【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催

掲載日: 2023年11月30日(木) 更新日: 2023年11月30日(木)
この記事は2023年11月30日当時の情報に基づいて制作されています。

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 メイン

ホンダは電動二輪事業に関する説明会を開催した。この中で同社は2030年のグローバルでの電動二輪車の年間販売台数目標を400万台と発表。また、2030年までに電動モデルを30機種以上投入し、電動二輪車のフルラインアップ化への取り組みを加速させるとしている。

2023 Honda 電動二輪事業説明会 説明概要

~二輪電動化の加速と事業体質強化に向けて~

・2030年のグローバルでの電動二輪車の年間販売台数目標を、昨年公表した350万台に対して50万台増となる400万台とする
・Hondaは2030年までに、グローバルで電動モデルを30機種投入
・コストダウンの取り組みを加速させ、現行の車体コストから50%削減
・2021年から2025年の5年間で1000億円、2026年から2030年の5年間で4000億円、10年間で合計約5000億円の投資を計画
・2030年に二輪事業全体では営業利益率10%以上、電動二輪事業単独では5%以上、2030年以降には二輪事業全体、電動二輪事業ともに10%以上を目指す

Hondaは本日、二輪電動事業の取り組みについて説明会を開催し、執行役専務 電動事業開発本部長 井上 勝史(いのうえ かつし)および電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 統括部長 三原 大樹(みはら だいき)が出席して説明を行いました。
以下、その概要をお知らせします。

2030年の電動二輪車年間販売台数目標400万台に

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事1

2030年におけるHondaのグローバルでの電動二輪車の年間販売台数目標を、昨年9月に公表した数値から50万台引き上げた400万台とし、さらに電動車の普及を加速させていきます。
今年は、中国で「Honda Cub e:(ホンダ・カブ・イー)」などEB※3機種を、日本、欧州では「EM1 e:(イーエムワン イー)」をそれぞれ発売しました。

※Electric Bicycle(電動自転車)と呼ばれる、最高速度25km/h以下のカテゴリー。電動アシスト自転車は含まない

さらに2024年には「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に出展した「SC e: Concept(エスシー イー コンセプト)」をベースとしたモデルを、2025年にはFUN用途に使えるモデルや、プラグイン充電式の電動二輪車をそれぞれ世界各国に投入します。これらのモデルに加えスーパースポーツ、オフロード、Kids向けバイク、ATVなど2030年までに合計30機種以上を積極的に投入し、電動二輪車のフルラインアップ化への取り組みを加速させていきます。

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事2

電動化での進化したものづくり

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事3

Hondaの強みであるICE搭載車で培ったプラットフォームの共用化のノウハウ、「走る・曲がる・止まる」といった二輪車の基本性能の高さを電動二輪車の開発と生産でも発揮するとともに、電動二輪車で大きく進化する装備の一つであるコネクティビティを適用することで、快適性を高め、購入後も進化する電動二輪車を提供していきます。

電動二輪車では、モジュールプラットフォームという形で、バッテリー、パワーユニット、車体をそれぞれモジュール化し、これらを組み合わせることで、多様なバリエーション展開が可能になります。これによりグローバルのさまざまな顧客ニーズに対応できる商品を、スピーディに、かつ、効率よく市場に投入していきます。またこのモジュール化はコスト面でもメリットを生むことができます。

電動二輪車で大きく進化する装備の一つに、コネクティビティがあります。これにより購入後もOTAなどを通じてソフトウェアの機能追加などのアップデートを行うことができるようになります。

Hondaは2020年から展開しているコネクティビティを使ったサービス、Honda RoadSync(ホンダロードシンク)をさらに進化させ、収集された情報を活用し、お客様に充電ステーションの情報を提供するといった提案型ナビ機能を付加したIVI(インビークル・インフォテインメント)を、2024年上市予定のモデルに搭載します。

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事4

2026年上市モデルにはテレマティクス通信ユニット(TCU)を搭載し、さらなるサービスの進化を図ります。将来的には、ICE搭載車と電動二輪車の双方から得られるデータを活用し、車両の利用状況から顧客のニーズを理解することで、新しい発見や安全性を高める機能など、Hondaならではの体験を提供していきます。

また、Hondaが投入しているモデルのバッテリーでは、三元系リチウムイオン電池を採用していますが、これに加えて、リン酸鉄リチウムイオン電池を用いたバッテリーの開発も行っており、2025年に投入を予定しています。それぞれ得意とする出力帯、コストに違いがあるバッテリーのバリエーションを持つことで、より多くの用途に対応することができ、商品の幅が広がります。中長期的には、現在開発中の全固体電池の活用を視野に入れ、エネルギー密度の高いバッテリーの採用も検討していきます。

電動二輪事業における新しい顧客接点

電動二輪事業では、店舗に行くことなく二輪車を購入できるオンライン販売を行ない、お客様の利便性を向上させていくとともに、グローバルで3万店を超えるHondaの既存の販売網のサービスによる安心感も提供していきます。

さらに新しい試みとして、電動二輪車を通じて提供したいと思っている価値観を体感していただく場として、エクスペリエンスセンターをインド、ASEAN他の主要都市に設置します。既存の販売店の強みに加え、オンラインサービスの強化で、これまで以上に、お客様により便利で安心感のあるオンオフ融合の顧客接点を提供していきます。

電動二輪車の完成車のコスト50%削減

電動二輪車の完成車のコストに関して、2030年には、現在の交換式バッテリー仕様の電動二輪車より、50%の削減を目指します。そのために、プラグイン充電式のバッテリーの採用、バッテリーセルの最適化、共通するモジュール採用による調達、生産の効率アップ、専用工場などによる効率化によって実現を目指します。

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事5

電動二輪車の生産は、まずは既存のICE用インフラを活用しますが、2030年の販売台数400万台の実現に向けた盤石な体制構築と一層の競争力を確保すべく、2027年以降をめどに、電動二輪車専用生産工場をグローバルで順次稼働させます。この工場ではモジュール化技術などの採用により、組み立てラインの長さを従来に対し約40%削減し、高効率な生産体制を目指します。なお、専用工場は1工場当たり、投資金額は約500億円、生産能力は年間100万台規模を想定しています。

調達については、これまで完成部品で調達していたものを、材料、加工、組み立て、物流などの各工程を見直すことで、より競争力のある体制にしていきます。

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事6

電動車販売の最大化に向け10年間で約5000億円投資

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事7

二輪の電動化に向けては、2021年から2025年の5年間で1000億円の投資を現在進めています。さらに、2026年から2030年の5年間で4000億円を計画しており、10年間合計での投資は約5000億円となります。

2031年以降は、さらなる競争力強化のために、グローバルでの生産体制の構築、ソフトウェアの進化に資金を投じ、電動車の販売の最大化につなげていきます。

2030年以降電動二輪事業で営業利益率10%以上

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事8
収益目標としては、2030年に電動二輪事業として営業利益率を5%以上、二輪事業全体としても10%以上の実現を目指します。そして2030年以降には、電動二輪事業として営業利益率10%以上を達成し、利益総額としてもさらなる増加を目指します。

Hondaは、電動二輪事業においても、現行のICE事業と同様、高収益な体質を構築し、二輪事業全体としても、利益を拡大させていきます。

Hondaが掲げるグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams – How we move you.」の考えに基づき、自らが夢みるモビリティの創造を通して、より多くの人の夢の力となり、人と社会を前進させる原動力となっていきます。これからのHonda電動二輪車にご期待ください。

【ホンダ】2030年までに電動二輪車をフルラインアップへ「電動二輪事業説明会」開催 記事9

リリース

本田技研工業株式会社(2023年11月29日発行)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

このページの一番上へ

サイトのトップページへ

このページの一番下へ