取材・写真・文=コイ(バイクブロス・マガジンズ編集部)
再供給の対象となった2台
「いつまでも安心してバイクライフをエンジョイしてもらいたい」という想いのホンダだが、量産終了となった部品の供給を継続することは、設備の老朽化や生産ロットの減少などさまざまな要因で現実には厳しい。販売中止部品の入手は、市販品が高価な上、品質が安定しないなどでオーナーにとって車両の維持が困難となっているのが現状だという。
ホンダの従来の取り組みとして旧型車両への部品供給がなされていたが、今回、新たに追加施策として、販売中止部品を再供給することで「お客様に貢献できれば」という気持ちで一部の部品の受注生産ではあるものの、再供給へと踏み切った。
ホンダモーターサイクルジャパン部洋用品部 部長・川村 秀彦氏
ホンダモーターサイクルジャパン部洋用品部・部長の川村 秀彦氏は「多くの部品を供給しているものの、3割近くは供給終了しており、お客様が車両維持に困るケースが多い。この取り組みを通して、安心して旧型二輪車に乗る、操るといった喜びを感じていただけたら嬉しい。また、新車・新機能を作っていくだけではなく、新旧含め、日本の二輪の文化を高めていき、世界にも大きく広めていきたい」と語った。
今回、旧型車両の中から選ばれた再供給が決定している車両は、NSR250RとCB750Fourの2台で、部品数はそれぞれNSR250Rが29点、CB750Fourが10点の計39点となっている。再生産にあたっては「金型改修」「匠の技」「材料手配」など部品メーカーの協力を得て検討を重ねたという。
現在、2機種39部品の受注を2017年8月31日(木)まで受け付けているが、ホンダ2輪車正規取り扱い店での注文となっているので、注意が必要だ。また、注文締切後の生産となるため、部品によっても異なるが、納期の目安は2018年3月以降となる。
現在、検討中であるという車種モデルもいくつか挙げられた。
質疑応答の中で「今回限りの受注生産である」と断りがあったが、旧型二輪車乗りの熱い気持ちと受注数がつながれば、他車種追加や今回加わらなかったタンクなどの外装パーツなど、再供給の道はまだまだあるのではないだろうか。今後に多いに期待したいところである。
*ホンダTVで放送されている当日の様子がコチラ