ピアッジオグループジャパンは、新型「V7」シリーズ国内仕様の受注を全国のモト・グッツィ正規販売店で2021年3月17日(水)に開始した。
ラインナップは、ベーシックモデルとなる「V7 Stone(118万8,000円)」、オットー・チリンドリをモチーフにしたグラフィックが施された「V7 Stone 100周年記念車(123万2,000円)」、オリジナルの V7に近いディティールを与えられた「V7 SPECIAL(127万6,000円)」の3モデル(価格は全て税10%込み)。
今回のモデルチェンジでは、総排気量850ccに拡大された新型エンジンを採用すると共に、スチール製のダブルクレードルフレームにも手が入れられた。なお、出荷開始時期は2021年6月より順次となる。
ピアッジオグループジャパン株式会社(本社/東京都港区芝二丁目、代表取締役/ネリ・ミクラウス)は、モト・グッツィの100年の歴史の中で最も愛され、成功を収めたモデルの1つであるV7を一新し、高性能な新型850cc、65馬力エンジンを搭載したベーシックモデル「V7 Stone」及び「V7 Stone 100周年記念スペシャルエディション」と、クラシカルなデザインの「V7 Special」を2021年3月17日より全国のモト・グッツィ正規販売店にて受注を開始し、6月より順次出荷を開始いたします。
初代モデルの発売から50年以上が経過した今、モト・グッツィはこの独自の歴史の新しい1ページを飾るに相応しい新型 V7を発表します。大幅な刷新を行ったため、モデル名も変更することを決定しました。先代モデルの特徴であったローマ数字による II や III といったナンバリングを廃止した「V7」という名称は、クラシックなシャーシ構造やエンジンに至るまで、あらゆる視点からほぼ全面的に変更されたことを物語っています。
一見すると変更点が分かりづらいかもしれませんが、V7のような伝説的なモデルを改良し、個性と信頼性を損なうことなく、時を経ても変わらない価値観を維持してきたイーグルブランドのデザイナーとマンデッロのエンジニアに与えられた最高の賛辞と言えます。モダンで最もミニマルなモデルのストーンと、クラシックでエレガントなスペシャルの2つのバージョンが発売されます。
■メーカー希望小売価格(税10%込み)
・V7 Stone/118万8,000円
・V7 Stone 100周年記念車/123万2,000円
■カラー
・ルビードブラック
・アイスブルー
・ラメオレンジ
・チェンテナリオ (100周年記念車専用グラフィック)
■受注開始日/2021年3月17日(水)
■出荷開始時期/2021年6月より順次
V7ストーンはマンデッロ発「850cc」の最もベーシックでミニマルなバージョンです。最近の伝統を守るために、このモデルにはクロームパーツを使用せず、代わりにマットブラックのダークな塗装を採用し、パッセンジャー用のグラブストラップ付き新型シートと組み合わせています。
新型フル LED ライトシステムは、モト・グッツィのイーグルをかたどった、DRL 付きの美しいヘッドランプを特徴とし、新型インストルメントパネルも同じくイーグルの形をしたデジタル式の丸型シングルメーターが目を引きます。ホイールはアルミニウム製6本スポークを採用し、サイドパネルには新たにロゴがあしらわれています。
V7ストーンには、ルビードブラックのカラーに加えて、魅力的なサテン仕上げの新色アイスブルーとラメオレンジの2色の新たなカラーラインアップを揃え、さらに1921年に誕生したマンデッロブランドの生誕100周年を記念した特別なチェンテナリオのグラフィックも加わりました。
この新しいグラフィックバージョンは1955年に誕生し、現在でもモト・グッツィの創造性と技術力の代表作となっているオットー・チリンドリ(8気筒)へのオマージュとなっています。グレーの燃料タンクとブラウンのシートに、サイドパネルとフロントマッドガードの見事なグリーンを組み合わせたマットなカラーリングが際立っています。また、燃料タンクのイーグルとサイドパネルのネームの特別なゴールドカラーもルックスを際立たせています。
■メーカー希望小売価格/127万6,000円(税10%込み)
■カラー
・フォーマルブルー
・カジュアルグレー
■受注開始日/2021年3月17日(水)
■出荷開始時期/2021年6月より順次
このバージョンはオリジナルモデルの精神に最も近いものです。クラシックかつエレガントで多数のクロームパーツと鮮やかなグラフィックが特徴です。モト・グッツィ V7スペシャルは、燃料タンクの色に合わせた配色とシート下のサイドパネルの特徴的なカラーストライプで新たな世界観を際立たせます。スポークホイールには光沢仕上げのリムとブラック塗装のハブを採用しています。アナログのインストルメントパネルは2眼メーターを採用し、クロームメッキのパッセンジャーグラブレールが標準装備されています。ライトシステムは LED ターンシグナルとテールライトを採用し、ヘッドランプはクラシックなハロゲンを採用しています。V7スペシャルでは冷却フィンを機械で切削加工を施したシリンダーや専用のブラウンシートなど、クラシカルでエレガントなオリジナル性を強調するディテールが施されています。カラーバリエーションは、フォーマルブルーとカジュアルグレーの2色を用意しています。
新世代の V7はモト・グッツィのエントリーモデルです。乗りやすく、サイズや重量はコンパクトでありながら、同時に他に類を見ない縦置きVツインエンジンを強調する全てのモト・グッツィバイクの特徴である強い本物の個性を持ち合わせています。このマンデッロ生まれの新型バイクはより完成され、卓越した成熟性を示しています。リア周りを見ると大型のファイナルドライブと、よりワイドになったリアホイール、そしてより大型で高剛性な KYB 製ショックアブソーバーが目を引きます。新型 V7には技術的な新機能だけでなく、理念的な新機能も多く搭載しています。
V7ではこのモデルのスタイル的な個性はそのままに、モト・グッツィの伝統と現代のモーターサイクルに求められる要素に影響を与えた形状と対話するデザインを特徴としています。変わらない部分としては、このカテゴリーで最も大きい21リットルのスチール製燃料タンクで、偉大な1971年型 V7スポルトのスタイルからインスパイアされています。
スタイリッシュな新要素としては、サイドパネルと短くなったリアマッドガードが挙げられ、そしてデザインを一新したエキゾーストシステムと共に新型V7が人目を惹くルックスを演出します。V7ストーンの最も重要なイノベーションの1つはスポーティなアルミニウム製ホイールです。リアタイヤには安定感を高め、コーナリング時のグリップ力を高めるワイド化したタイヤ(150/70)が装着されています。タイヤの銘柄も変更しており、濡れた路面での走行を安全かつ快適に楽しむためにダンロップ製アローマックスストリートスマートタイヤを採用しました。V7ストーンと V7スペシャルではよりストロークの長い新型ショックアブソーバーと段付きのシートにより既に高水準に達していた乗り心地がさらに向上しています。特にパッセンジャー側のクッションに厚みを持たせたため、パッセンジャーの脚への負担が軽減し、更に快適になりました。また、同じ目的で、振動低減サポート機能付き新型ライダーフットペグを採用しています。
モト・グッツィ V7ストーンには新型のフル LED ヘッドライトシステム を搭載しており、DRLの形状はモト・グッツィのイーグルをかたどっています。インストルメントパネルはミニマルなイメージを受け継いでおり、丸型のデジタル式シングルメーターにもイーグルを模した形状となっています。インストルメントは幅広い情報を提供可能で、オドメーター、トリップメーター、デイリートリップ(電源をオフにしてから8時間後に自動的にリセット)、トリップタイム、瞬間及び平均燃費、気温、平均速度、MGCT(トラクションコントロール)レベル、そしてライダーが最小および最大回転数を調整できるギアチェンジインジケーターを装備しています。これにより、例えば、できるだけバイクを効率的に走らせる、あるいは燃費を最小限に抑えるために予め設定したエンジン回転数を維持するよう制御できます。ライダーは右側のスイッチボックスのボタンでインストルメントを操作します。ギアチェンジインジケーターはイーグルの形を連想させ、ディスプレイの中心が点滅します。
モト・グッツィは卓越したシャーシを設計する技術力で高い評価を受けています。V7の爽快な走りの原点は遠い過去にさかのぼります。1970年に、厳しいテストを重ねた結果、V7ポリスは LAPD(ロサンゼルス市警)の入札を勝ち取り、ブランドの権威を示すことになりました。
スチール製フレームはダブルクレードルチューブラーのレイアウトをそのままに、このモデルの近年の伝統である重量配分を採用しています。新型 V7ではその機敏性を損なうことなく、安定性と快適性を向上させるための多くの変更が加えられています。ヘッドストック下部には補強鋼材を追加し、アジャスタブルショックアブソーバーの接続部の補強も改善しています。ショックアブソーバーは、より前傾した位置に取付けられ、より大きくなりストロークも長くなっています。リアサスペンションの改良によって、特に凸凹した路面から生じる衝撃を吸収する能力が高まり、快適性が飛躍的に向上しました。
また、パッセンジャーを乗せていても、どのような状況でも、より俊敏なレスポンスを実現しています。一新したシャーシ構造を完成させるために、新型エンジンの増大したトルクをより適切に管理することができる新型ベベルギアが特徴の大型スイングアームを新たに採用しています。
世界には数多くの2気筒エンジンがありますが、縦置きのV型エンジンはモト・グッツィのツインのみです。ジュリオ・チェザーレ・カルカーノ氏の独創的な発想から1967年に誕生し、まるで本物の現代美術の彫刻のように、バイクのデザインに欠かすことができない独自のシリンダー構造が特徴です。
新型モト・グッツィエンジンがV7で登場します。V85 TT「オールテレーン」を成功に導いたエンジンの派生モデルです。このエンジンは、モト・グッツィが開発した最新のドライブユニットであり、最大限の走る喜び、楽しさ、信頼性を提供するために、さらに高い性能と総合的な効率性を実現しています。このエンジンは、現在生産されている全てのモト・グッツィバイクの独自の構造を受け継いでおり、マンデッロが誇る OHV、シリンダーごとに2バルブの空冷縦置き型90°V ツインエンジンです。84x77mmのボアストローク比により、853 ccのエンジン排気量を実現しています。V7 III の「750cc」と比較すると、最大出力が25%増加し、従来の6,200rpmで52馬力から6,800rpmで65馬力となりました。最大トルクも4,250rpmで60Nmから5,000rpmで73Nmまで飛躍的に増加し、3,000rpmでは既に最大トルクの80%以上を発生させています。新型「850cc」では低回転域からの立ち上がりがスムーズで、極めて低い振動で素早く加速します。
エンジンは V7 III と比較して、完全な新開発エンジンとなっています。さらに新設計により、クランクケースの剛性を高めています。潤滑にはセミドライサンプを採用し、2台の同軸ポンプ(1台はオイル供給用、もう1台はオイル回収用)を備え、優れた潤滑性を確保し、オイルラジエーターを取り除きました。セミドライサンプを採用することで、サンプ自体がこの機能を果たすため、外付けのオイルタンクを必要とせず、ドライサンプエンジンのあらゆるメリットを備えています。主なメリットとしては、クランクドライブとオイルの相互作用による摩擦によるパワーロスが少ない、オイルの最高温度が下がる、潤滑トラブルを回避しながらより大きなリーン角やピッチ角に到達するためバイクの自由度が高くなる、それによってポンプがどのような状況でも正しいドラフトを確保するために必要な潤滑油の量を減らすことができることが挙げられます。
V7 には ABS システムとキャンセル及び調整可能なMGCT(モト・グッツィトラクションコントロール)システム が標準装備されています。ABS システムはホールロックを防ぐコンチネンタル製2チャンネルシステムで、MGCTは加速時にリアホイールのスピンを防ぐシステムです。MGCT システムは2段階の感度調整が可能で、濡れたアスファルトや滑りやすいアスファルトでグリップ力が低下した場合に最適な、制御が控えめなものと、乾いた路面で安全にスリリングな走りを楽しめるように設定されたものがあります。
V7では、革新的なモト・グッツィ MIA マルチメディアシステムがオプションとして用意しています。このシステムはバイクとスマートフォンを接続させることができます。App Store や Google Play から無料でダウンロードできる専用アプリにより、スマートフォン(iPhone もしくは Android)とインターネットを繋ぐ、洗練された多機能なオンボードコンピューターとなります。
Bluetooth にて接続することで、スマートフォンの画面上で同時に5つのパラメーターを確認することができ、スピードメーター、Rev カウンター、瞬時の出力、瞬時のトルク、瞬時または平均の燃費、平均速度、バッテリー電圧、縦加速度、拡張したトリップコンピューターをはじめとする膨大な情報メニューから選択することが可能です。
※日本国内では一部機能しない内容が含まれています。
前モデルの成功を受けて、モト・グッツィのカスタマイズに対する哲学は新型V7でも引き継がれています。多くのアクセサリーが用意されており、楽しく安全にバイクをカスタムすることで本当の特注品を手にすることができます。全てのアクセサリーはモト・グッツィが考案、設計、製造したもので、車両の他の純正パーツと同様に、品質と耐久性を保証するために厳しい管理テストを受けています。モト・グッツィが考案しチューニングしているため、純正パーツと完全に互換性があり、簡単にバイクを元の構成に戻すことができます。また、全ての承認を受けており、完全な「公道仕様」となっています。
大量生産車の成功がオートバイ市場を席巻したのは1961年のことでした。異的な設計能力を持つモト・グッツィは、配送用の3輪車から農業機械、特殊車両、さらには自動車に至るまで、新しい市場を開拓することで、この不利な状況に対応しました。その後、天才設計者のジュリオ・チェザーレ・カルカーノ氏がフィアット500のスポーツバージョン向けに最高速度時速140kmに達する空冷90度 V ツインエンジンを設計します。フィアットは新しいエンジンを気に入りましたが、ヴィットリオ・バッレッタ氏が要求した年間生産量がマンデッロ・デル・ラーリオ工場の生産能力を超えていたため、契約の合意には至りませんでした。
ジュリオ・チェザーレ・カルカーノの傑作は1967年にモト・グッツィに加わったデザイナー、リノ・トンティ氏によって完成されました。フォルリ出身でモンディアル、ビアンキ、そしてジレラなどの競合他社で多くの経験を積んだトンティ氏はゼネラルマネージャーであるロモーロ・ステファニ氏からマンデッロ・デル・ラーリオから送り出される大型バイクシリーズを拡大するよう求められました。V7が登場したタイミングで、自動車のコンフォーミズムの反動として、バイクが人気を取り戻し、市場は特に革新を待ち望んでいました。
トンティ氏はまず初めに、エンジン排気量を757ccに増やし45馬力にパワーアップし、V7 700よりも速く、より洗練されたエレガントな V7スペシャルを1969年に発表しました。その後、彼はまずアメリカ市場向けに V7アンバサダーとカリフォルニアを開発し、特に後者はモト・グッツィの最も偉大なサクセスストーリーの1つとなりました。次の画期的な出来事となったのはリノ・トンティ氏の傑作と言われる V7スポーツです。
トンティ氏は明確なアイデアを持ち、マンデッロ生まれのスポーツバイクに時速200キロ、200 kg、5速ギアという3つの目標を設定しました。この目標を達成するために、彼はエンジンにいくつかの変更を加え、排気量を748.3cc、出力を52馬力に向上させ、クランクシャフトとカムシャフトの設計を変更、さらに縦のサイズを抑えるためにオルタネーターをエンジン前部に配置しました。
モト・グッツィ V7スポーツで達成した技術的な進化は、数シーズンの間に他のモデルにも受け継がれました。V7スポーツに導入された新型フレーム、4パッドフロントブレーキ、5速トランスミッションはエンジンのスケールアップとともに V850 GTの大きな革新を象徴するものであり、1973年に登場した V7スペシャルの引退を示唆するものとなりました。スポーツもまた従来の英数字を使った名称から1974年にモト・グッツィ750Sに変わりました。栄誉ある英数字の名前を冠した最後のモデルは V7 850カリフォルニアで1976年の新型 V7 850T カリフォルニアまでそのバトンは引き継がれませんでした。
モト・グッツィ V7 Stone/V7 Special主要諸元は公式ホームページをご覧ください。
■NEW V7 STONE 商品ページ
・URL/https://motoguzzi-japan.com/v7/stone.html?id=prtimes
■NEW V7 SPECIAL 商品ページ
・URL/https://motoguzzi-japan.com/v7/special.html?id=prtimes
■NEW V7 STONE CENTENARIO 商品ページ
・URL/https://motoguzzi-japan.com/1921-2021/v7-stone-centenario.html?id=prtimes
ピアッジオコール
TEL/03-3453-3903
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リリース = ピアッジオグループジャパン株式会社(2021年3月16日発行)