ヤマハは2019FIMトライアル世界選手権のTrialEクラスに電動トライアルバイク「TY-E」に参戦すると発表。ライダーは黒山健一選手がエントリーする予定だ。
黒山健一選手は過去11回に渡り全日本選手権のチャンピオンを獲得、世界選手権では最高ランキング3位となったトップライダーだ。また、昨年のFIMトライアル世界選手権TrialEクラスにおいては初参戦ながらランキング2位を獲得。本年度はチャンピオンの獲得が望まれる。また「TY-E」はヤマハの研究開発統括部の内部活動から生まれた車両となっており、「コンポーネントの高出力小型軽量化」「意のままに操れる運転のし易さ」を課題として研究が進められている。これらの技術が電動バイクの未来に貢献してくれることに期待したいものだ。
ヤマハ発動機株式会社は、昨年に続き、2019FIMトライアル世界選手権 TrialE(Electric)クラスに、電動トライアルバイク「TY-E」で参戦することを決定しました。昨年TrialEクラスに初参戦しランキング2位となった黒山健一選手が、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」からエントリーし、チャンピオン獲得を目指します。
2017年に年間1戦ではじまったTrialEクラスは、昨年から年間2戦で行われるようになり、3シーズン目を迎える今年も6月22-23日オランダGP(ゼルヘム)と、6月29-30日ベルギーGP(コンブレン・オー・ポン)の2戦で行われます。黒山選手は、全日本選手権で過去11回のチャンピオンに輝き、世界選手権では最高ランキング3位を獲得してきたトップライダー。今シーズンは、全日本選手権のIAスーパーに「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から出場しており、開幕戦2位、第2戦では優勝しランキングトップに立っています。
TrialEクラスには、昨年「TY-E」で初参戦し、開幕戦のフランスGPでは、ライバルとの接戦を制して初優勝を遂げると、続くベルギーGPでは同ライバルに僅差で敗れ2位。ランキングでは、それぞれが1位と2位を分け合ったため同ポイントで並びましたが、最終戦の成績を優先するレギュレーションのため、ランキング2位となりました。
「昨年は、開幕戦こそ優勝することができましたが、第2戦では優勝を逃してチャンピオンに後一歩届かず、とても悔しい結果なりました。自分としてはやり残したことがたくさんあったので、今シーズン、もう一度チャンスをいただけて本当にうれしく思います。昨年の経験上、TrialEクラスは同じトライアル競技でも、ガソリン車と異なる点も多く、メンタル的にもタフな戦いとなりました。しかし今回は昨年の経験があっての参戦となるので、心の準備もできています。今度こそヤマハの電動トライアルバイクTY-Eを世界一のマシンにし、僕自身も世界チャンピオンになってみせますのでご期待ください」
当社“Evolving R&D(エボルビング R&D)”活動から生まれた先行的な開発車両です。“Evolving R&D”活動とは、研究開発統括部にて行われる業務時間の5%を利用し、個人の裁量のもと、イノベーション創出のために従来の枠にとらわれない自発的・自律的な活動ができる機会を提供する活動です。この活動の中で、EV 開発の課題である「コンポーネントの高出力小型軽量化」「意のままに操れる運転のし易さ」を克服すべく、競技用トライアルモデルに着目し、開発に取り組みました。
「TY-E」の主な特徴は、1)力強い低速トルクと伸びやかな加速を両立し高い走破性を実現する高回転型の小型高出力モーターの搭載、2)極低速から高速域まで優れたレスポンス、パワーフィーリングを実現するモーター制御技術、3)優れたトラクション性能を実現する電動モーターと最適化されたフライホイール、瞬発力とコントロール性を確保するメカニカルクラッチなどを搭載したパワーユニット、4)新設計した小型高出力電池パックなどの高出力・小型軽量のコンポーネント、5)最適な剛性と電池格納スペースを確保しながら軽量化を突き詰めたCFRPモノコックフレーム、6)ダイナミックなライダーアクションを妨げない限界まで突き詰めたスリムなスタイリングなどです。
ヤマハ発動機株式会社
TEL/0120-090-819
リリース = ヤマハ発動機株式会社(2019年6月7日発行)