ファンティックが FIM モトクロス世界選手権ガリシアGP のレポートを公開した。欧州選手権 EMX125 の第4戦でもある同GP では、ポールポジションを獲得したシモーネ=マンチーニが総合優勝を飾った。また、チームメイトのノエル=ザノークスは9位に終わったものの、これまでの好成績によりランキングトップを維持している。
FIMモトクロス世界選手権は第6戦をスペインの東部になるルーゴで開催。GP初開催の会場だったが、ファンティック・レーシングチームのグレン=コルデンホフは手堅く総合7位を獲得。このガリシアGPは欧州選手権EMX125の第4戦でもあり、ファンティックとしては3度目の総合優勝を、イタリアン・ヤングスター、シモーネ=マンチーニの手によって獲得した。チームメイトのノエル=ザノークスはこのレース、9位に終わったものの、これまでの好成績が奏功して依然、ランキングトップを死守している。
シモーネ=マンチーニはこの週末絶好調。計時予選でもトップタイムを記録し、今シーズン2度目のポールポジションに愛車・XX125を導いた。ランキングリーダーのノエル=ザノークスは思い通りの走りを刻めないまま組5位。ドウェ=ファン=メクゲレンは17位となった。
第1ヒート、トップ3でスタートを決めたマンチーニは2位を確実にものにする手堅いパフォーマンスを演じて見せた。一方チームメイトにとっては厳しいレースであり、ポイントリーダーのザノークスは1周目の複数のライダーを巻き込むクラッシュに阻まれ、自らのバイクの下敷きとなり、レースには最後尾で復帰する羽目になったのだ。ノエルは何とか追い上げを敢行したが、その後もクラッシュを喫し、ポイントを12位で獲得できたものの思い通りのレースとはいいがたい結果に終わってしまった。ファン=メクゲレンは同じく多重クラッシュにてこずり、15位でマシンをフィニッシュさせるのがやっとだった。
第2レース、マンチーニは再びスタートに成功し、2位につけた。その後厳しくプッシュすることで先行するレースリーダーにプレッシャーをかけ、結果としてミスを誘発させトップを手中にした。残り3周でマシンの不調もあってトップを譲り渡したものの最終的に再び2位を獲得し、総合では優勝を獲得。これは彼にとってのシーズン2勝目となった。
ザノークスは再び1周目にクラッシュに巻き込まれたものの厳しくレースを戦い、9位に食い込むことでチャンピオンシップ・リーダーのポジションを維持することには成功した。ファン=メクゲレンもまたオープニングラップのクラッシュに巻き込まれ、こちらは残念ながらポイント獲得には至らなかった。
この結果には満足しているよ。このコースはお気に入りで、その通りポールポジションを獲得できた。レース1のスタートは3位で、2位に上がるまでちょっと時間がかかっちゃったおかげでトップははるか彼方になり、追いつけなくなっていたんだ。レース2のスタートはさらに良くて、すぐにトップ後ろにつけてチャンスをうかがったよ。レースリーダーがプレッシャーに負けて転んだあとはギャップも徐々に広げていたんだけど、どういうわけか最終ラップが思い通りにならずに2位になってしまったんだ。でも総合優勝はできたからね、悪くないだろう。次は1週間後のフランスだ。
レース1のスタートは最悪で、おまけにクラッシュに巻き込まれてそれに影響されてしまった。レース2も同じような感じだったけど、そこからなんとかプッシュして9位まで持ち上げることができたから、まあ悪くはないのかな。いい週末とは言えなかったけど、仕事を進めて、来週には満足できる結果につなげる予定だよ。
だれにとっても新しいコースとなった今回、グレン=コルデンホフとブライアン=ボーガースは土曜日の予選レースで11位と12を分け合う結果になった。決勝日、レース1はボーガースにとっては上々のスタートで、レースの大半を5位で走らせることになったものの、最終ラップの失敗が響いて結局10位に終わってしまった。コルデンホフはスタートで失敗してトップ10圏外からの追い上げとなったものの、レースペースは悪くなく、最終的には7位まで追い上げたレースとなった。
レース2、グレン=コルデンホフはXXF450でロケット・スタートを決め、第1コーナーを3位で通過。しかしリズムセクションで失敗しポジションを下げ、それでもプッシュを続けて5位の結果を残し、総合7位でレースをまとめることとなった。一方ボーガースはスタートに失敗して中団に埋もれ、何とか12位まで持ち上げたものの、総合11位の結果に終わることになってしまった。
土曜日、だいぶこのコースに手を焼いてしまっていた。初めてのコースということもありセットアップがなかなかまとまらず、何度もやり直すことになったんだけど、最終的にはこれがよかったと思っているんだ。レース1はスタートに失敗したおかげで埋もれてしまい、7位まで順位を取り戻すのが精いっぱいだった。レース2はさらにタフで、大きなミスを犯してしまったおかげで結果は思い通りとはならず、5位がやっとだったんだ。レースペースは悪くなかったんだけどね。総合7位は求めていた結果ではなかったけれども、スピードは決して悪くない。フランスに向かう前にもっとトレーニングして、結果を出せるように頑張るよ。
ここはむつかしいコースで、マシンのフィーリングをつかむまでかなり練習が必要だった。でも結果として計時予選に臨んだ時には思っていたよりもいい感じで走れたから、12番時計を記録できたんだ。レース1のスタートは我ながら最高で、5位をキープできていたんだけど、その後何度かミスが続き、順位を守れなかった。レース2のスタートは最悪だったけど、コースコンディションが悪化する一方でバイクのフィーリングがよくなってきて、思ったよりも順位を伸ばせたんじゃないかな。この週末の進化は悪くなかったと思っているよ。
デビッド=ブラセラスは彼のホームGPとしてのサポーターたちからの熱狂的な応援をうまく使うことができなかった。日曜日の朝のウォームアップでのクラッシュはブラセラスをドクターストップによるリタイヤへと追い込む結果となったのだ。だが来週のフランスGPでは復帰できるのではないかと楽観的にみている。
ケイ=カールスメイカーズはこのためファンティックレーシングの唯一のライダーとして日曜日のレースを戦うことになった。土曜日の計時予選でも思うように走れなかったことで21位からのスタートとなったカールスメイカーズはレース1では中団に埋もれて抜け出すことができず、18位でレースを終えるのがやっとだった。レース2では状況の見極めに成功し、14位に上げられて総合では16位の結果を残すことになった。
地元・スペインのファンの前でレースできないなんて、フラストレーションがたまってしまったよ。でも日曜日の朝のクラッシュは本当に激しいもので、やむを得ない決断だったんだ。このレースを逃したのは痛いけれど、もっと大事なことは来週のフランスGPには復帰するということと、そこにはもちろんチャンスが待ち構えているってことだ。そう、ギブアップはしないよ。
モータリスト合同会社(2024年5月14日発行)