山下剛 = 文・写真/問い合わせ =オンズコンフィアンス
都市部で快適なバイクライフを過ごそうと思うと、実は意外と面倒なことが多い。アパートやマンションでバイク駐車場を完備しているところは少ないし、たいていは自転車と同じ場所に置くことになる。屋根がついていればマシなほうで、盗難に対してはほぼ無力だ。
そうした現状を受け、近頃ではガレージがビルドインされた“ライダーズマンション”が増えている。居住空間にバイクガレージが同居したこのタイプのマンションは、風雨からバイクを守れるのはもちろんのこと、盗難に対しても非常に効果的だ。よほどの大音量を出さなければ重整備もできる。ツーリング出発時に大量の荷物を運ぶ手間もない。バイク好きにとってこれほどありがたい居住形態はないだろう。
そうしたライダーズマンションはこれまで賃貸物件ばかりだったが、このほど分譲物件が登場した。オンズコンフィアンスが手がける『ジュイール狭山ライダーズハウス』(埼玉県狭山市入間3丁目付近)は、全戸にバイク専用ガレージが付帯する他、来客時に使えるバイク駐車場も完備する分譲マンションだ。
賃貸か分譲かという問題はとても入り組んでいるのでここでは多くに触れないが、気軽に引越せる賃貸に比べ、長い期間住むことになる分譲では居住者同士のコミュニケーションが濃密なものとなってくる特徴が挙げられる。それがオートバイという趣味を共にする者同士ならなおさらだろう。とかく隣近所の付き合いが希薄といわれる近代の都市生活において、これは貴重な“財産”といってもいい価値を持つのではないだろうか。
「ちょっと醤油を切らしたので…分けてもらえませんか?」
「お安い御用ですよ。どうぞ」
そうして出来上がった料理をお裾分け…隣人との付き合いはそんなちょっとしたことからはじまる。昭和時代なら日本のどこでも見られたそのような光景が、分譲ライダーズマンションでも繰り広げられそうだ。
こちらは『ジュイール狭山ライダーズハウス』の完成予想CG 。ガレージはリビングダイニングに隣接され、開放的な大きなガラス戸で仕切られる。リビングで寛ぎながら愛車を眺めて悦に入ることもできるし、ガソリンやオイルの臭いが居住空間に侵入するのを防いでくれる。埼玉県狭山市を流れる入間川と国道16号線に挟まれ、関越道・川越IC、圏央道・狭山日高ICへのアクセスも良好で、ツーリング計画も立てやすい。現在鋭意建築中で、完成予定は平成21 年7月末。1LDK+専用バイクガレージと2LDK+専用バイクガレージの8タイプがあり、価格は2800万円から。
「ちょっと17mmのレンチがなくて…かしてもらえませんか?」
「タイラップを使いきっちゃって…」
「週末のツーリング、オススメの場所知りませんか。よかったらご一緒にいかがです?」
そんなふうにして、バイクライフはもちろん、人生も豊かになっていく。それが暮らしであり、生活である。分譲ライダーズマンションは、隣近所の付き合いをより深くし、充実をもたらす期待に溢れている物件だ。