ヤマハはスポーツヘリテージモデル「XSR900GP」の国内仕様車を2024年5月20日(月)に発売する。同車両は XSR900 をベースとして、80年代のグランプリマシン「YZR500」をオマージュした新外装やセパレートハンドルを採用したほか、ライディングポジションを前傾させ一新。また、5インチフルカラーTFTメーターを搭載するなど装備や機能を充実させている。カラーは「ホワイト」「グレー」の2タイプ、価格は143万円(税10%込み)となる。
~1980年代のヤマハGPファクトリーマシン”YZR500″をオマージュ~
ヤマハ発動機販売株式会社は、”クロスプレーン・コンセプト(※1)”に基づく水冷・4ストローク・DOHC・直列3気筒888cm3エンジンをCFアルミダイキャストフレームに搭載し、1980年代のGPファクトリーマシン「YZR500」を彷彿させるスタイリングにまとめたスポーツヘリテージモデル「XSR900 GP」を5月20日に発売(※2)します。
「XSR900 GP」は、”The Embodiment of Yamaha Racing History (ヤマハレースヒストリーの体現者)”をコンセプトのもと、「XSR900」をベースに開発、ロードレース世界最高峰でのYAMAHAの足跡とスピリッツを表現しています。ワインディングロードを心地よく駆け抜けることができる性能と、スポーティなハンドリングが特徴です。
「XSR900」からの追加装備・変更点は、1)80年代のGPファクトリーマシン「YZR500」をオマージュした新外装、2)セパレートハンドル採用とライディングポジションの見直し、3)車体剛性チューニング、4)専用開発の前後サスペンション、コントロール性を高めたブレーキホース、5)YRC(ヤマハライドコントロール)や第3世代クイックシフターなどのライディングアシストテクノロジー、6)スマホと”つながる”機能を備え、ナビ画面(※3)としても活用可能な5インチフルカラーTFTメーターやType-CのUSBソケット、操作性を向上させた新設計ハンドルスイッチ、新機能を搭載したフラッシャーなどの便利な機能です。
(※1)クロスプレーン・コンセプトは、慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想
(※2)本モデルは、YSPおよびアドバンスディーラーのみで販売する「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」です。ご購入については下記Webサイト掲載の取扱店までお問い合せください
■「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」取扱店
・URL/https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/xsr900gp/new window
(※3)専用アプリをスマートフォンにインストールし、車両とペアリングする必要があります
※画像はCG合成によるイメージで、国内モデルとカラーおよび仕様が一部異なる場合があります。
■名称/XSR900 GP ABS
■カラー
・シルキーホワイト(ホワイト/新色)
・パステルダークグレー(グレー/新色)
■発売日/2024年5月20日(月)
■メーカー希望小売価格/143万円(税10%込み)
■販売計画/1,000台(年間、国内)
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。
※本モデルはカタログの製作を行っておりません。製品情報は下記Webサイトよりご確認ください。
■XSR900 GP製品サイト
・URL/https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/XSR900gp/
1)80年代のグランプリマシン「YZR500」をオマージュした新外装
80年代中盤から後半にかけてWGPシーンを席巻した「YZR500」のイメージを現代に昇華させた新外装を採用。ライダーが乗車時に目にするコクピット周りのビューにも注力し開発しました。またカウルの装着により、エアロダイナミクスが向上。さらにスクリーンとナックルバイザーは、高さ、幅、面などに配慮し空力と防風性のバランスを図っています。フレームにはデルタボックスのアルミ地をイメージしたシルバー塗装を施しています。
空力と防風性のバランスを図ったラウンドタイプの大型クリアスクリーンと別体式ナックルバイザーを装備。フロントマスクは、GP500ccクラスを示す「イエロー」ゼッケンプレートがモチーフ
アッパーカウルの上端部とフレームを繋ぐステーは丸パイプで構成。またメーターステーには肉抜き加工を施し、軽量化とシリアスな雰囲気を実現した
アッパーカウル上部には、TZR250R(1991年型Vツイン)で実績のあるナット構造を採用。公道走行用の市販車としてはヤマハ初となるベータピンで留めている
2)セパレートハンドルの採用とライディングポジションの一新
レーシーなセパレートハンドルを採用。トップブリッジ上面部分など、コックピット周りのボルトもデザインし、質感の向上を図っています。またセパレートハンドルに対応するため、エアクリーナーボックスカバーを変更。エアクリーナーボックスの形状も見直し、吸気効率の最適化を図っています。
さらにスポーティな乗車感とツーリングや街乗りの快適性を両立させるため、ライディングポジションを一新。「XSR900」比で前傾とし、フットレストもわずかに高目で後方に設定。ハンドルの垂れ角や絞り角の調整、および新作シートとヒップポイントのバランスを整えました。これらの効果で過度な前傾姿勢がなく、身体の一部への負担集中を防ぎ、快適性を確保しています。
なお、フットペグには専用のラバーを装着しました。
3)車体剛性のチューニング
ライディングポジション一新とのバランスを図るため、車体全体の剛性を見直しました。リアフレームを新作するほか、ヘッドパイプまわり、エンジン懸架、ピボット部の締結剛性調整を中心に、ねじり剛性を強化。主に旋回中の安定感向上を図っています。また、ステムシャフトをアルミ化(CP3エンジン搭載車では本モデルのみ)することで、フロント荷重に対するハンドリングをリセッティングしています。
4)専用開発した前後サスペンション、コントロール性を高めたブレーキホース
スポーティな走行を想定し専用開発した KYB製フルアジャスタブルサスペンションを前後に装備。高荷重にも対応するセッティングを施すほか、調整幅も増大。圧側減衰は高速と低速の2系統でのセッティングが可能です。
また、フロントのブレーキホースを変更しました。レバーを握り込んだ時のストローク量を最適化し、長時間走行・高負荷走行における良好なコントロールフィーリングを実現しています。
5)YRC(ヤマハライドコントロール)など走行支援テクノロジー搭載
ライダーが自身の好みや路面状況にあわせて、エンジンの出力特性や各種電子デバイスの介入度を選択できる機能「YRC(Yamaha Ride Control)」を搭載。あらかじめプリセットされた3種のパターン(SPORT/STREET/RAIN)と2種のカスタマイズ枠(CUSTOM1と2)から、シーンに応じてモード選択が可能です。
なおクイックシフターは、加速中のシフトアップと減速中のシフトダウンに加え、加速中のシフトダウン、または減速中のシフトアップにも対応する「第3世代QSS(クイックシフトシステム)」を採用しています。
6)ナビ画面に対応する5インチフルカラーTFTメーター搭載
5インチTFTメーターを採用しました。表示パターンは、専用のアナログ風タコメーターを含む4種から選択可能です。速度やエンジン回転数の他、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどを表示。各種テーマの切替と選択は、ハンドルスイッチの操作で行うことができます。
また、専用アプリ「Y-connect(Yamaha Motorcycle Connect)」をインストールしたスマートフォンと車両を接続し、手元でYRCのセッティングを行ったり、さまざまな情報や画像をメーターに表示できます。これにより車両の管理、電話やメールの着信通知など、多様なコンテンツが利用できます。
さらに「Garmin StreetCross」アプリをスマートフォンにインストールし、車両とペアリングすることによって、メーター画面上でナビゲーション機能も使用できます。
7)便利な機能・装備
以下のような機能・装備を新たに採用しています。
・ 優れた照射性を維持しつつ、車両との一体感を演出した小径LEDヘッドランプ
・ 直感的に操作可能なハンドルスイッチ
・ 従来からの左右方向指示とハザード時の点滅機能に加え、「二段階フラッシャー機能」「エマージェンシー機能」「消し忘れ機能」を搭載したフラッシャー
・ アジャスター機構を追加したクラッチレバー
・ メーター右下のパネルコンソールの中にUSB Type-Cソケット設置
ヤマハ発動機株式会社(2024年4月19日発行)
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