ピアッジオグループジャパンは、モト・グッツィの新型「V85TT」の受注を開始した。今回のモデルでは空冷853ccの Vツインエンジンに可変バルブタイミング機構を搭載しパワーとトルクを向上させたほか、5段階に高さ変更可能なウィンドスクリーンや5インチTFTメーターパネルを採用するなど、パフォーマンスと快適性をアップデート。カラーは「ロッソ フジ(ROSSO FUJI)」1色、価格は174万9,000円(税10%込み)となる。
アップデートされたクラシック・トラベル・エンデューロの標準仕様車
ピアッジオグループジャパン株式会社(本社/東京都港区芝二丁目、代表取締役/ネリ・ミクラウス)は、時代を超越したクラシカルな魅力はそのままに、新たなテクノロジーの採用や、快適性、環境性能を向上させたクラシック・トラベル・エンデューロである「V85TT」を、全国のモト・グッツィ正規販売店にて販売いたします。
モト・グッツィ V85TTは、2019年にかつてのバイクによる冒険の黄金時代を彷彿とさせるスタイリングと、現代のトラベルエンデューロの価値観と機能性を両立させた新しいセグメントを創造し、どこか懐かしさを覚えるデザインと、最新のテクノロジーを巧みに組み合わせて誕生しました。先に販売を開始した新型 V85TT Travel と同様に、空冷850cc ユーロ5+ Vツインエンジンには、新たに可変バルブタイミング機構が加わり、5段階に高さを変更できるウィンドスクリーンを採用するなど、パフォーマンスと快適なライディング性能の向上を実現しています。グラフィックにはレッドのフレームに調和し、日本との親和性が感じられる“ロッソ フジ(ROSSO FUJI)”を導入いたします。
■メーカー希望小売価格/174万9,000円(税10%込み)
■カラー/ロッソ フジ
■主要装備/DRL付きフルLEDヘッドライト、LEDウィンカー、コーナリングABS トラクションコントロール、クルーズコントロール、フルカラーTFTメーター 4 ライディングマップ(ロード・スポーツ・レイン・オフロード)USBソケット 手動調整式スクリーン、アルミ製アンダーガード、ハンドガード、
■受注開始日/2025年2月3日(月)
■出荷時期/2025年5月より順次
V85 の象徴的ですぐにそれと認識できるスタイリングは、よりモダンな解釈で進化し、タンク、サイドパネル、フロントマッドガードのライン、そして彫刻の様な 90°縦置き V ツイン エンジンによって確立される基本的なデザインなど、本来の魅力を維持する多数のディテールを改良しています。
フロント部分はこれまでと同様に、モト・ グッツィのイーグルのシルエットを描く DRL を備えた丸形のダブル LED ヘッドライトが装着されていますが、ヘッドランプユニットとインストルメントパネルを固定するブラケットは、これまでのスチールパイプによるトレリス形状から、アルミニウム製ダイキャスト成形の洗練された物に変更され、さらにスポーティでダイナミックな存在感を与えています。フロントのスタイリッシュなテーマを継承し、リアグラブハンドルも同様にアルミニウム製が新たに導入され、エルゴノミクスの向上によりパッセンジャーの快適性にも貢献しています。
燃料タンクは V85TTの特徴的な要素の 1 つで、その彫刻的な形状はさらにワイルドでダイナミックな印象を与え、シリンダーヘッドの真上にある“くぼみ”が、Vツインシリンダーとの自然なつながりに見せる工夫がなされて います。エンジンのアップグレードを象徴し、そのシリンダーヘッドカバーも新たなデザインを採用しています。
853 cc エンジンは、現在すべての Moto Guzzi エンジンの構造スキームに従い、ローラータペットとアルミニウム製 ロッカーアームを備えたタイミングシステムに、V85TTにおいてはチタン製のφ42.5 mm 吸気バルブなどの優れたコンポーネントを導入当初より採用しています。
新しいV85TT のエンジンは、ユーロ 5+ 排出ガス規制に準拠し、さらに出力を向上させ、低回転でのスロットル レスポンス、つまりトルクを向上させるために大幅な改良が行われています。これは、エンジン速度に応じてバ ルブリフトの作動法則を最適化する可変バルブ タイミングの技術を採用し、実現しています。
V85 TT エンジンの可変バルブタイミングシステムは、カムシャフトと同軸に配置された位相バリエータの溝に沿って遠心力により移動する6 個のボールを利用するもので、これによりエンジン回転数が6,500 rpm を超える と作動し始め、カムシャフトを回転させて7,000rpm に最大値でカムを 7° (タイミングダイアグラム全体で 14°) まで遅らせます。全開位置では、カムシャフトの巧みなタイミングにより、高回転域での吸気効率が促進 され、出力が向上します。専用のタイミングセンサーがバリエータの位置を継続的に監視し、最適なエンジン パ ラメータ管理を可能にします。
トルクの増加は 3,000rpm という早い段階で顕著になり、トルク曲線全体に広がります。3,500rpm までに最大ト ルクの 90%を発生し、最大トルクは5,100rpm で83 Nm を発生します。これにより、さらに楽しいライディングを 提供し、スロットルレスポンス及び低回転から高回転までフレキシブルに反応します。最高出力も先代モデルの 76 hp / 7,500 rpm から 80 hp / 7,750 rpm へと飛躍的に向上しました。もう 1 つの改良点は、ECU に重要なデータを供給するノックセンサーを追加し、点火時期のより正確な調整が可能となりました。これにより、パフォーマンスや快適性、信頼性の向上など、さまざまなメリットがもたらされます。
トルクの出力をよりスムーズにするためにエキゾーストシステムは、ユーロ5+規格で要求される性能のために 3 つ目のラムダセンサーが追加されました。
エンジンのその他の基本的な特性は変更されていません。潤滑には2つの同軸ポンプを使用したセミドライサンプ方式を採用し、1 つはオイル供給用、もう 1 つは回収用で、優れた潤滑性能を保証し、オイルクーラーの必 要性を排除して重量の軽減に貢献しています。セミドライサンプ方式は、別体のオイルタンクは必要とせず、ド ライサンプ方式の利点をすべて備えています。オイルパンの小型化は、アルミニウム製のアンダーガードを装着しつつ、十分な最低地上高を確保する事に成功しました。
インジェクションシステムはφ 52 mmのシングルスロットル ボディに、マルチマップ ライド・バイ・ワイヤ スロットル制御を採用します。これは正確なスロットル バルブ開度制御を可能にするシステムで、スムーズで確かな燃料供給効率を最適化するだけでなく、燃料消費量も削減します。V85 TT のOHVエンジンは構造上、パワーを吸収するコンポーネントがほとんどなく 、プッシュロッドとロッカーによるバルブ駆動は、パワーロスの少ない優 れている方法のひとつで、冷却水のポンプや長いドライブチェーンまたはベルトが無いため、燃料消費量の点 で非常に有利な特性を持っています。
より大きくなった 新設計の5 インチ TFT カラー ディスプレイは、あらゆる情報をより見やすく表示できます。ハンドルバースイッチも新しくなり、クルーズコントロールを含むすべての機能に、より簡単で直感的にアクセスで きるようになりました。
V85TT のフレームは、高張力スチールパイプで作られており、独自のエンジンマウントを利用して頑丈なフレームワークを形成しています。このフレームワークは、オンロードでの正確性と安定性を向上させるだけでなく、オフロード走行時の耐久性と安心感も提供します。極めて合理的かつ効率的なシャシーレイアウトは、快適性と 安全性をさらに高めるために改良されました。
新V85 TTのリアショックアブソーバーには、便利なダイヤル式のスプリングプリロード調整機能が追加されて います。これにより、パッセンジャーを乗せての走行や、荷物を運んだ際に、バイクのセットアップを素早く行うことが可能です。サスペンションは前後とも170mmの十分なホイールトラベル量を確保し、余裕のある 210 mm の最低地上高によってさらに高いオフロード性能を実現します。
6 軸慣性プラットフォームを搭載するなど電子制御も充実しています。加速度計とジャイロスコープを備えたこ の高度なシステムは、路面に対するバイクの姿勢を検出し、走行から得られた入力を記録して処理し、データ を ECU に送信します。これにより、電子制御の管理がさらに細かく正確になり、コーナリングABS やコーナリ ングトラクションコントロールの機能が有効化することにより、リーンアングルに応じてブレーキ力とエンジン出力を調整して安全性とパフォーマンスを向上させます。
ブレーキシステムは、フロントにφ 320 mm のダブルディスクと、ステンレスメッシュホースを介して マスター シリンダーに接続された Brembo製対向4ピストンのラジ アルマウントモノブロックキャリパーで構成され、リアには、φ260 mm のシングルディスクに 2 ピストンフローテ ィングキャリパーを組み合わせています。
トラクションコントロール(MGCT)、ABS、ライド・バイ・ワイヤ スロットル レスポンスなど、すべての電子制御の 作動調整は、ライディング モードを通じて簡単に切替が可能です。ロード、スポーツ、レインのライディング モ ードに加え、オフロード走行に特化したオフロード モードが設定されています。
このモードでは、トラクションコントロールの介入レベルが最も低く、前輪のみ ABS がアクティブになる (前輪で ABS を無効にすることも可能) 設定で、エンジンブレーキを強力にしてスロットル レスポンスをよりスムーズにします。また、アクセル操作なしで設定した速度を維持できるクルーズ コントロールも装備されており、一つのスイッチ の直感的な操作で作動し、設定速度の増減も行えます。
Moto Guzzi 純正 のスタイルと機能の両面で洗練された V85 用アクセサリーのラインナップは、新アイテムを加えてさらに充実しました。これらのアクセサリーは、すべてオリジナルの部品と同様に厳格なテスト手順を経て おり、品質と耐久性が認められています。
V85 TT トラベルに標準装着されているアルミニウムの装飾が美しいABS樹脂製アーバンサイドケースにマッ チするトップ ボックスのラインアップはもちろん、アルミ製の3ボックスパニアは全く新しいデザインとなり、サイドケースは便利な横開きへと変更されています。他にもzタンクフィラーキャップにクイックリリース式のタンクバッグや、スポーティなスタイルの防水ソフトロールバッグなど、新しいラゲッジオプションも登場しています。あらゆるライディングシーンで役立つ、さらに実用的なアイテムをラインナップしています。
・LED フォグランプ/コンパクトなアルミニウム製ボディの省電力ライト。バイクのスタイリングと完璧にマッチ し、夜間走行や霧による視界不良の際の視認性と安全性を高めます。
・ヒーター付コンフォートシート/特殊な 3D ネットインサートで快適性を高めるコンフォートシート。3 つの高さ (標準、ハイ、ロー) から選択が可能。ヒーター機能はMoto Guzzi MIA からアクセスできます。
・ドライブシャフトケースプロテクター/肉厚のスチールパイプ製で、ドライブシャフトケースを保護します。
・エンジンガード/スチールパイプ製で、エンジンをキズから守りす。
・アジャスタブルレバー/アルミ製ビレットブレーキ/クラッチレバー。4段階のポジション調整が可能。
・ハイグリップエンデューロブレーキペダル/レーザーカットと粉体塗装により耐久性に優れ、厳しい条件で も優れたグリップ力を発揮します。
・センタースタンド/さまざまな気象条件に耐えられるよう粉体塗装されたスチールで、安全性と耐久性の厳 しい基準を満たす設計です。
・折り畳み式ミラー/オフロード走行時に折りたたむことができます。
・Ohlins 製リアショック/コンプレッション、リバウンド、スプリングプリロードの調整が可能で、あらゆる 状況で最大限の快適性と安全性を提供します。
・シート下USBソケット/Moto Guzzi MIA マルチメディア プラットフォームの利用時に最適。標準でイン ストルメントパネルの側面に装着されているポートに加えて、外部デバイスやスマートフォンを充電す ることができます。
・スプラッシュガード/粉体塗装されたスチールパイプ製のマッドガードで、水や泥ハネからパッセンジャーやバイクの後部を保護します。
・エンジン形式/空冷4ストローク 縦置き90°V型2気筒OHV 2バルブ
(チタン製吸気バルブ)
・総排気量/853 cc
・ボア×ストローク/84 x 77 mm
・圧縮比/10.5/1
・最高出力/80 HP (58.8 kW) / 7,750 rpm
・最大トルク/83 Nm / 5,100 rpm
・燃料供給システム/電子制御インジェクション、Φ 52 mmシングルスロットルボディ
・ライド・バイ・ワイヤ
・燃料タンク容量/23L (リザーブ5L含む)
・クラッチ/乾式単板
・トランスミッション/6 速 リターン
・フレーム/高張力鋼管製フレーム
・フロントサスペンション/油圧式Φ 41 mmテレスコピック倒立フォーク、スプリングプリロードおよびリバウンドダンピング調整式 トラベル量/170mm
・リアサスペンション/アルミ製スイングアーム、右サイドシングルショック、スプリングプリロードおよびリバウンドダンピング調整 トラベル量/170mm
・フロントブレーキ/φ320 mmステンレススチール製フローティングダブルディスク、Brembo製対向4ピストンラジアルマウントキャリパー
・リアブレーキ/φ260 mmステンレススチール製ディスク、2ピストンフローティングキャリパー
・フロントタイヤ/110/80 -19 クロススポーク チューブレスホイール 2.50” x 19”
・リアタイヤ/150/70 -17 クロススポーク チューブレスホイール 4.25” x 17”
・全長/全幅/2,240 mm/950mm
・シート高/830 mm
・ホイールベース/1,530 mm
・乾燥重量/209 kg
・車両重量/230 kg (走行可能状態、燃料90%搭載時)
・製造国/イタリア
ピアッジオ グループ ジャパン株式会社(2025年2月3日発行)
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