ヤマハは、文化服装学院学生デザインのモーターサイクルウエアのプレス撮影会を、文化服装学院(東京都渋谷区)で2016年12月12日に実施した。今回披露されたウエアは、同社が一部サポートしている「モーターサイクルウエアをつくろう!」という高橋生児氏(アパレルブランド「ROARS ORIGINAL」代表)の行う講義を受けている学生5名がデザインしたもの。その講義は同学院ファッション工科専門課程ファッション高度専門科4年生の中から希望者を募って発足したという。同年12月16日(金)まで同学院エントランスで一般公開されているので一度見にいってみよう!
高橋生児氏と
デザインを手掛けた文化服装学院学生5名
疑問や小さなきっかけから世界を拡げていくということ
今回この講義と企画を行った高橋氏は、自身がバイク整備士のころに感じた疑問「なぜバイクに乗っている人はオシャレとは言い難いのか」から、独学で服飾を学び5年を経て同学院の門を叩いたという。バイクから服飾の世界に行った高橋氏にとって、今回の講義は母校の生徒たちに「服飾からバイクの世界を知る機会」を与えたと言えよう。
デザインを手掛けた5名の学生たちに今回の制作の話を聞いてみた。もともとバイク乗りだった学生は1名で、他はみなバイクに興味すら持っていなかったという。彼らは今回のことで特別バイクに興味を持つまでには至らずとも、これから乗ることも考えたり、服飾で今回の教訓や反省をまた活かしてみたいと感じてくれていた。
また、興味深かったのは、彼らのバイクやライダー、バイクショップへのイメージ。バイクやライダーは「みんな一緒に見える」「年配の人たちが好きなもの、という感じ」で、バイクショップは「入りにくい。勇気を出して入っても塩対応だった」と、なんとも切ないお言葉だったが……ものすごく納得できてしまった。
どんなバイクなら、どんなライダーなら、どんなショップならいいと思うか?という問いかけに対しては、「若い子がくいつきそうなバイク」「かわいい女性らしいバイクがもっとあればいいのに」「バイクだけでなくて、ウエアも一緒に提案されてて入りやすいバイクショップ!」「峰不二子!」といった答えが返ってきてまたまた納得してしまった。
そんな楽しい彼らが未知のバイクに触れ合い、高橋氏の指導のもと完成した作品5点を紹介しよう。
【平尾 真里子さん作品】
古着デニムなどを解体して使用する事で女の子にも着てもらえるようにしました。赤のストレッチパネルがアクセントです。
Theme「I’m girl」
【シャー ナディアザホールさん作品】
Single rider jacketをdenimのsetupで制作ステッチワーク、肩・肘・胸部専用のプロテクター内臓ストレッチパネルの運動量やリフレクターなど、よりリアルなRider jacketを目指しました。
Theme「Rider Suit Denim」
【長谷川 拡希さん作品】
ライダースベストとノーカラーのライダースをレイヤードする事により二着で一着に見えるデザインにしました。
Theme「COMPLEXION」
【山田 有花さん作品】
FLIGHT JACKETをベースに30年代頃のポストマンの着ていたコートのディティールを取り入れました。自分の着たい物を着て行きたい所へ行く。
Theme「A/B」
【山下 カレンさん作品】
肘・膝などの関節部分に伸縮素材(蛇腹)を入れ、機能性と着心地を重視して製作しました。
Theme「URBAN」
このモーターサイクルウエア製作にあたり、ヤマハからさまざまな協力を得て、実車両を使い走行時の体の動きや姿勢を知ることはもちろん、サーキットで実際に作品を身に着けて走行をするなど、アプローチを重ねたという。
文化服装学院