【編集部コラム】本場アメリカで見たフラットトラックが最高だった!/その1

掲載日: 2018年07月20日(金) 更新日: 2018年07月20日(金)
この記事は2018年7月20日当時の情報に基づいて制作されています。

Flat Track Friday!!

ども、RyoTです。
久しぶりの編集部コラムになりますが、先週末までお休みをいただいてアメリカのオハイオ州に出かけていました。
目的はオハイオ州の「Mid-Ohio Sports Car Course」で開催されていた「AMA Vintage Motorcycle Days」というAMA主催の大規模な旧車イベント!

初日の模様は、先日現地から編集部コラムにアップしましたが、今日は別会場で開催されていたフラットトラックの模様をチラ見せします。

フラットトラックとは、アメリカで古くから親しまれているモータースポーツで、ダート路面のオーバルトラックでスピードを競う競技です。日本ではダートトラックとも言いますが、AMAが主催するレースは昔から「フラットトラック:Flat Track」という名称なので、僕はそれに倣ってフラットトラックと呼ぶようにしています。

とまぁ能書きはソコソコにして、早速会場の雰囲気を見て行きましょう。

会場は「Ashland Country Fairgrounds:アシュランド・カントリー・フェアグラウンズ」という競馬場です。AMA Vintage Motorcycle Daysでは、ロードレース、モトクロス、ヘア・スクランブル、トライアルの競技はメイン会場の「Mid-Ohio Sports Car Course」でやるんですが、フラットトラックだけは別会場なんです。でもせっかく来たのにアメリカが誇るモータースポーツを見ないなんてあり得ない。ということでメイン会場から車で小一時間かけてアシュランドという街にあるコースまでやって来たわけです。

ここがレースが行われるコース。普段は競馬場として使用されていますが、頻繁にフラットトラックのレースも行われているとのこと。てか、アメリカの空ってホントに青い。何でこんなに青いんだろってくらいで、写真いじり倒して空を青くしたりする必要はまったくなし!
僕は写真撮るの好きなんですが、そういう部分でもちょっとカルチャーショックでした。

はい、話が逸れました。んじゃ、ここからはみなさんお待ちかね(?)の本場のフラットトラックマシンを見て行きましょかね。

オーバルトラックの外側の一部は森になっていて、多くのエントラントはここにテントを張ってパドックを作ってました。いやーいっぱいいますね、本場のマシンが。ここで開催されるレースは「AMA Vintage Motorcycle Days」のイベントの一環なので基本的にマシンはビンテージです。一番手前の#98は、ユニットエンジンのトラです。

ウヒョー! Can-amにROTAXと、いかにも本場! なマシンがズラリ。フラットトラックのマシンに魅せられて20年以上、本物のレーサーを見たのはミュージアム以外ではこれが初めて。この時点で僕のテンションはすでにマックスでぶっ倒れそうでした(笑)。

フラットトラックのマシンはシングルやツインのエンジンがメイン(もちろんクラスにもよります)。そしてそういうエンジンをフラットトラック専用のフレームに積むことがほとんど。アメリカにはフラットトラック用のフレームを作るビルダーが複数いて、ライダーによってフレームとエンジンの組み合わせは色々違うんです。上の写真のマシンはXR400系か600系エンジンを積んでるみたい。フレームはどこ製だろう。オーナーさんが近くにいなくて聞けませんでした。残念……。

お、ヤマハ! エンジンはSRとおんなじ見た目ですね。でもベースはSRじゃなくてTT500/XT500でしょうね。で、このマシンのフレームもジロジロ見回したんですが、これはおそらくストックフレームでしょう。
90年代後半、日本ではトラッカーブームというムーブメントがありましたが、最終的には本場のフラットトラックマシンとは似ても似つかないスタイルへと変化して行きましたよね。でも僕は昔から本場のスタイルこそ最高だ!と思っているので、この典型的なトラッカースタイルのヤマハにはグッときました。

こいつも多分TT。フレームもそうですが、タンクもTT500純正のアルミタンクですね。よく見るとこのシートも純正じゃ? 会場には専用フレームのマシンが多いのですが、こういうストックに近いマシンも結構いましたよ。

これもそのパターン。多分ベース車はモトクロッサーのYZ250ではないかと。これもストックのフレームっぽいです。こういうモトクロッサーベースでフロント19インチにしたスタイルも僕は大好きです。

パドックには少数派でしたがドゥカ・シングルもいましたね。これは250のシングル。リアのゼッケンプレートにはドゥカのチューニングで超有名な「Syd’s Cycles」の文字が。このマシンはリアブレーキすらない60年代クラスのレースに出てましたよ。

出ました! ブルタコ・アストロ!!!!!
アメリカのフラットトラックシーンを語る上では外せない名車中の名車っス。いままでアメリカの雑誌やネットでしか見たことなかったマシンだったんで、もうこれまた大興奮! フラットトラック・ラヴ!な方なら、きっとこの気持ちをわかってくれるハズ!

うわぁーー超やべーのキター!! もうこれ見たときホント気絶するかっつーくらい萌え萌えでしたよね。。これ、Sonic Weld(ソニック・ウェルド)っていう超有名なフラットトラックフレームにトラT100のエンジンを積んだマシン(多分)。リアブレーキレス、60年代フレーバーバリバリのヤツ! 見ての通りフレームはリジッド。フロントフォークはもちろんCeriani。タンクのカラーとかシートパターンとかどこ見てもマジで最高でした(語彙不足)。

ハイ、出ましたー! WOOD ROTAX(ウッド・ロータックス)! ROTAXのシングルエンジンを積んだこのマシン、超有名なWOODレーシングのフレームを使ってると思われます。このWOOD ROTAXもフラットトラック好きにはもうたまんねーマシンでございましてね。もうこの日の僕は会場ウロウロしてる最中に何回クラクラしたことか……。

アワワワワ……インディアンいるじゃん! この日、タンクシフトのフラットトラックマシンも何台かいてレースで走ってたんですよね。これはたぶんスカウトです。スカウトは他にも数台いましたし、もちろんハーレーのサイドバルブもいました。こんなマシンがゴロゴロしてるなんてアメリカのビンテージ・フラットトラックシーンはすごいなほんとに……。

このインディアンを走らせてたのがこのアメリカン。いかついタトゥーも入ってるけど、とってもフレンドリー。アメリカ滞在中、タトゥーバリバリのアメリカンとたくさん話をしたけど、みんなとってもフレンドリーでした。

うおーー!! SHELLのXS750! ヤマハのXS650系大好きでなおかつフラットトラックも大好きな人ならこのマシンを見つけたときの僕の興奮っぷりを分かってくれるはず!
これは70年代に多くのXSトラッカーを手がけた「SHELL Racing Specialities」のフラットトラッカーです。むちゃくちゃカッコ良くないですか??

これがいつ頃作られたフレームなのか分かりませんが、XSのエンジンはわずかに前傾して搭載されてます。で、このマシンにはフロントブレーキがついていますね。これはTTレース(右コーナーもジャンプもあるフラットトラックのレース)用です。ちなみにこれは売り物で$5,500のプライスタグが。いや、安いっしょ。。。

いかにもビンテージ、なマシン紹介が続きましたが、実はこんなマシンも。この日のレースは60年代から90年代まで10年刻み&排気量刻みでクラス分けがされてまして、このスズキは90年代ビンテージ1000ccクラスに出ていたマシンです。
何のエンジンか分かりますか?
たぶんスズキ好きならピンと来るでしょう。正解はTL1000(SかRかは聞いてないけど)! フレームはフラットトラック用の専用品。90年代にロードライダー誌の中尾省吾さんの記事で見たTLトラッカーの記憶が蘇りましたよね……。(フラットトラック好きにとって、中尾さんのアノ一連の連載記事はほんとたまんねーっす)

パドックでは観客とエントラントがマシンについてアレコレ話しているシーンも多く見かけました。この辺はサンデーレースならではの雰囲気ですね。

と、本場のマシン観察にうつつを抜かしてるとレースが始まりました。

ワオ! KNIGHTフレームのカワサキ! 超ヤバい!(興奮しすぎで完全に語彙不足)

と、本当は大迫力のレースの模様までお伝えしようと思ったのですが、興奮しすぎ&マシン紹介で長くなりすぎたので、次回に持ち越しとします(笑)。上の写真はタンクシフトクラスのスタートシーン。この続きはまた次回。ではまたー!

アメリカ最大規模、ビンテージバイクのイベントに潜入!

(バイクブロス編集部 RyoT)

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