取材・写真・文=山下剛
アメリカ・コロラドで開催されていた「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」の決勝レースがさきほど終了した。現地で取材していた山下剛による決勝速報をお伝えする。
パイクスピーク決勝、コース中盤の厳しい勾配区間を抜け、4000mを超える山岳地帯へと駆けていく渡辺・安田チームのサイドカー。
パイクスピーク・ヒルクライム挑むサムライたち
~決勝レポ・渡辺・安田チーム、見事完走でクラス2位!~
6月30日にコロラド州・パイクスピークで開催された「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」にて、サイドカークラスに出場していた渡辺正人選手・安田武司選手(FCR-KUMANO)が、11分41秒837のタイムで無事に完走を果たし、クラス2位(総合53位)のリザルトを残した。
「スタートからゴールするまで、すごく楽しく走れました。ゴールした瞬間は順位もタイムも関係ないと思ったのですが、気持ちが落ち着いたらいろいろ反省点が出てくるものですね(笑)。路面がダスティ(埃っぽい)だったこともあって、リアタイヤが思うようにグリップしてくれず、ちょっと苦労しました。最終コーナーでちょっとしたミスをしたことで、目標としていたコースレコードに届かなかったのが悔しいです」(渡辺選手)
「ボトム(コース前半部分)を走ってる時から、もう腕に疲労がきてたので、最後まで持つか不安でしたが、なんとか持ってくれました。リアタイヤがグリップしないからマシンの挙動がおかしいこともあって、予選とは違った走りになりましたけど、2位入賞という結果には満足しています。来年もまた走りたいですね。ぜひクラス優勝を狙いたいです!」(安田選手)
いっぽう、2輪クラス「1205」に出場していた伊丹孝裕選手は、コース前半の「ハーフウェイ・ピクニック・グラウンド」と呼ばれるポイントの左コーナー途中で痛恨の転倒を喫し、リタイヤという結果に終わった。マシンは大きなダメージを負ったが、伊丹選手に怪我はない。
なお、レースはWRC9連覇中のラリードライバー、セバスチャン・ローブ選手(プジョー208 T16 Pikes Peak)が、これまでのコースレコードを1分30秒も縮める8分13秒878という驚異的なレコードタイムを叩き出して優勝を果たした。2輪クラスでは電動バイクを駆るカーリン・ダン(ライトニング)が10分0秒694のタイムで優勝した。電動マシンの台頭と全面舗装化を受けてますます高速化していくパイクスピークはここ数年が変革期ともいえ、目を離せない展開が続きそうだ。
クラス2位で決勝レースを終え、下山パレードで観客の熱い声援に答える渡辺・安田チーム。彼らの走りは多くのファンの記憶に残ったに違いない。
(お詫び文)
先の記事でライブ中継開始時刻に誤りがありました。関係各位ならびに読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
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