モータリスト合同会社は、フルモデルチェンジしたファンティック「CABALLERO(キャバレロ)」の販売を開始する。今回のモデルでは、EURO-5+ 環境規制に適合させつつ排気量をわずかに増したイタリア製の新 MM460/MM125 エンジンを搭載したほか、メインフレームも刷新され、軽量化や足つき性の向上に寄与している。
ラインナップは500cc/125cc それぞれに「スクランブラー」「デラックス」「ラリー」の3モデルが用意され、希望小売価格は125ccモデルが99万円~110万円、500ccモデルが129万円~140万円となる(価格は全て税10%込み)。
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EICMAで公開した新型キャバレロ、いよいよ登場。従来のイメージを大切にしながら、のびやかな新エンジンで走りを演出。新デザインのマフラー/フレームで足つき性も向上!
イタリアのファンティック・モーター社(FANTIC MOTOR S.P.A.)の日本における独占輸入代理店であるモータリスト合同会社(東京都大田区)は、2018年のデビュー以来大きなモデルチェンジもなく大切に育ててきたファンティック・モーター社の基幹モデル、キャバレロ・シリーズを初めてフルモデルチェンジし、発売を開始する。
これらのモデルは2024年11月、イタリア・ミラノで開催されたEICMA(国際モーターサイクルショー)で展示、披露されたニュー・モデルだ。2種類のエンジン、2種類のボディに2つのグレードを組み合わせた合計7モデルが用意され、順次市場投入が開始される。欧州における部品供給の乱れから市場展開が遅れてきたが、ようやくお待ちいただいてきたお客さまのお手元に車両が届けられていく予定だ。
ファンティックが2018年にデビューさせた現行の「キャバレロ」シリーズは、その美しいスタイリング、驚くほどの軽量さと俊敏なハンドリング、鋭いスロットルレスポンスと力強いトルクにあふれたシングル・エンジン、他を圧倒するオフロード走行性能などを武器に世界を魅了してきた。
普遍的なスタイルはいつまでも色あせることなく愛され続け、この6年間、大きな変更を受けることが無いまま唯一無二のスクランブラーとして販売されてきたが、市場からのさらなる変化を求める声に対応し、また時代が要請するより厳しい環境規制に適切に対応するため、初のモデルチェンジへと踏み切った。
新型キャバレロ・シリーズのテーマは、クオーレ・イタリアーノ。イタリアの心臓、を意味するこのスローガンは、エンジンを含めたすべての主要部品や車両の組み立てをイタリアに回帰させ、手練れの職人がイタリアン・プライドをかけてすべてのファンティックを丁寧に組み上げていく、というファンティック・モーター社が掲げる情熱であり、誇りなのだ。その目玉となるのが、キャバレロに新たに搭載されるモトーリ=ミナレッリ社(ファンティック・モーター社の100%子会社)が製造する二つのエンジン、MM460とMM125である。
キャバレロ・シリーズを代表してきた450ccシングル・エンジン。もともとイタリアで生まれ、製造を中国に委託してきたエンジンを、フルモデルチェンジさせたのが全く新しいMM460エンジンだ。ビアルベーロ、すなわちDOHCヘッドにフィンガーフォロワー・ロッカーを与えられたコンパクトなエンジンは排気量をわずかに増しながらも、全域で圧倒的なパフォーマンスの向上を果たしている。キャバレロならではの小気味よいトルクを犠牲にすることなく、トップエンドまで伸びるエンジンは来るストリート・モデルにも大いなる期待を禁じ得ない仕上がりだ。
もちろん最新の環境規制であるEURO5+に適合。高速化するピストンスピードにも合わせた新設計のピストンは鍛造製だ。スリッパ―クラッチを標準装備としてシングルエンジンのビッグトルクに対応させつつ、クラッチも大幅に軽い仕上がりとなった。きめ細かな制御を行うべく導入されたライド・バイ・ワイヤ―によりトラクションコントロールとABSシステムとを協調制御。さらにはこのクラス唯一のコーナリングABSを提供し、安全性能にも大いにコミットした。
新型MM460エンジンは旧モデル費+15%ものパワーを発揮。これに合わせてラジエーターの表面積も15%増え、さらに新しくオイルクーラーを装備した。エンジン単体の重量は40kgに抑えられるなど、ファンティックが求める「軽さは正義」のマシンづくりはここでも徹底している。
初のフルモデルチェンジはメインフレームの徹底的な見直しにも手が入れられている。新エンジンに合わせてより軽く、より敏捷にと「キャバレロらしさ」を損なわずに進化した。シート幅は30mmも狭くなり、足つき性が大幅に向上。シートには書類入れも装備したうえにキー脱着式となり、大幅にユーティリティが高まった。
前後のサスペンションも見直され、フロントフォークはオイル量からシムスタックまで徹底的に手が入れられた。リアショックには新しいスプリングが与えられこちらもセッティングを見直し。厳しいオフロードのようなコンディションであっても地面を確実にとらえ続けることのできるトラクション性能がファンティックが大切にする「メカニカルグリップ」の良さにつながり、あらゆるシーンで安定した走りを実現する。
エアボックスも一新され、ボディのスリム化にも貢献。コンピューターデザインの深化による複雑な形状はスロットルボディに向けたスムースなエアフロ―にも大いに貢献している。
フィルターは湿式に変更され、メインテナンス性の向上にも資することとなった。エキゾースト・システムも完全にデザイン変更。ヒートガードをよりクラシックなスタイルに仕上げながら、低音の効いた歯切れのよいサウンドはそのままに、マシンのポテンシャルを引き出す設計だ。もちろん特徴的な2本出しのマフラーエンドはキャバレロのデザインアイコンの一つとして健在だ。
スクランブラーの前後サスペンションストロークを伸ばし、これに合わせた専用のスイングアームを用意することでオフロード走行性能を高めてきたラリー。今回のモデルチェンジでは「ザ・リアル・デュアル」として、オフに行けるスクランブラーから、真のデュアルスポーツ・モデルへと大きく舵を切った。
その最大の特徴が、フロントに与えられた21インチ・ホイールだ。タイヤにはピレリ・スコーピオン・ラリーSTRが奢られている。圧倒的な走破性を支えるサスペンションは200mmのストローク量を誇り、前後ともにフルアジャスタブル・システムを備えている。グランド・クリアランスは280mmに高められ、スキッドプレートを標準装備としながらも、149kgに抑えられた車重がオフロードへとライダーを誘うのだ。
キャバレロ500シリーズは中核となるスクランブラーにレッドとブルーのボディカラーを用意。豪華装備の「デラックス」には従来のグレーに加えて「ブロンズ」カラーも用意される。ラリーにはサンド・ベージュとグリーンがセットされる。
キャバレロのボトムを引き続き担うのは125ccシリーズだ。MM125エンジンを積み、ボーイズレーサーとしてヨーロッパでは大人気のキャバレロ125シリーズにもスクランブラー、ラリー、デラックスの3モデルが用意される。
■仕様諸元(カッコ内はラリー)
・車体寸法/全長2080mm シート高820mm ホイールベース1425mm
・エンジン/水冷4サイクルDOHC単気筒 EURO-5+ 環境規制適合
・最高出力/最大トルク/45HP@8,000rpm / 42.5Nm@7,000rpm
・排気量/463cc (96×64.7mm)
・燃料供給/電子制御燃料噴射式(EFI)スロットルボディ口径:46mm
・トランスミッション/常時噛合式6速
・クラッチ/湿式多板、スリッパ―クラッチ付き
・メインフレーム/スチール鋼管製トリレスフレーム+アルミ削り出しサイドプレート
・スイングアーム/スチール製 (アルミ製)
・タイヤ(スクランブラー)/110/80-R19(F) 140/80-R17(R)ピレリ・スコーピオンSTR
・タイヤ(ラリー)/90/90-R21(F) 140/80-R17 ピレリ スコーピオン・ラリーSTR
・ブレーキ/320mm+ラジアルキャリパー(F)/ 230mm(R)
・フロントサスペンション/41mm 倒立式 150mmトラベル (43mm倒立式フルアジャスタブル)
・リアショック/150mmリバウンドダンピング調整機構付き (200mmフルアジャスタブル)
・灯火類/フルLED
・車両重量/150kg (149kg)
・燃料タンク容量/12L
・安全装備/前後ABSシステム、コーナリングABSシステム、トラクションコントロールシステム(オプションで追加可能)
■希望小売価格(税10%込み)
・スクランブラー500/129万円
・スクランブラー デラックス500/134万円
・ラリー500/140万円
・スクランブラー125/99万円
・スクランブラー デラックス125/110万円
・ラリー125/110万円
モータリスト合同会社(2025年8月29発行)
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(バイクブロス・マガジンズ編集部)