ヤマハは1989年に発足した「YAMAHA NICE RIDE募金」の募金額が1億円達成目前となったことを発表した。
同社ファンクラブ会員からの「会員の力を合わせれば、社会に役立つことができるのではないか」という声をきっかけに始まったこの募金は、日本盲導犬協会に盲導犬の育成資金を贈ることを目的に、クラブ会報誌での特集や全国の販売店に募金箱を設けることから活動をスタート。さらに各種イベント会場での啓蒙活動やチャリティオークション、株主優待ポイントを使っての募金など活動の場を広げてきたとのことだ。
バイクイベントでの歩行体験会
毎年4月の最終水曜日は、「国際盲導犬の日」。例年、世界各国で盲導犬の普及に関わるさまざまな取り組みが行われています。
「ヤマハと全国の二輪車販売店さん、そしてバイクファンの皆さんの協力によって、「YAMAHA NICE RIDE募金」がスタートしたのは1989年。(公財)日本盲導犬協会に盲導犬の育成資金を贈るこの活動は31年目に差しかかり、その着実な積み重ねによって募金総額は1億円に達しようとしています」。こう話すのは、ヤマハ発動機販売(株)の本間健太さん。
販売店店頭に募金箱を設置することから始まったこの活動は、各種イベント会場での呼びかけやチャリティオークション、さらには当社株主の皆さまからも株主優待ポイントを使って募金にご協力いただくなど、長年の取り組みによって窓口や活動の幅をひろげてきました。
「YAMAHA NICE RIDE募金」のスタートは、あるバイクファンから届いた一通の手紙がきっかけでした。当時、当社はヤマハファンの会員制クラブを運営しており、最大時の会員数は約6万8,000人。そのメンバーの一人から、「会員の力を合わせれば、社会に役立つことができるのではないか」という意見が事務局に寄せられたのです。
「この手紙に触発された初代の担当者が、報道を通じて”日本の盲導犬事情は欧米と比べて30年は遅れている”ということを知り、さっそく日本盲導犬協会の訓練センターを訪ねたそうです。そこで盲導犬の育成や普及に関わる多くの課題を目の当たりにしたことで、会員さんや販売店さんに呼びかけて募金が始まりました。」
活動のスタートにあたり、日本盲導犬協会からは「盲導犬の存在がまだ知られていない。理解をひろげる活動にも協力してほしい」という要請もありました。そこでクラブ会報誌で特集を組み、また全国の販売店さんには募金箱とともに啓蒙を目的としたポスター等が送られました。
「そうした取り組みは、継続し続けることで確実に根を下ろしたと感じています。たとえば私が営業を担当していた地域には、長くパピーウォーカー(盲導犬候補の子犬を育てるボランティア)を務められている販売店さんのご家族がいましたし、まるであしながおじさんのように、募金用口座に5,000円、1万円と振り込み続けてくださる方もいらっしゃいます。30年以上の活動は、そうしたやさしさを持ったヤマハファンや販売店さんの善意に支えられてきました。あらためて感謝したいと思います」
「長く支援してくださる販売店さんやライダーの皆さんに感謝」と、本間さん。
昨年の募金贈呈式。30年間の募金総額は約9,500万円。
ヤマハ発動機株式会社(2020年4月20日発行)