アウトドア用品メーカーである VASTLAND 株式会社が、和歌山県教育庁紀南教育事務所の職員向けに開催した「キャンプを楽しみながら防災を学ぶ防災講習」のレポートを公開した。この講習では市町の教育委員会職員を含めた10名が参加し、地域住民向けの防災講習の企画に活かせるよう「テント張り」「アルコールストーブ作り」を職員自らが体験した。
VASTLAND株式会社(本社/兵庫県姫路市/代表/田中悠貴)は、2024年2月20日(火)、和歌山県教育庁紀南教育事務所の職員向けに「キャンプを楽しみながら防災を学ぶ防災講習」を開催しました。
教育事務所が担う「防災」は、災害大国である日本の社会教育の大きな課題であると言えます。地域住民向けに防災講習を開催しても、「集まる人は少なく、そもそも防災に無関心な人は防災講習が開催されていることも知らない」といったことがこれまでではありました。
そこで、
・防災に無関心な方にも防災の知識を身につけてほしい
・“楽しみながら気が付けば防災の知識が身につく”そんな企画を実施したい
という教育事務所職員の思いから、弊社VASTLAND株式会社に声がかかりました。
地域住民の関心が高まる防災講習会を開催するためには、まずは教育事務所職員が「キャンプの楽しみを知る」必要があります。そこで、日本キャンプ協会認定のキャンプインストラクターであるVASTLANDのスタッフが講師となり、教育事務所職員向けに防災講習会を開催する運びになりました。
防災講習には、市町の教育委員会職員を含めた10名が参加。
参加者は2班に分かれ、
1.テント張り体験
2.アルコールストーブ作り体験
の2つを体験しました。
1つ目の体験「テント張り体験」では、VASTLANDのファミリーテント(2ルームドームテント)を用いました。
商品に付属する取扱説明書だけを参加者に手渡し、どちらの班が早くテントを張ることができるかの勝負です。
ただしテントの張り方説明や手助けは一切おこないません。情報を制限し自発的な行動を促し、班内でのコミュニケーションの質と頻度を高めることが狙いでした。
参加者のほとんどはキャンプ未経験であり、テントを張ったことがない人ばかりでしたが、
「こうすればうまく張れるのでは?」
「実際に試してみよう!」
といった声も多く聞こえ、2班とも失敗を繰り返しながらも、無事にテントを張ることができました。
2つ目の体験「アルコールストーブ作り体験」では、身近なアルミ缶を用いて調理用の加熱装置「アルコールストーブ」を手作りする体験をおこないました。
まずアルコールストーブの作成方法を5つのステップに分け、各班から1つのステップにつき1名の担当者を決定。そして、講師(VASTLANDのスタッフ)から担当者に、その後、担当者から所属班のメンバーに作り方を説明するという特殊な説明方法を採用しました。
アルコールストーブ作りでは手先の器用さなどで個人差が出やすいため、班の中で教え合い、助け合いながら進めることが狙いでした。
結果、自身のアルコールストーブ作りに没頭することはなく、作り方のコツを共有しあうことで、
「できた!」
「すごい!」
など、とてもコミュニケーションが活性化しました。
参加者全員が作り終え次第、アルコールストーブに燃料を注ぎ着火テスト。全員が上手く作れており、まるでガスコンロのような綺麗な炎が上がっておりました。
自然に囲まれた中でアウトドアチェアにくつろぎながら、自身で作ったアルコールストーブで沸かしたお湯でカップ麺やコーヒーを楽しみました。
終始会話や笑顔の絶えない講習となりました。
私たちは「キャンプが楽しい」「またやってみたい」と思ってもらうことで、キャンプ・防災への関心、知識が高まると考えています。
キャンプが“普段の便利な生活に頼らない不便を楽しむアクティビティ”であるため、キャンプの知識や経験を深めることで、防災に役立つ能力が身につきます。
今回の防災講習は、キャンプ用品メーカーとして地域社会に貢献できるとても良い機会となりました。
(VASTLAND株式会社 山本)
VASTLAND株式会社(2024年2月29日発行)