今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】5.Uターン(4)Uターンバリエーション(動画あり)

掲載日: 2024年08月27日(火) 更新日: 2024年08月27日(火)

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写真/渡辺 昌彦 取材・文/佐川 健太郎 衣装協力/KUSHITANI

安全確実にできることが最優先
自分がやりやすい方法が最良だ

Uターン編もいよいよ最後。そこで今回は実際にUターンのバリエーションについて紹介したいと思います。最初に言いたいこと、Uターンの方法に正解はないということです。あるとすれば、自分がやりやすい安全な方法が最良の方法と言えるでしょう。

ツーリングに出かけた先で、どうしてもUターンが必要になることもあるでしょう。その場合、まず大事なのはなるべく「道路の左端にバイクを寄せる」こと。道路の幅は限られているので、その中でなるべく旋回半径を大きく取るのが目的です。これにより成功率が大きく変わってきます。もう1つ大事なのは「見切りを早くする」ことです。失敗の典型例としては、Uターンの最後のほうで曲がり切れないと思いフロントブレーキをガツンとかけて立ちゴケしてしまうパターン。そうならないためには道路の真ん中、だいたいセンターラインの手前までに曲がり切れないと判断したら潔く途中でやめることです。

実際の方法ですが、最もシンプルなのは「降りて押す」です。足が届きにくいバイクもあると思いますが、バイクを降りて自分の力でバイクを押します。車体を腰に当てて安定させて脚力で押し出すようにすると楽です。ただ登り坂では大型バイクは重くて押しきれないことがあります。その場合はエンジンの動力を利用します。エンジンをかけて1速に入れて半クラでコントロールしながらもゆっくりと進みます。スピードが出過ぎたらフロントブレーキを軽くかけて速度調整します。

次にバイクに跨った状態でUターンする場合ですが、いきなり深く傾けてターンする必要などありません。車体を立てて、足をバタバタ着いて安全に曲がれれば良いのです。両足を着く方法が一番確実ですが、それが難しければ片足だけでも確実に着きましょう。基本的には内側の足(Uターンの場合は右足)を着きます。何故なら立ちゴケするときは大概イン側に倒れるからです。右足を着くとリアブレーキは使えないので、この場合もフロントブレーキを軽くかけて速度調整します。そして、足を着かずに安定してUターンする方法として車体垂直でハンドルを大きく切って曲がる「直立リーンイン」や、さらに最少半径で曲がるために車体を傾けた状態でフルステアまで持っていく「V字バランス」なども前回までに紹介してきました。

繰り返しになりますが、Uターンは安全確実にできることが最優先。その意味では駐車場など広い場所でやるのが最も確実。ムリする必要はないので、できる範囲で少しずつトライすることで自分の引き出しを増やしていただければと思います。詳しくは下記の解説をご覧ください。動画も合わせてチェックしていただくと動きのイメージが分かりやすいと思います。

これを見れば完璧!いろいろなUターンの方法

Point1
「左端に寄せる」

■道幅を最大限広く使いたい
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Uターンするには道幅が広いほうがやりやすい。限られた道幅の中でなるべく広いスベースを確保するためには、道路左端までいっぱいに寄せて止まるのがポイント。ただし、路肩部分は路面が荒れている場合も多いので足元に注意。必ず一時停止して後方の安全確認を行い、ウインカーを出してもう一度振り返って目視してから発進しよう。

Point2
「降りて押す」

■エンジンの動力を使うと楽
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最もシンプルで確実なのはバイクを降りて押してUターンする方法。腰をタンクかシートに当てて脚力を使って押し出してやるのがコツ。ワインディングでは登りの傾斜も多く、人力で押し切れないときはエンジンの動力を借りると楽だ。スロットルはほぼアイドリングでキープ。半クラとフロントブレーキで速度調整しながらゆっくり取り回す。

■左回りのほうがやりやすい
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車体に腰をぴたりと当てて、バイクと人とで互いに支えあう形にすると安定して取り回しやすくなる。Uターンは通常は右回りだが、状況が許せば写真のように左回りするのも手だ。左回りはバイクが自分のほうに近づいてくるし、車体が傾くほうにハンドルが切れるので旋回半径も小さく曲がれるなどメリットも多い。

Point3
「足着きUターン」

■両足がムリなら片足でしっかり
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バイクに跨ったままUターンする場合でも、ちょうど自転車の補助輪のように両足を着きながらが安心。ハンドルはフルに切っておきたいが速度が出ると戻ろうとするので、あくまでも速度は抑えて。また両足ツンツンの場合は片足だけしっかり着くほうが安定する。その場合は必ずイン側の足を着くこと。なるべく前に足を出していくのがポイントだ。

Point4
「フルステアUターン」

■車体を立ててハンドルを切る
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安定して小さく曲がるためにはスロットル・半クラ・リアブレーキを一定に保つ「低速バランス3つの奥義」を生かした低速Uターンが有効。目線と上体を曲がりたい方向へ向けつつ上体をイン側に入れた「直立リーンイン」フォームを意識。ハンドルをフルに切ることで安定して小さく曲がることができる。「Uターン(2)フルステアで曲がる」を参照。

Point5
「最小半径Uターン」

■V字バランスで小さく曲がる
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Uターンの完成形はフルステア&フルバンクによる最少半径でのターン。Uターンは起点が大事。旋回半径を大きくとるために、とにかく左端に寄せる。

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発進したらすぐに腰を外側にオフセットして、バイクを倒し込みつつハンドルを切る。リーンアウトによる「V字バランス」でバンク角を安定させるのがポイント。

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なるべく早い段階でフルステア&フルバンクまで持っていくことで旋回半径をより小さくすることができる。バイクに先行して顔ごと目線と上体を回していく。

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曲がり切るまで「スロットル・半クラ・リアブレーキ」の一定キープをきっちりと守る。曲がり切れないと判断したら中間地点までに車体を起こして止める。

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Uターンが完了したら、バックミラーと目視で必ず後方の安全を確認してから車線に戻ること。もちろん、坂の上やカーブなど見通しの悪い場所でのUターンは禁止。

スマテク2.0 講師 プロフィール

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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