どんなときでも、ぼくには見える

掲載日: 2009年03月25日(水) 更新日: 2013年12月12日(木)
この記事は2009年3月25日当時の情報に基づいて制作されています。

小平晴史=文 磯部孝夫 / 山下剛=写真 取材協力=アライヘルメット

どんなときでも、ぼくには見える

信号待ちで止まるたびにシールドが曇り始め、霧がかかったように視界が白く覆われる。寒い夜によくある、そんな状態のまま走り出したら…楽しくないどころか、状況判断を誤って事故につながる可能性もある。かといって、曇りを防ぐため、停止するたびにシールドを開ける手間も、煩わしく感じるものだ。冬から春先にかけてよくあるこういう状況に対して、クリアな視界を確保し、ライディングの楽しさと安全性を確保するためのシールドが、アライヘルメットから発売されている。

マックス・ビジョンシールドは、薄型のピンロックシートを内面に密着させる二重構造を採用。シールド内外の温度差を抑え、防曇効果を発揮するアイテムだ。同社では、海外向けに4年ほど前からピンロックシートを採用していたが、シールドの縁に近い部分を二重構造にできていなかった。そのため前傾姿勢で視界が確保しにくい問題があったのだが、それに対し、シールド本体とセット開発したマックス・ビジョンシールドは、二重構造をほぼ全面まで拡大。通常見える全ての範囲でクリアな視界を確保している。

実際に、冷たい雨が降る夜に使ってみたが、シールドを閉めた状態でしばらく放置しても確かに曇りにくいし、強制的に息を吹きかけても曇るのは一瞬で、すぐにクリアな状態に戻る。防曇効果は非常に高い。通常のシールドならあっという間に曇るこの状況で、視界が妨げられないのが、かえって不思議だった。

安全確保の動きに目を向けると、ここ数年、ボディプロテクターの充実度は目をみはるものがあり、アンチロックブレーキの進化も著しい。しかし、そういった万一に備えるためのアイテムがどんなに進化しても、乗り手に状況判断が委ねられている事実は、基本的に変わらない。奇しくも今号の巻頭特集のテーマは「リスクを少なくする走りの工夫」だが、クリアな視界を確保して正確な判断を促す技術は、最も効果的な安全対策のひとつでもある。

詳細
吸湿性に優れた厚さ0.8mmのピンロックシートを、シールド内側にシリコンシールで密着させて二重構造にすることで、シールドとピンロックシートの間に空気による断熱層をつくり、内外の温度差を平準化。それによって防曇効果を発揮する。マックス・ビジョンシールドの本体(4,410円)は基本的にクリアだが、別売りのピンロックシートには、クリアー、ライトスモーク、セミスモーク、イエロー、オレンジの5色があり、状況によって使いわけることができる(各2,940 円)。アライヘルメットの製品のうち、スーパーアドシスLに対応した製品全てに装着可能。マックス・ビジョンシールドを標準装備するプロファイルMax-V(4万6,200円)もある。

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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