ファンティックがイタリア選手権モトクロス開幕戦のレポートを公開した。ファクトリーチーム「Fantic Factory Racing Team」として初挑戦となる MX1クラスでは、グレン=コルデンホフが Fantic XXF 450 で出走し総合4位入賞。125ccクラスには3名のライダーが出場し、ノエル=ザノーチが総合優勝を飾った。
今シーズンからFantic Factory Racing Teamとしてモトクロスへの新たなチャプターを切り開くファンティック。マニファクチュラとして初めて挑戦するMX1ではグレン=コルデンホフが歴史の1ページを刻む4位に入賞、125ccクラスではノエル=ザノーチが素晴らしい勝利を飾りました。
イタリア選手権(国際格式)モトクロスが2024年シーズンのレースの口火を切る形で開幕。サルディニアはリオラ・サルドで第1戦が開催されました。 MX1クラスでは、ファンティック・ファクトリー・レーシングチームとして初めてのシーズンを迎えたこのレース。
トップカテゴリーのMX1クラスでは、グレン=コルデンホフが出走。チームメイトのロン=ファン・デ・モスディックは体調が思わしくなく欠場し、次週に予定されているマントバのレースからの参戦となる予定です。 グレンが操る Fantic XXF 450 は素晴らしいパフォーマンスを見せ、総合4位に入賞しました。125ccクラスではチームの3名のライダーはいずれも健闘。中でもノエル=ザノーチはスリリングなレースの末総合優勝を勝ち取り、シモーネ=マンチーニは総合4位に入賞。ドゥ=ヴェン・マックグレンは予選10位のパフォーマンスを見せました。
練習走行からマシンとの相性の良さを見せつけたグレン=コルデンホフ。リオラ・サルドのコースも難なく手なずけ、予選では5位のタイムを刻み、決勝への大きな手ごたえをつかみました。 レース1では抜群のスタートを見せたダッチマン(オランダ人であるコルデンホフ)は3位で1コーナーに滑り込みます。コースコンディションが厳しさを増す中、コルデンホフはその順位をキープ。
さらにプッシュしようというレース終盤、ミスが出て大きくコントロールを失います。世界選手権に向けた最初のレースで大きなミスを犯したくないグレンは冷静に判断し、無理に順位を追わずレースをまとめ、6位でフィニッシュしました。 レース2では圧巻のパフォーマンスでファンティックのピットは沸き立ちました。最高のスタートからトップを数ラップ。XXF450とコルデンホフはレースをリードし、最終的には3位を獲得。6-3の総合4位に初戦をまとめたのです。
グレン=コルデンホフ
「予選で5位のタイムも残せて、今日はいいスタートになったと思うよ。ただ、このレーストラックを走るのは初めてで、チームも全く練習することができなかったから、いいセットアップを見つけるにはちょっと時間が必要だったんだ。そのせいもあってヒート1ではマシンコントロールに苦労したけど、ヒート2に向けてセットをまとめ直して、それがうまくいったね。ホールショットも取れたし、ティム=ガイザーとの接近戦は本当に楽しかった。ルノーには抜かれたけど、フェーブルの前で走り切ることができたからね。いい一日だった。今シーズンに大きく期待できるレースになったし、来週末のレースに向けても自信を持ったよ」
125ccクラスの若手ライダーは、スピードと強さを持つことが勝利への鍵となります。予選ではノエル=ザノーチが2位に食い込むパフォーマンスを見せ、シモーネ=マンチーニが5位、ドゥ=ヴェン・マックグレンは14位に続きました。 レース1ではマンチーニが手堅いスタートを見せます。
見事なダッシュを決めると、シモーネは2位に滑り込み、さらに上を目指しましたが数ラップ後、コントロールを失い転倒。最終的には6位入賞となりました。一方、ノエル=ザノーチはスタートに失敗。しかし予選からの好調さはザノーチに自信を与えており、1周目が終わるころには5位に、フィニッシュラインを通過したときには3位にまで順位を上げることに成功しました。ヴェン・マックグレンは怪我からの回復途上でもあり、久しぶりのレースでもありましたが、5位まで順位を上げてフィニッシュ。レース感を早くも取り戻しつつあります。
レース2の中心はまたもマンチーニとザノーチでした。ホールショット争いから2台が競い合う展開は、1周目にザノーチが転倒する形となりましたが、ザノーチは諦めることなく見事にリカバー。6週目には再びトップに立ち、チェッカーフラッグまでその位置を守り抜いて、見事な勝利を飾りました。マンチーニは3位を守り続けましたが最終ランプに転倒。素早く立て直し、4位入賞となりました。
一方、ヴェン・マックグレンは2度の転倒を喫し、順位を回復させることができないまま17位でのフィニッシュとなりました。3-1でレースをまとめたザノーチは総合優勝。次の週末に続くイタリア選手権のポイントリーダーに輝いています。
ダニエル=マルキーゼ(チームマネージャー)
「この厳しいレーストラックで素晴らしいパフォーマンスを見せることができて、本当にうれしいね!ノエル=ザノーチは2つのヒートレースをあきらめずにまとめきっての素晴らしい勝利となったし、シモーネ=マンチーニも速さを魅せてくれた。レース1での転倒が響いたのが残念だったな。ヴェン・マックグレンは怪我からの復帰戦で4ヵ月ぶりのレースだから、レース1の結果は正直驚くほどの回復ぶりだったし、レース2もクラッシュがなければいいところまで行けたと思うよ」
モータリスト合同会社(2024年2月6日発行)