【EICMA2019】自立機構を搭載したシティーコミューター「TRICITY300」が登場

掲載日: 2019年11月05日(火) 更新日: 2019年11月05日(火)
この記事は2019年11月5日当時の情報に基づいて制作されています。

ヤマハは現在イタリアで開催中のEICMA 2019(ミラノショー)にシティーコミューター「TRICITY300(トリシティ300)」を出展している。

同車両に装備される操舵機構は大型LMW「NIKEN(ナイケン)」で採用されるLMWアッカーマン・ジオメトリーに基づき新設計。メインフレームは細い径のパイプと板材で構成されており、高い剛性と安定感のあるしなやかな走りを実現している。エンジンはスポーツスクーター「XMAX300」にも採用される水冷292ccの単気筒ユニットをベースに燃焼速度などを最適化。また、同社が販売するLMWでは初となる自立機構「チルトロックアシストシステム(TLA)」を搭載するのが特徴だ。

このほか同社ブースでは排気量を562ccにアップしたATスポーツコミューター「TMAX560」も出展している。なおEICMA 2019の日程はは2019年11月6日(火)までがプレスデー。一般公開は2019年11月7日(水)~10日(日)までとなる。

“めざせ、ころばないバイク”LMWテクノロジー搭載モデル第4弾 シティーコミューター「TRICITY300」をEICMAに出展

ヤマハ発動機株式会社は、水冷・4ストローク・SOHC・単気筒・292cm3″BLUE CORE”エンジンを搭載するLMW(※1)の新製品「TRICITY300」を11月5日からイタリア・ミラノで開催される「EICMA(国際モーターサイクルエキシビション)」に出展します。

「TRICITY300」は、LMWのミドルクラスに位置するモデルで、”The Smartest Commuting Way”をコンセプトに開発しました。旋回時の優れた安定感や自然なハンドリングを生み出すLMWテクノロジー(※2)とパワフルで環境性能に優れる”BLUE CORE”エンジンを組み合わせることで、都市部でのコミューティングに安心感や快適性をもたらします。さらに、車両の自立をアシストする機能「チルトロックアシストシステム(TLA)」を当社のモーターサイクル市販モデルとして初採用し、利便性と快適性を一層向上しています。

当社では、長期ビジョン「ART for Human Possibilities」に基づき、2030年に向けた成長戦略を推進しています。その注力領域(※3)のひとつ、「Transforming Mobility」において、LMWテクノロジーを筆頭に、FUN(楽しさ)と安心・快適を提供し、モビリティの世界の拡大を目指しています。

なお、EICMA には「TRICITY300」のほか、562cm3エンジンやリア周りの新デザインなどを採用しモデルチェンジしたオートマチックスポーツコミューター「TMAX560」(来春以降国内発売予定)も出展します。

(※1). LMW= Leaning Multi Wheel。モーターサイクルのようにリーン(傾斜)して旋回する3輪以上の車両の総称、商標登録第5646157号。
(※2). LMWテクノロジー=パラレログラムリンクを用いたサスペンションと操舵機構で軽快感と安定感の両立に貢献する技術。
(※3). 当社は3つの注力領域、Advancing Robotics(ロボティクス/知的技術の活用)、Rethinking Solution(社会課題解決へのヤマハらしい取り組み)、Transforming Mobility(モビリティの変革)で2030年に向けた成長戦略に取り組んでいます。

主な特徴

■快適な乗り味を支える「TRICITY300」専用設計LMW機構

「TRICITY300」のLMW機構は、前2輪の大型スポーツモデル「NIKEN」で実績のある操舵軸とリーン軸をオフセットする”LMWアッカーマン・ジオメトリ”を採用し、新たに専用設計しました。LMW機構周辺の各パーツにおける寸法や位置関係で相互バランスをとり、安定感としなやかさを併せ持つ上質な乗り心地を実現します。

■利便性を高める「チルトロックアシストシステム(TLA)」

車両の自立をアシストする「チルトロックアシストシステム(TLA)」を当社のモーターサイクル市販モデルとして初めて採用しました。LMW機構の上部にあるアームに取り付けたディスクを、電動のキャリパーでロックし、車両の自立をアシストする仕組みです。「チルトロックアシストシステム(TLA)」はサスペンションの機能と分離しているため、押し歩き時の小さな段差等での扱いやすさに繋がっています。

■安定感としなやかさをもたらす新フレーム

細径パイプと板材を組み合わせた新設計フレームにより強度と剛性のバランスを最適化しました。ステアリングパイプとフレームの接合部をボックス型とすることで高い剛性を確保し、ライダーに安定感としなやかな乗り心地をもたらします。フレームへのエンジン搭載方法はリンク式を採用しました。搭載位置の最適化を施し、走行時にライダーに伝わる振動の低減を図っています。

■市街地での使用を配慮した292cm3″BLUE CORE”エンジン

クラス最高レベルの加速性能を誇る欧州向けスポーツスクーター「XMAX300」のエンジンをベースとする水冷・4ストローク・SOHC・292cm3単気筒・4バルブ・FIのCVT”BLUE CORE”エンジンを採用、燃焼速度の向上やロス低減を図る仕様の最適化を施し、心地よい加速フィーリングや快適な乗り心地を実現させています。

■ブレーキ時の車体挙動に穏やかさをもたらすABS、UBSの採用

独立した3つのブレーキ系統をそれぞれ最適に制御して車輪のロックを抑制するABS(アンチロックブレーキシステム)と前後配分バランスを最適化したUBS(統合ブレーキシステム)を採用しました。UBSではリアブレーキを操作した際、システムのイコライザーがフロントブレーキと連動し、制動力の前後配分を最適化することで、制動時の車体挙動の低減を図りました。

■「TRICITY125/155」で築いてきたブランド・アイコンの進化

デザインは、「My Right Arm(ビジネスを支えてくれる右腕)」をコンセプトとしました。LMWテクノロジーをデザインに活かすため、TRICITYシリーズの代表的なブランドアイコンであるフロントの逆三角形を、上位機種にふさわしい立体感で表現しました。さらにLMW機構が稼働する範囲に空間を設けることで軽快感を演出、ライダー中心のマス集中とサイドビュー・フロントビューでの”ハ”の字スタンスにより、LMW特有の踏ん張り感を織り込みました。

欧州仕様「TRICITY300」主要仕様諸元

■全長×全幅×全高/2,250mm×815mm×1,470mm
■シート高/795mm
■軸間距離/1,595mm
■車両重量/239kg
■原動機種類/水冷 4ストローク SOHC 4バルブ
■気筒数配列/直列単気筒
■総排気量/292cm3
■内径×行程/70.0mm×75.9mm
■圧縮比/10.9:1
■最高出力/20.6kW(28.0PS)/7,250r/min
■最大トルク/29.0N・m(3.0kgf・m)/5,750r/min
■始動方式/セルフ式
■燃料タンク容量/13L
■燃料供給方式/フューエルインジェクション
■タイヤサイズ(前/後)/120/70-14M/C 55P、140/70-14M/C 62P(前後チューブレス)
※この諸元表は欧州仕様のものです。

欧州仕様「TRICITY300」のフィーチャー

お問い合わせ

ヤマハ発動機株式会社
TEL/0120-090-819

TRICITY300のカタログページはこちら>>

リリース = ヤマハ発動機株式会社(2019年11月5日発行)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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