3年前のあの日のことは一生忘れないでしょう。2014年12月29日、私が住む北海道釧路市のバイク店に、現在所有している1989年式NSR250Rが到着しました。
バイク店の店長が私の求めに応じて札幌市の支店から取り寄せてくれたのです。
この写真は、店長から「NSR入荷しましたよ。よかったら見に来ませんか」と電話が入って、クルマを飛ばして見に行って撮影した「初対面」のときのものです。ブレーキレバーにはまだ「値札」が付いています。
北海道の12月は、雪と凍結道路と寒さのためにバイクを走らせることはできません。それで私は、この日から2週間に1度はバイク店に行き、10分くらいこのNSRをながめさせてもらいました。
そして年が明けて2015年春、私は45歳で約20年ぶりとなるバイクリターンをしました。
そのバイク店にはNSRを買う2年前くらいから通っていました。そのころは「いまさらバイクでもないよな」と思っていました。
当時、NSRはなかなか入荷してきませんでした。2スト・クォーター(250cc)のレーサーレプリカで入ってくるのは、なぜか1991年式のTZR250Rと1988年式のRGV250ガンマばかりでした。
この2台も、相当気に入っていました。TZRはフロント倒立サスがとてもゴージャスでした。しかも2スト・クォーターでは、RZの流れをくむTZRは「本家」です。
そして88年式のガンマについては、私は、スズキのバイクのなかで1、2を争う美しいデザインだと思っていました。シートカウルの面積を減らし、シートレールがメインフレームから「生えている」様子がわかるのがいいんです。88年ガンマのこの小ぶりなシートカウルは素晴らしいアイデアです。
でも結局、私はわざわざ程度のよいNSRを探してもらうことにしました。
目の前に美人が2人いて、どちらも私に気のあるそぶりなのに、それを振って絶世の美女を求めたわけです。
だから私にとってこのNSRは、相当贅沢な存在なわけです。