ドゥカティは2020年4月27日(月)よりボルゴパニガーレ(イタリア)にある工場での生産を徐々に再開する予定であることを発表した。工場ではイタリア統一労働組合代表機関との合意の元に定められた安全基準をベースに、生産および研究開発に必要な最小人数を投入。全従業員にマスクの着用が義務付けられた。なお、ドゥカティ・ミュージアムや、ファクトリー見学などのイベントは現在も休止されている。
・4月27日(月)から、ボルゴパニガーレのドゥカティ工場で生産を徐々に再開。
・仕事に就く従業員は、生産および研究開発のための最小人数に制限。イタリア統一労働組合代表機関(RSU)と共に策定および合意した安全基準を厳格に遵守。距離に関係なく、すべての従業員はマスクを着用。
・CEOクラウディオ・ドメニカーリ:「安全手順を厳格に遵守することが絶対に不可欠です。ウイルスはまだ蔓延しています。エミリア・ロマーニャ州と共同で作成した手順は特に重要です。今年は、非常に困難な年になりますが、再開はまだ始まったばかりです。私たちは、ストリートファイターV4、ムルティストラーダ・グランドツアー、パニガーレV2の注文を数多く抱えています。モーターサイクルは、コロナウイルス収束に至る第2段階にとって完璧な乗り物です。駐車の問題もなく、人と人との距離も確保されていると同時に、安全で楽しい乗り物です」
ドゥカティは徐々に通常の業務に戻りつつあり、4月27日(月)には、ボルゴパニガーレ工場での生産を再開する予定。
ドゥカティは、職場における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止策に関する政府の規制に従い、3月13日(金)にボルゴパニガーレ工場での生産を一時停止し、生産スケジュールを再調整しました。その後、調整は完了したものの、生活に必要ではないすべての活動を停止する命令が出されたため、生産は再開されませんでした。イタリア国内における感染状況が段階的に改善されたことを受け、本日、イタリア政府は、主に輸出を目的とした企業で、生産停止が長引くと市場シェアが失われる可能性があり、国家経済にとって重要であると考えられる企業の生産再開を許可しました。
これは、コロナウイルス収束のための第1段階であり、現時点では、生産現場には一部の従業員のみが復帰します。最初にワークショップの従業員が職場に復帰し、次にエンジンの組立作業員、4月28日(火)からモーターサイクルの組立作業員が復帰します。他の従業員に関しては、在宅勤務が引き続き義務付けられ、自宅では仕事をすることができない人のみが、工場へ出勤することが許されます。従って、宣伝、マーケティング、IT、人事、財務、購買、ロジスティックスの各分野の従業員は、テレワークを実施します。生産行程が再編され、従来の8時間シフトから7時間シフトを2回行うことによって、最小限の人数が生産に携わり、人と人との接触の可能性を最小限に抑えることができます。食堂も再開されますが、椅子の間隔を4つ空けて座ることが求められます。
自宅で作業することができない研究開発活動に従事している技術者は、政府の緊急事態宣言における重要な活動に関するATECO行動規範を遵守して既に働いています。そのため、エンジン試験室のエンジニア、モーターサイクルのテストを実施するエンジニア、および実験室でテストを実施するエンジニアは、全員がボルゴパニガーレで勤務しています。すべてのデザイナー、プロジェクト・マネージャー、IT関連部門のメンバーはテレワークを実施しています。これにより、ドゥカティ・モーターサイクルの輸送と新製品の開発を確実に実施することができます。
ドゥカティで施行されているすべての行動規範は、4月24日に更新された共通手順に準拠しており、いくつかの点ではさらに厳格な対策が導入されています。例えば、社内では、距離に関係なくマスクを着用する必要があります。ドゥカティの安全手順は、イタリアで最初の感染者が発見されてからわずか2日後の2月23日に結成された、イタリア統一労働組合代表機関(RSU)と設置した共同委員会における活動の成果です。導入された対策の多くは、フォルクスワーゲン・グループの中国工場で使用されている手順、特に生産が1週間だけ停止された後に、厳格な健康保護策を行い、人と人との距離を保ち、徹底的な消毒が現在でも行われている、FAW-VWの長春工場で実施されている対策を慎重に分析した結果です。
「これまでの数週間、感染のリスクを最小化するために全力を尽くしてきた結果、生産を再開する準備が整いました」と、ドゥカティ最高経営責任者(CEO)のクラウディオ・ドメニカーリは述べています。「それでも私たちは、決して注意を怠らず、厳格に手順を遵守しなければなりません。ウイルスはまだ蔓延しているため、あらゆる感染の可能性を防止するように注意する必要があります。このような理由から、工場で働くすべての従業員はマスクを着用する必要があります。
可能性が非常に低いとはいえ、義務化されている体温検査で識別することのできない無症状のウイルス陽性者から、他の従業員を保護する必要があります。血清検査は役立ちますが、陽性者を特定するためには、毎日出社時に検査を繰り返す必要があるため、実施するのは極めて困難です。そのため、マスクを着用して、人と人との距離を保つことが非常に重要になります。私たちは安全な職場環境を保つための手順およびエミリア・ロマーニャ州および自治体によって制定された対策を遵守します。私たちは、今回の対策で支援を受けたエミリア・ロマーニャ州知事のステファノ・ボナッチーニ、議員のヴィンチェンツォ・コラ、理事のセルジオ・ベンチュリと常に連絡を取り合っており、この事態に備えるための準備を整えています。
モーターサイクル市場は季節性が高く、3月と4月に生産を停止したことで、既に販売にマイナスの影響が出ています。中国市場はすでに活況を呈しており、韓国と日本におけるセールスも好調です。ドイツでは、1週間前からディーラーが営業しており、製品が大幅に不足しています。今回の生産再開により、最悪のタイミングで開始された強制力を伴うロックダウンによるマイナスの影響を、部分的に回避できると確信しています。現在、私たちは数多くのバックオーダーを抱えています。発売されたばかりの新型ストリートファイターV4は、あらゆるモーターサイクル専門誌から絶賛され、このカテゴリーにおける絶対的な存在となっています。しかし、残念ながら、生産開始後わずか1ヶ月で工場が停止してしまいました。
また、ムルティストラーダ1260 SグランドツアーとパニガーレV2に関しても多数の注文を受けています。ムルティストラーダ950とドゥカティ スクランブラー1100 PROも、完全に在庫がない状態です。コロナウイルス収束に向けての「第2段階」では、モーターサイクルは週末を過ごすため、あるいは都市を迅速かつ安全に移動するための最適な手段となるでしょう。モーターサイクルは、走る楽しさと情熱を組み合わせ、人と人との距離の問題や駐車場の問題もありません。この非常に困難な状況で、辛抱強く、そして協調して働き、生産再開に重要な役割を果たしてくれたすべてのドゥカティ従業員に感謝します」
ドゥカティの生産ラインは再開しますが、ドゥカティ・ミュージアム、ファクトリー見学、トレーニング・プログラムの「Fisica in Moto」は、引き続き休止しています。また、サプライヤー、ディーラー、協力会社の従業員、外部スタッフの工場への立ち入りも、生産活動、製品開発、サービスを継続するためにどうしても必要であることが証明されない限り、原則として禁止されています。再開に関しては、追って通知される予定です。
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ドゥカティジャパン株式会社(※2020年4月28日発行)