【ホンダ】アメリカン・ホンダモーターが新事業「Fastport」を発表/ラストマイル配送用マイクロモビリティを展開

掲載日: 2025年06月18日(水) 更新日: 2025年06月18日(水)
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ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターは、新事業「Fastport(ファストポート)」を発表した。同事業の最初の製品は、都市部などでのラストマイル配送用の電動アシストマイクロモビリティ「Fastport eQuad(ファストポート イークアッド)」。ペダルを漕ぐ力を原動力とし、それを電動アシストで補助する1人乗りの配送用マイクロモビリティとなっており、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を搭載する。ホンダは2026年夏から米国での本格的な量産を予定しているという。

ラストマイル配送における新たなソリューション「Fastport」を発表

~配送用電動マイクロモビリティ「Fastport eQuad」プロトタイプをEurobike 2025に出展~

Hondaの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーター(本社:カリフォルニア州トーランス 社長:滝沢 一浩)は、現地時間2025年6月17日に以下を発表しましたので、その内容をご案内いたします。

Hondaは、米国現地時間6月17日、革新的なマイクロモビリティを用いて、都市部などでのラストマイルの配送において新たなソリューションの提供を目指す新事業「Fastport(ファストポート)」を発表しました。

Fastportは、アメリカン・ホンダモーター内で新事業の創出を担う組織「Honda New Business Innovation Lab(ホンダニュービジネスイノベーションラボ)」から誕生した、Hondaの新たなFaaS(Fleet as a Service ※1)事業です。Fastportとして初の製品となる、配送用の電動アシストマイクロモビリティ「Fastport eQuad(ファストポート イークアッド)」のプロトタイプを、ドイツ・フランクフルトで開催される「Eurobike(ユーロバイク、2025年6月25日~29日開催)」にて世界初公開します。

消費者の手元まで荷物が届けられる物流の最終区間であるラストマイルでの配送は、都市部での交通混雑や、頻繁かつ迅速性の求められる配達環境など、物流チェーンの中でも特に複雑な領域となっています。Fastport eQuadは、ライダーがペダルを漕ぐ力を原動力とし、それを電動アシストで補助する1人乗りの配送用マイクロモビリティです。自転車レーン(※2)での走行を想定して設計されており、複雑な交通環境や渋滞が多い都市部での物流のスピードや効率性の向上に寄与することを目指しています。また、電動アシストの動力源として交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を採用しており、簡単に充電済みバッテリーと交換することができ、クリーンで効率的な配送に寄与します。

Hondaは、Fastportの展開を通して、北米および欧州をはじめとするグローバル市場におけるマイクロモビリティ市場へ新たに参入します。Fastport eQuadは、米国オハイオ州のHonda Performance Manufacturing Centerでの生産を計画しており、2026年夏から本格的な量産を予定しています。

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Fastport eQuadプロトタイプ

(※1)企業などが保有・運用する複数の車両(フリート)を対象に、導入から管理・保守までを一括で提供するサービス形態
(※2)米国・欧州の交通制度におけるもので、日本における定義とは異なる可能性があります

Fastport eQuad について

Fastport eQuadはライダーの漕ぐ力を推進力としており、ライダーのペダル操作を電子的に動力に伝えるペダル・バイ・ワイヤ方式と、ペダル操作を電力で補助するペダルアシスト駆動システムを組み合わせ、力強く滑らかで静粛性の高いゼロエミッション走行を実現します。

回生ブレーキシステムを搭載しエネルギー効率を高めたほか、オートブレーキホールド機能も搭載し安全性も確保しています。また、ライダーが快適に走行できるよう、UVカット加工を施したキャノピーに加え、換気ファンや前面をしっかり覆うカバーも備えています。

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Fastport eQuadには、北米・欧州それぞれの市場ニーズに応じて、大型と小型の2種類の車両および貨物ボックスを用意しています。また、車両の全長を用途に応じてカスタマイズすることが可能で、食料品や、小型荷物から大型荷物まで幅広いサイズ、量の配送に対応します。

また、製品の提供だけではなく、FastportのFaaSプラットフォームと組み合わせた包括的なサービスを提供することで、より効率的でコストパフォーマンスの高い配送業務をサポートします。バッテリーや貨物ボックスなどの充実した保守・メンテナンス体制を備えるほか、車両の稼働状況やバッテリー残量、走行データを把握することができ、配送業務・管理業務の効率化に大きく貢献します。加えて、ソフトウェアの自動アップデート(OTA)により、継続的に機能の向上を図ります。

Fastportは、2026年の量産開始に先立ち、北米・欧州の物流・配送企業と連携した実証試験を実施しています。この検証を通して、よりお客様のニーズにお応えできるモビリティサービスをお届けします。

Fastportゼネラルマネージャー・創設メンバー ホセ・ウィゾグロッドのコメント

「Fastportチームは、都市部におけるラストマイル配送の課題を解決する、配送バンに代わる、排出ガスゼロの選択肢となるFastport eQuadの開発に注力してきました。Fastport eQuadは、荷物や食料品などを必要な時にすぐ受け取りたいと考える都市生活者のニーズに応える製品です。Hondaのデザインおよびエンジニアリングの豊富な知見を生かして開発されたFastport eQuadは、持続可能な未来の実現を目指すHondaの取り組みを体現するものです」

Fastport eQuadプロトタイプモデル スペック

■車両本体寸法
・大型モデル
 全長/3.65 m(144インチ)
 全高/2.1 m(84インチ)
 全幅/1.2 m(48インチ)
・小型モデル
 全長/3.4 m(133.9インチ)
 全高/2.1 m(82.7インチ)
 全幅/1.0 m(39.4インチ)
■貨物ボックス寸法
・大型モデル用ボックス
 長さ/2,389 mm(89インチ)
 高さ/1,525 mm(60インチ)
 幅/1,216 mm(47.9インチ)
・小型モデル用ボックス
 長さ/1,905.5 mm(75インチ)
 高さ/1,460 mm(57.5インチ)
 幅/975 mm(38.4インチ)
■最大積載量
・大型モデル/295 kg(650ポンド)
・小型モデル/145 kg(320ポンド)
■最高速度/両モデル共通 20 km/h(12 mph)
■最大積載時の航続距離
・大型モデル/最大約37 km(積載量により変動)
・小型モデル/未定
■電動アシスト動力源/両モデル共通 Honda Mobile Power Pack e: 2個

※記載スペックはプロトタイプ車両のものであり、変更される可能性があります。

リリース

本田技研工業株式会社(2025年6月18日発行)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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