情報元 = バイクブロス・マガジンズ、文=浜瀬将樹(一間堂)
バイク関連のあらゆる事柄をリサーチするバイクブロスの「バイクリサーチ」。今回はバイクが故障し、自宅やショップなど、修理ができる場所までバイクを押した最長距離はどのくらいか調査した。
悪夢、地獄、この世の終わり……そんな文字が頭をよぎる愛車の故障。ウンともスンとも言わない鉄の固まりを押さなければならないのは、まさに苦行!! でも、そんな経験はバイクに乗っていれば、1度や2度はあるハズ。全国のライダーは、これまでどれほどの距離を押して帰ったのだろうか? バイクブロスの調査で明らかになったぞい!
同社アンケートサイト「バイクリサーチ」では、2017年4月13日~5月1日に「バイクが壊れて押した最長距離は?」というリサーチを実施。バイクブロス会員99人の投票を得た。
1番多い53票を獲得したのが「5キロ以内」(53.5%)。続いてスパッと諦めて「すぐにロードサービスや友人に頼む」が20票(20.2%)を獲得。この他、13票で「5キロ以上」(13.1%)、「10キロ以上」9票(9.1%)、「20キロ以上」4票(4%)となった。
今はロードサービスが充実しているので、お願いすれば何とかなる。しかし、数十年前はそうはいかない。携帯電話もないのでソロツーリングならば、ひとりで何とかせねばならなかったのだ。やはり当時の辛いエピソードが多く「30年くらい前のクリスマスイブ。仕事帰りにガス欠になり、地味な上り坂を4キロほどFZ400を押した苦い記憶」、「夜中にガス欠したGPZ400Fを家まで15キロほど押して歩きました。その頃は24時間営業のガソリンスタンドがほとんどなく、ましてやバイク用のロードサービスなんて皆無の時代です。バイクが止まり、リザーブになって居るガソリンコックを見た時の落胆ぶりは、言葉では言い表せません」……悲しい出来事だが、「二度としまい」と気をつけるようになるので、今ではきっと良い思い出となっていることだろう。
やはり押して歩いているライダーを発見すると、助けてあげなきゃと思うもの。これは、辛い思いをしている人にとってはありがたい善意である。コメントにも、いろんな人が手を差し伸べてくれたエピソードが投稿された。
「15~6年前の夏、イントルーダー400で走行中、突然ドライブシャフトが空転。近くのバイク屋さんは休みでした。仕方なく町を目指して押すこと約6キロ。疲れて休んでいる時に、軽トラックに乗った親切なおじさんが、町のバイク屋まで乗せて運んでくれました」、「押して歩いていたら、あるライダーさんが止まり声をかけてくれました。『スイッチをONにしたままだとバッテリーが上がっちゃう』、『ガソリンスタンドが手前の交差点を渡ったところにあったよ』などと教えてくれました」。このように新たな出会いがあるのも、押して歩いているからこそ。決してプラスではないが、人の善意を感じられる良い機会なのかもしれない。
「良い機会」、「良い思い出」などとまとめたが、ぶっちゃけ辛いものは辛い(笑)。10キロや20キロ押して帰るなんて気が遠くなりそうだし、5キロ以内でもショックは大きい! でも、こうした苦い歴史の数々が今のあなたを作っているハズだ。あれ……「故障したこともプラスに考えようぜ論」しつこい(笑)?