福島復興を応援するバイク映画制作順調!

掲載日: 2013年05月01日(水) 更新日: 2013年12月10日(火)
この記事は2013年5月1日当時の情報に基づいて制作されています。

取材・写真・文 = 山下剛

映画に登場するのは2台のNinja。GPZ900RとZX-9Rという、新旧カワサキを軸としたバイクムービーだ。

福島復興を応援するバイク映画制作順調!

東京・多摩市のバイクショップ「ヤングオート」の五十嵐雅哉店長ら同士による、バイク映画の撮影が順調に進んでいる。物語はバイクを軸にベテランライダーと若者たちとの交流を描いたもので、やはりライダーであり音楽家である佐藤光俊さんが脚本・撮影・監督を務めている。

「この映画は僕たちがやっている『おんもしぇ祭』のPRのために作っているんです」

プロデューサーとなって映画制作全般に携わっている五十嵐さんはそう話す。「おんもしぇ祭」とは、五十嵐さんが中心となって開催している復興支援イベントで、東日本大震災による風評被害をなくそうと2年前に立ち上げられた。当初は「福島復興支援ツーリング」として、会津・柳津町で有志の音楽家たちによるジャズライブステージやトライアルデモンストレーションなどを盛り込んだイベントとして開催。関東から100人を超えるライダーが集まり、柳津町でのミーティングを楽しんだ。
第3回となる今年は、イベント名を「おんもしぇ祭」へと改めた。「おんもしぇ」とは会津地方の方言で「おもしろい」という意味だ。

「僕たちだけでやるのではなく、地元の方々とも一緒にやっていきたいという思いがあるんです。支援ではなく『応援』という感じですね」

このイベントにはタレントの杏野はるなさんもその心意気に共感し、第1回から司会進行を務めるなど全面協力している。このたびの映画にも主役として出演しており、ふたりのライダーの間で心を揺らがせる女性を演じている。

「映画といっても、杏野さん以外は僕をはじめとしてみんな素人ですから、本当に手作りです。バイク乗りはもちろん、福島の人たちにも楽しんでもらえる映画になるといいな、と思ってがんばってます」

第3回福島応援おんもしぇ祭は、9月7日(土)に開催予定だ。柳津町からはじまった同イベントだが、今年は隣町の会津坂下町にて開催される。いずれは規模を大きくしていき、会津地方全体にまたがるイベントに育てたいと五十嵐さんは話す。

「ずいぶんと軽減されてきて観光客も増えてきたようですが、不景気が続いていることもありますし、まだまだ風評被害はなくなっていません。こうしたことがきっかけになって会津全体が盛り上がってほしいですね」

五十嵐さんの活動は、福島復興支援ツーリング実行委員会として観光庁にも公認されており、大きな期待が寄せられている。

「バイクシーンを撮影すれば、もうすぐクランクアップです。その後の編集を済ませて、5月中の公開を目指してます」

映画『君はまだバイクに乗っているか』はYoutubeにて公開される予定で、インターネット環境があれば誰でも無料で視聴できる。

大震災から2年あまりが経ち、復興支援を目的とするボランティア活動が大きく取り沙汰される機会も減ってしまっている中、五十嵐さんたちは柳津町をはじめとして会津の人々と今も深く関わり、復興を手助けしている。震災はまだ終わっていないという事実を再認識させてくれるとともに、こうした活動を地道に続けているバイク乗りがいることは、すべてのバイク愛好家にとって励みになるし、誇りでもある。

映画にはタレントの杏野はるなさんも出演し、ヒロインを演じている。撮影にはカメラレールも用いられ(五十嵐さんの手作り!)、順調に制作が進んでいる。

■関連リンク
有限会社ヤングオート
福島復興支援ツーリング実行委員会

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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