ブリヂストンは2017年11月30日(木)、2輪車用タイヤの新商品発表会を東京都港区のブリヂストングローバル研修センターにて実施した。
今回の発表会では、1983年に登場し来年で発売35周年を迎える2輪タイヤシリーズ『BATTLAX』から4モデル(スクーター用は2バリエーションをラインナップ)が新たに発表された。加えて、新BATTLAXのうち1モデルが、先日の東京モーターショーで会場を沸かせたヤマハ・3輪スポーツバイクNIKENの市販モデルに標準装着されること、そしてVツインクルーザー向け『BATTLECRUISE H50』のサイズラインナップを全24種へ拡充させることがアナウンスされた。
まず始めに、ブリヂストンMCタイヤ事業部長の内田達也氏が、BATTLAXを歴史を振り返るとともに、タイヤ開発の在り方を説明した。
MCタイヤ事業部長 内田達也氏
「タイヤはバイクの部品の1つと考えており、新車が毎年登場し進化していく中、その進化について行くべくタイヤ開発は重要な位置づけと捉えている」と語る内田氏。
開発に関し、国内2輪メーカーの純正装着シェア5割を誇る『新車タイヤ開発』、コンマ一秒の中でタイムを競い信頼性を高めていく『モータースポーツ活動』、そして次世代の新製品開発を進める『リプレイスタイヤ開発』の3軸に注力しており、ユーザーに”走るよろこびと安心感”を届けることを目標に取り組んでいるとのこと。
MCタイヤ開発部 設計第2ユニットリーダー 高橋淳一氏
続いて、MCタイヤ開発部の設計第2ユニットリーダーである高橋淳一氏がステージに立ち、BATTLAXから新たに登場する4モデルの説明へ移っていく。
最初はサーキット使用を想定された『BATTLAX RACING R11』だ。
BATTLAX RACING R11
フロントとリアに新設計のパターンを採用し、加速&コーナーリング時の安定性の向上に成功。リアタイヤのコンパウンドも新しい規格のもので、低温条件下でのグリップ力がアップ。またベルト構造も見直したことで路面接地圧の均一化がされ、こちらもグリップ力向上に一役買っている。
これは、スポーツランドSUGOや鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎといった国内サーキット場において、ミディアムタイヤで対応できるという想定だ。
BATTLAX RACING R11
テストを行ったドイツのサーキット「モートルシュポルト・アリーナ・オッシャースレーベン」では、従来モデルであるR10に比べて平均タイムを1秒以上縮めことに成功している。
続いて、ツーリングに重きを置いた『BATTLAX SPORT TOURING T31』。
BATTLAX SPORT TOURING T31
新設計になったパターン(フロント&リア)とコンパウンド(フロントのみ)により、グリップ力が向上。中でもウエットコンディションでのグリップは格段に上がっており、タイヤのライフはそのままに、高い安定性を実現している。
BATTLAX ADVENTURE A41
こちらは、アドベンチャーツアラーなどに装備可能な『BATTLAX ADVENTURE A41』。フロントとリアタイヤのパターン&コンパウンドは新採用。摩耗ライフやロードノイズは従来モデルのA40からそのままに、ウエットコンディションでの走行性能アップはもちろん、ドライ環境でも高いグリップ力・安定性を確保している。
BATTLAX SCOOTER SC2
最後は250ccのスクーターに装着する『BATTLAX SCOOTER SC2』。バリエーションラインナップとして、日常使用のスクーターを想定したRainタイプも用意している。
『スポーツスクーター本来の気軽さ・楽しさを思い出させる』をコンセプトに作られているSC2は、ドライコンディションでのグリップ力が従来モデルのSCに比べて向上。SC2 Rainは排水性を考えられたパターンに、シリカの配合比率が見直されており、雨天時のハンドリング性能・コーナーリング性能が向上している。ライダーのライフスタイルに合わせて最適なタイプを選択できる。
また今回発表となった4種類の『BATTLAX』は、2018年2月に発売を予定している。