2018年11月4日(日本時間11月5日)、ドゥカティはイタリア・ミラノでドゥカティ・ワールドプレミア2019を開催。新たに998ccエンジンを搭載したパニガーレV4Rを世界初お披露目した。
2018年11月6日から開催されるEICMA(ミラノショー)に先駆けて開催されたカンファレンスでは、以前から噂されていたスーパーバイクが大トリで登場した。
2019年シーズンのSBK(世界スーパーバイク選手権)に出場するベースマシンとして開発が進められてきたパニガーレV4Rは、ドゥカティのワークスチームAruba itのエースライダー、チャズ・デイビス選手によってライドインされた。
新開発の998ccエンジンはチタンコンロッド、チタンバルブ、軽量クランクシャフトの採用などで最高出力221hp/15,250rpmで、車体の装備重量は193kgと発表された。
さらに、レース用エキゾーズトシステムを組み込むと最高出力は234hpにまで向上。ミラーやライセンスホルダーなど公道用装備を省いた乾燥重量はわずか165kgとなり、0.70hp/kgという脅威的なパワーウェイトレシオを叩き出している。
今回のパニガーレV4Rにはもうひとつのハイライトがある。それがウイングレットの採用だ。フロントカウルに設けられたウイングレットは、2016年シーズンのMotoGPでアンドレア・ドビツィオーゾ選手が使用していたものと非常によく似た形状になっている。
2010年、ケーシー・ストーナーのGPマシンに初採用されたウイングはGPの舞台で研究開発を進め、ついに市販モデルへの装着となった。パニガーレV4Rを発表したドゥカティCEOのクラウディオ・ドメニカーリ氏は、エアロダイナミクスの進化によって高速時の安定性はもちろん、コーナーでの大幅なフィーリング向上が実現したと語った。
かつてのGPマシンを超えるハイパワーと、GPマシン譲りのエアロダイナミクスを採用した、ドゥカティ史上最もエキサイティングなモデルとなるパニガーレV4R。サーキットでのパフォーマンスを極限までに高めたモデルが2019年シーズンのSBKでどのようなパフォーマンスを見せるのか大きな期待が寄せられている。
Text&Photo/RyoTsuchiyama