リリース = マックスフリッツ仙台
小さいながらもしっかりとした店構え
一昨年秋にオープンし、東北地方のライダーたちに愛されてきたライダースウェアショップ「マックスフリッツ仙台店」は、このたびの東日本大震災によって被災したため休店となっていた。だがライダーたちのリクエストに応え、9月17日に移転リニューアルオープンとなった。当日はオープニング記念パーティーも行われ、来店客にはドリンクや軽食がふるまわれた。
新しい店舗は仙台市太白区にあり、仙台南部道路・長町インターから5分ほど、国道4号バイパスに面した好立地にある。もちろんバイクも安心して止められるスペースが用意されている(クルマも可)。民家を改装した店構えだが、マックスフリッツ代表・佐藤義幸氏と佐藤一貴店長の二人がハンドメイドで仕立てており、同ブランドの『ものづくりの原点』を垣間見られるインテリアが秀逸だ。けっして広くはないが、最新ジャケットやパンツをはじめとしてグローブやブーツ、キーホルダーといった小物まで揃っており、歓談できるソファも置かれているからゆったりと品定めをして、買い物できる。
「ここがなくなってしまうと東京まで買いに行かなきゃならない。通販もできるといっても、やっぱり試着してみないとわからないものだし、直接買いたい。開店してくれたのはありがたい」
この日やってきたライダーたちは異口同音にそんなことを話した。同店はライダースウェアのブランドショップだが、『地域コミュニティの中心』としての役割を持ちはじめた稀有なショップでもある。
震災による休店、そして復活
佐藤店長に話を聞いた。
「震災のときはお客さんの家に厄介になったり、逆に自宅をなくしてしまったお客さんを僕の自宅アパートに呼んだりして、お互いに助け合うことができました。僕自身、こちらに知人があまりいなかったのでお客様にはとても助けられましたね」
昨年秋に開催した一周年記念パーティー以来、来店客同士が仲良くなり、ツーリングイベントやキャンプイベントなどを行うようになっていたが、その絆が震災によってより確かなものになったという。佐藤店長も自ら炊き出しのボランティア活動にも参加しながら、炊き出しや入浴の情報などを共有したそうだ。
「1年半ではあったけどここまで一人でやってきたものがすべてなくなって……震災直後は落ち込んでる暇もなかったけど、震災から5日目くらいには、店を閉めて東京に戻ることを考えてました。うちで扱っているものは生活基盤がしっかりとしたうえで成り立つものですし、それはまだまだ先のことに思えましたから」
しかし震災から2カ月が過ぎようとしていた頃から「店を再開してほしい」という要望が、電話やメールで寄せられるようになった。佐藤店長自身、この数カ月で感じた絆を簡単に手放したくない思いも感じていたそうだ。
「お客さんの中にも生活を取り戻しつつある方が増えてくると、どうなるかわからないけど、もう一度やってみようと思えるようになってきました」
震災以降もマックスフリッツ仙台店を中心としたイベントが何度か開催され、来店客同士が絆を深めている。バイクショップでは来店客同士がコミュニティを形成することがめずらしくないが、ウェアショップとしてはめずらしいことだ。
「お客さんと店という関係をいい意味で超えられたと思っています。お客さんたちとの絆を大切にしながら、楽しめる場所、息抜きできる場所を作っていきたいですね」
震災で失ったものは大きいが、得たものも大きい。この日来店した客のひとりはこんなことも話してくれた。
「震災以降、毎日の生活がヘビーだからこそ、趣味の世界は大切になっているし、こうした場所も必要ですね」
被災の大きさはまちまちだから一概に言うことはできないが、バイクという趣味が人々の復興の支えのひとつになっていることは疑いようがない。そしてマックスフリッツ仙台店が、被災から立ち上がる一助となっている事実は、私たちバイク乗りをも勇気づけてくれる。
【SHOP DATA】
マックスフリッツ仙台店
宮城県仙台市太白区郡山5-6-12‐1F(地図はコチラ)
TEL & FAX/022-206-7036
営業時間/11:00~19:00
定休日/木曜 (臨時休業あり)