2021年10月24日(日)に開催されたロードレース世界選手権 エミリア・ロマーニャ GP においてヤマハのファクトリーチーム「Monster Energy Yamaha MotoGP」から MotoGP クラスに参戦するファビオ・クアルタラロ選手が4位に入賞。これにより、ファクトリー加入1年目にして2021年シーズンのタイトルを獲得した。
ヤマハ発動機としては、ロードレース世界選手権最高峰クラスでの表彰台獲得数は755回。ライダータイトル獲得は、今回のクアルタラロ選手の勝利を加え通算18回目となった。
~世界最高峰クラスでは2015年以来、18回目のタイトル獲得~
2021年10月24日(日)、イタリアで開催されたエミリア・ロマーニャGPで、「Monster Energy Yamaha MotoGP」のファビオ・クアルタラロ選手が 4 位を獲得し、ファクトリーチーム加入 1 年目で MotoGP 世界選手権の最高峰である MotoGP のタイトルを獲得しました。
クアルタラロ選手はファクトリーチームでのデビュー戦となるカタール GP で 5 位獲得と健闘し、第2戦ドーハ GP と第3戦ポルトガル GP で連勝を達成しました。第 4 戦スペイン GP ではアームパンプ(腕上がりと呼ばれる症状)に苦しめられ、その直後に手術を受けることとなりましたが、その後も好調を維持し、3回の優勝(イタリア GP、オランダ GP、イギリス GP)を含む8回の表彰台(フランス GP、イタリア GP、ドイツ GP、オランダ GP、スティリア GP、イギリス GP、サンマリノ GP、アメリカズ GP)を獲得しました。
こうしたクアルタラロ選手の活躍により、ヤマハ発動機株式会社はロードレース世界選手権参戦 60周年を迎えた年に最高峰クラスでの表彰台獲得数を755回としました。またライダータイトルにおいては、これまでに MotoGP でホルヘ・ロレンソ選手が3回(2010、2012、2015)、バレンティー・ロッシ選手が4回(2004、2005,2008、2009)。500 ㏄ではウェイン・レイニー選手(1990、1991、1992)、エディー・ローソン選手(1984、1986、1988)、ケニー・ロバーツ選手(1978、1979、1980)がそれぞれ3回ずつ、そしてジャコモ・アゴスティーニ選手が 1 回(1975)の栄冠に輝いており、クアルタラロ選手によって通算18 回目のタイトル獲得となりました。
クアルタラロ選手とチームメイトの努力により、「Monster Energy Yamaha MotoGP」と当社は現在も、チームランキングとコンストラクターズランキングの争いも展開しています。最終戦のバレンシア GP までライダータイトルに加え、チーム、コンストラクターを含めた三冠獲得を目指し、クアルタラロ選手とフランコ・モルビデリ選手らとともに全力を尽くします。
「はじめに、クアルタラロ選手のタイトル獲得を心から祝福したいと思います。彼が YZR-M1 の性能を最大限に発揮する才能を持ち、当社が持つ大きな夢を共有していることはわかっていました。そして今、彼は努力と情熱、そしてエキサイティングでありながらクリーンな走りで夢を実現させたのです。
この共通の目標をともに達成できたことに感動しています。グランプリ参戦は当社の伝統的な活動としてレーシング DNA を育み、この DNA は製品にも浸透しているのです。当社は今シーズン、グランプリの頂点に復帰するという明確な目標を持っていました。クアルタラロ選手とともに5回の優勝と10回の表彰台を獲得し、実に6年ぶりにその目標を達成することができました。これは素晴らしい成果です。しかもこのような激しい戦いの中でそれを達成できたことを誇りに思います。
ヤマハを代表し、すべてのスポンサーおよびパートナーの皆様に心より感謝申し上げます。皆様のサポートがなければ何ひとつ達成することはできませんでした。新型コロナウイルス感染症の拡大に見舞われたこの難しい2年間も、常に当社を応援し続けてくれました。まさに、このタイトルは皆様のものでもあるのです。MotoGP やその他のモータースポーツが多くのファンにとって活力の源になっていることが、この2年間で、より一層、明らかになりました。厳しい時代においてもグランプリは多くの人々にとって明るい光になったのです。
私はここで、世界中のファンの皆様の揺るぎないサポートと、今年もまたコロナによる規制を忠実に守ってきた当社スタッフに感謝の気持ちを伝えたいと思います。彼らは何週間も家族から離れ、世界チャンピオンになるという目標のため 100%の努力を続けてきたのです。
当社は創業以来、すべてのお客様に感動をもたらすため常に努力してきました。これは特別な価値のあるものに出会ったときに感じる深い満足感と大きな興奮を表す言葉です。今日のチャンピオン獲得は間違いなくそうした瞬間のひとつで、クアルタラロ選手と当社のファンが増えていくなかで多くの人に喜びをもたらす重要な出来事となりました」
「クアルタラロ選手がエミリア・ロマーニャ GP で早くもタイトルを獲得したことを心から祝福します。私たちは彼の才能を十分に理解していたので、今年、ファクトリーチームへの加入を要請しました。彼は私たちの期待に応えるだけでなく、それを超えてしまったのです。
クアルタラロ選手は常にファクトリーライダーになることを夢見てきて、将来にも大きな希望を抱いていましたが、チームの変更は大変なこともあります。新しいチームに適応しながら、ファクトリーライダーとなったことによるメディアからのプレッシャーにも対処しなければなりませんでした。しかし彼は難なくチームに溶け込み、ファクトリー仕様の YZR-M1 で、ドーハ GP とポルトガル GP で優勝しました。
この時すでに、特別なシーズンになると確信しましたが、続くスペイン GP では大きな困難に見舞われました。アームパンプを解決するため、タイトル候補にとっては非常に大切な時期に手術を受けることになったのです。このことは精神的に大きなダメージになると予想されましたが、彼はこの時も動じませんでした。そして次のレースで復帰し、表彰台争いを展開したのです。
彼のメンタルの強さに、私たちは感動を覚えました。アームパンプに見舞われたスペイン GP での13位を除き、調子の良くないときも8位を下回ることはありませんでした。また、現在までポイント圏外でフィニッシュしていません。
これらの成績が示すように、クアルタラロ選手は何事にも全力で取り組み、タイトル獲得のプレッシャーにとらわれないよう自らを管理していました。純粋に才能と技術だけでフェアに戦い、ライバルたちに打ち勝ってきたのです。そして何よりも、勝利と向上のために絶え間なく努力し、楽しむことを両立させてきました。これはヤマハで最も成功したライダーであるバレンティーノ・ロッシ選手に見ることができた優れた才能と言えます。
クアルタラロ選手、チーム、ヤマハのシナジーにより実現したこのタイトルは特別なものです。クアルタラロ選手と仕事をした Monster Energy Yamaha MotoGP のスタッフ、また日本のヤマハのモータースポーツ開発部門エンジニア、ヨーロッパを拠点とするヤマハ・モーター・レーシングのスタッフにも感謝と祝福を伝えたいと思います。クアルタラロ選手の素晴らしい成績は彼らの努力の賜物です。チームおよびコンストラクターのタイトルはまだ決まっていませんが、残り2戦でも私たちは100%の力を出し切ります」
「まだ信じられない気持ちです! うまく話せませんが、ただ驚いています。もう少し時間が経ったら、もっとたくさんのことを話せるかもしれません。今はただ、夢の中にいるようです! 家族も一緒なので、今夜、そしてシーズン終了まで、この喜びを存分に楽しむことになるでしょう。
もちろん、バニャイア選手がこのような形でレースを終えることを望んだわけではありません。彼が無事で本当に良かったと思っています。チャンピオンになりましたが、今は言葉が出ません。泣くだけの水分も一滴も残っていません。とにかく最高の気持ちですが、その感覚を表現することができません。
家族の大部分、そしてサーキットで家族とともに表彰台に立つこと…今は言葉が見つかりません。MotoGP はとても長い歴史があります。そのなかでフランス人初のチャンピオンになれたことを非常に嬉しく思います。ヤマハにとってもまたとても素晴らしいことです。2015年以降タイトルから離れていましたが、今日それをまた取り戻しました。最高の気分です!」
ヤマハ発動機株式会社(2021年10月25日発行)