インタラクト・テクノロジーの恩恵は万人が感じ取れる「わかりやすさ」

掲載日: 2009年04月27日(月) 更新日: 2013年12月12日(木)
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この記事は2009年4月27日当時の情報に基づいて制作されています。

高城一磨 = 文/磯部孝夫 = 写真/取材協力 =ピレリジャパン

インタラクト・テクノロジーの恩恵は万人が感じ取れる「わかりやすさ」

歴史あるヨーロッパブランドのひとつ「メッツラー」は、老舗ながらユニークな技術で知られるタイヤメーカーだ。今回発表された「インタラクト・テクノロジー」も、レースとツーリングという両極に応用できる対応幅の広い新技術で、ひとつはレース用ハイグリップタイヤのレーステック、もうひとつがスポーツツーリングタイヤのロードテックZ6インタラクトに採用されている。インタラクト・テクノロジーの特徴は、生産する上でこれまでにない細かなさじ加減が可能なこと。タイヤの性格を如何様にでもコントロールできる、生産技術上の調整幅を大きく拡げた技術と思ってもらっていい。

例えば、わかりやすいところで最近流行りのコンパウンドを使い分ける技術があるが、センター/ショルダー部分で2種類使い分けた場合、その境目はハッキリとした境界線で分かれる。だがインタラクト・テクノロジーの場合、コンパウンドの配合技術を任意に調整できるため、ハード~ソフトコンパウンドの境目がなく、まるでグラデーションを描くように微調整ができる。また、メッツラータイヤはスチールベルト構造を持つが、ベルトを巻く間隔とその引っ張り具合(テンション)も任意に調整でき、コンパウンドの配合技術と併せ、それらのさじ加減を使い分けることで、様々な性格のタイヤを生み出すことができるという。

実際に筑波サーキットでテストしたレーステックのニュータイプは、タイヤがどれだけ路面を掴んでいるかが感覚としてわかりやすく、それでいて頼りなさは皆無。インタラクト・テクノロジーで、より微細な調整が可能となったというが、それをどう仕上げるかは、結局どれだけ実際に走って経験とテストを繰り返せるかにかかっている。ニュー・レーステックからは、テクノロジーを活かす走りこみを開発陣が相当こなしているだろうことが、容易に想像できた。ハイグリップラジアルタイヤも、タイヤを潰せる玄人だけではなく、「万人がたのしめるわかりやすさ」を備える時代がきた。

写真

【1】New Racetec
レースディスタンスに耐える耐久性と必要なグリップ力を両立させた新型レーステック。コンパウンドはK1(ソフト)K2(ミディアム)K3(公道走行用)の3種類を用意している。
■フロント対応サイズ 120/70 ZR 17
■リア対応サイズ 180/55 ZR 17、190/50 ZR 17、190/55 ZR 17
【2】ニュー・レーステックの試乗会は、ツクバサーキットで行われた。新技術の解説に、ピレリジャパンのスタッフも自然に熱が入る。

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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