満足度の高い1台に仕上がっていました。これだけの商品が、この価格で用意されるとは。驚くほどの魅力を備えたモデルといっていいでしょう。そう、「ステルス」というよりは、500cc以下のスポーツモデルの中で最前列グリッドに堂々と並ぶ実力派といっていいマシンであることは間違いないのです。今はミドルクラスでは貴重なピュア・イタリアン・スポーツとして、ファンティックを成功に導いていくことを願わずにはいられません。

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仕様・諸元

■モデル名/ファンティック・ステルス500
■エンジン
・最高出力/45ps/8,000rpm
・最大トルク/425.Nm/7,000rpm
・形式/水冷4サイクルDOHC単気筒
・内径x工程、排気量/96.0×64.0mm、463cc
・燃料供給装置/サクションポートインジェクション、46mm径スロットルボディ
・クラッチ/湿式多板、アンチホッピング機構付き
・トランスミッション/6速リターン式、チェーン駆動
■シャシー
・フレーム/スチール製トリレス構造、アルミ削り出しステッププレート
・懸架装置/倒立式テレスコピックフロントフォーク、内径41mm/アルミスイングアーム+リンク式モノショック、プリロード調整式
・タイヤサイズ/110/70-17(F)、150/60-17(R)
・ブレーキ/320mmシングル(F)230mmシングル(R)
・寸法/全長1967mm、シート高810mm、軸距1,368mm
・車両重量/147kg(ガソリン抜き装備)
■ボディカラー/ブラック&アシッド・グリーン、レーシングホワイト&レッドストライプ
■燃料タンク容量/12.0L
■希望小売価格/126万5,000円(税10%込み)

ファンティック・ステルス500はイタリアで提供されているメディア向け試乗機会を皮切りに、最終量産モデルの製造を2026年5月に開始しています。当社でもその第一弾の発注を行っており、日本に到着次第試乗車を用意させていただくとともに、全国の先行ご予約いただいているファンティック・ディーラーの店頭にも車両が用意されていく見込みです。試乗車の用意ができましたら速やかにメディアのみなさまにはお乗りいただけるよう、案内させていただく予定です。今しばらく到着をお楽しみにしていただきたくお願い申し上げます。

リリース

モータリスト合同会社(2026年5月12発行)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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