2018年9月26日、欧州中央時間の午前10時キッカリにBMWモトラッドがインターモト(INTERMOT2018)で出品する車両を発表しましたー!
インターモト、またの名をケルンショーとも呼ぶモーターショーは、2年に1度ドイツのケルンで開催される国際的なモーターショーで、今年は10月3日に開幕します。さて今回BMWモトラッドが発表したインターモト出品車両とは!?!?
すでにこの画像で察しがついた方もいるかもしれませんが、今年のインターモトの目玉は、2018年9月17日に突如(?)ローンチされた新世代ボクサーエンジン搭載モデル、R1250GSとR1250RTです!
こちらはR1250GS HPです。この「HP」は、スタンダードのR1250GSのオフロード性能をさらに伸ばしたモデル(専用サスなど採用)で、現在のR1200GS Rallyに相当するグレード。
んでもってこちらがR1250RT Option 719。茶色いシートやアルミ削り出しのヘッドカバー、スペシャルペイントなどスタンダードモデルをさらにゴージャスにしたグレードです。
先日発表された新型ボクサーR1250シリーズは、名前の通り排気量が1250ccにアップしてるんですけど、それ以上にトピックとなったのは”BMW ShiftCam(BMWシフトカム)”と呼ばれる新しいバルブ駆動方式です。
↑の写真はその新型R1250シリーズの左側シリンダーヘッドです(向かって左側が進行方向)。イラストで上下に並ぶカムシャフトのうち、黒く色付けされているのが吸気カムシャフトなんですが、よく見ると1本のカムに”small cam(スモールカム)”と”large cam(ラージカム)”の2つのカム山が設けられているのが分かるかと思います。この2つのカム山は隣あっていて、エンジン負荷や車速に応じて2つのカム山を切り替えるというギミック。要は可変バルタイっすね。
このカムシャフトはスラスト(軸)方向にスライドする仕組みなんですが、どうやってスライドさせるかというと、カムシャフトの先端(イラスト左の方)にある”camshaft gate(カムシャフト・ゲート)”という溝がありますよね?
その溝に向かって、”ShiftCam actuator(シフトカム・アクチュエーター)”からピンが出入りすることでカムがスラスト方向にスライドするって仕組みです。って文字で書くより動画見た方がわかりやすいと思うんで公式動画を貼っておきますね。
この動画、よーく見ると2本の吸気バルブが吸気行程で同期してないことが分かると思います。この吸気バルブの非同期を、BMWは”phase shift(フェイズ・シフト)”と呼んでいます。BMWとしては、吸気バルブを開くタイミング(位相)をズラすことで混合気のスワール(渦)を積極的に作り出し、混合気が燃焼室へ流れ込む際の充填効率を高める、という狙いがあるとのこと。ふーん、いろんなことを考えるんですなぁ〜。
今回のShiftCam採用によって、最大トルクは従来型の125Nm→143Nmと14%もアップ! その発生回転数も6,500rpm→6,250rpmと低くなってます。もちろんピークパワーも上がってますが(92kW→100kW)、それよりも常用域のトルクの上乗せ分が目立つんです。このことからも新生1250ボクサーのキャラもなんとなーく見えてくるような。
なんか歯切れ悪いスけど、じつはまだ本国発表の新車資料を全部読めてないんです(笑)。
BMWの新車資料はブランニューモデルほどボリュームがハンパないんですが、今回も40ページくらいありまして。いまやっと半分読めたかどうかってとこスかね。チンタラしててサーセン! でもこれからインターモト、EICMAと世界的なショーが続きますから、そこでまた新しいものが出たらこの膨大な資料を車種ごとに読む必要が……(泣)。
でも、新しいバイクがどんな狙いで作られて、最新技術がどんな仕組みで動くのか。それを知るにはこれを読むしかありませんし、何より技術ネタを読むのは楽しいので結構ワクワクするんですよ。
ということで今回はインターモトネタをお送りしました。BMW以外のブランドは何を出すんでしょうねぇ?いまのところ、カタナとかカタナとかカタナ・・・そればっかり気になってますが(笑)、楽しみにしておきましょう!