【ヤマハ】2023シーズンのモータースポーツ活動についてチーム体制とライダーを発表

掲載日: 2023年02月08日(水) 更新日: 2023年02月08日(水)
この記事は2023年2月8日当時の情報に基づいて制作されています。

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ヤマハが2023シーズンのモータースポーツ活動についてチーム体制およびライダーを発表した。ロードレース世界選手権 MotoGP クラスには「Monster Energy Yamaha MotoGP」よりファビオ・クアルタラロ選手およびフランコ・モルビデリ選手の2名が参戦。スーパーバイク世界選手権には「Pata Yamaha Prometeon WorldSBK Official Team」よりトプラック・ラズガットリオグル選手およびアンドレア・ロカテッリ選手。

モトクロス世界選手権 MXGP クラスには「Monster Energy Yamaha Factory MXGP Team」よりジェレミー・シーワー選手、マキシム・ルノー選手、グレン・コルデンホフ選手が継続参戦。全日本トライアル選手権は「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」より黒山健一選手が電動トライアルバイク「TY-E 2.1」で参戦する事となった。

主要チーム体制とライダープロフィール/2023年ヤマハ発動機モータースポーツ活動

ヤマハ発動機株式会社は2023年、基本方針である「ブランド価値の向上」、「市販車への技術フィードバック」、「モーターサイクルレースの健全な普及」を目的に、モータースポーツ活動を行います。

2022年は、MotoGP世界選手権でファビオ・クアルタラロ選手がランキング2位、スーパーバイク世界選手権でトプラック・ラズガットリオグル選手がランキング2位、モトクロス世界選手権のMXGPやMX2でもランキング2位と、世界トップカテゴリーでチャンピオンに迫る戦いを繰り広げました。

同時に、AMAスーパークロス選手権では最高峰の450SXでイーライ・トマック選手によって13年ぶりにチャンピオンを獲得し、250SX ウエストでは5連覇を達成。さらにAMAモトクロス選手権の450MXでトマック選手がチャンピオンとなり、スーパースポーツ世界選手権やMotoAmericaでも勝利を収めました。

全日本選手権でも、ロードレースのJSB1000で中須賀克行選手が11度目のチャンピオンに輝き、モトクロスではIA1で富田俊樹選手によって2011年以来となるチャンピオを獲得。IA2ではジェイ・ウィルソン選手がチャンピオンとなって二冠を達成するなど、世界中で数多くの勝利を収めました。

2023年は、昨年を上回る成績を目指すとともに、カーボンニュートラルに向けての取り組みが世界中で加速するなど、時代が大きな変革期にあることから、全日本でのモータースポーツ活動を中心に、先進技術の開発など新たな価値創造に努めます。

具体的には昨年、発表した電動トライアルバイク「TY-E 2.0」をベースに一部仕様を変更した「TY-E 2.1」が、黒山健一選手とともに全日本トライアル選手権のIAスーパーにフル参戦し、内燃機関を上回る性能と楽しさを持った電動バイクの市販化につながる技術の獲得を目指します。

全日本ロードレース選手権では、「YZF-R1」に市販化を目指したキットパーツを採用し、その開発を行いながら勝利を目指すほか、全日本モトクロス選手権で開発を続けてきたEPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)は今年、開発チームを新設し、ステアリングの電子制御という新たな価値創造に全力を注ぎます。

また近年、力を入れているレース普及や若手ライダーの育成を目指したbLU cRU(ブルー・クルー)活動を、今年も継続して実施します。

まずグローバルには、昨年からMoto2世界選手権に参戦する「Yamaha VR46 Master Camp Team」に、スーパーバイク世界選手権に参戦してきた野左根航汰選手を迎えます。これは、アジアから世界に羽ばたくロールモデルとして、世界中の若手ヤマハライダーにとって大きな刺激となることが期待されます。

併せて、今年もバレンティーノ・ロッシ選手が主宰するVR46 Riders Academyとともに「Master Camp」を開催し、各国の拠点と連携して次代を担うライダーの発掘・育成を行います。さらに、Yamaha Motor Europe N.V.などによるbLU cRU活動とも連携。オン・オフともに、国や地域を越え将来有望な若手ライダーを育成するヤマハ発動機グループ独自のステップアップ構造を強化します。

日本国内のbLU cRU活動も引き続き強化を進めます。ロードレースでは、全日本で併催されるJP250でランキング最上位を獲得したヤマハユーザーを翌年、Yamaha Motor Europe N.V.による「R3 bLU cRU European Championship」に派遣。世界で戦える才能の発掘、日本人トップライダーの育成を目指します。

モトクロスでは、昨年からスタートした、ジェイ・ウィルソン選手をコーチとしたトレーニングキャンプを今年も開催。未来のファクトリーライダーや開発ライダーと成り得る人材育成とともに、全日本の活性化にもつながる重要な活動として、今年は回数を増やして実施します。

2023年もレース結果にこだわりながら、ブランディング、技術開発、普及・育成に全力を尽くすヤマハ発動機のモータースポーツ活動にご期待ください。

ロードレース

ロードレース世界選手権の最高峰MotoGPには、ファクトリーチームである「Monster Energy Yamaha MotoGP」が参戦します。ライダーは、2021年の世界チャンピオンで、昨年はライバルとの接戦の末にランキング2位となったファビオ・クアルタラロ選手と、ランキング19位のフランコ・モルビデリ選手。

この2人が過去最高の21大会、土曜日に追加されたスプリントレースと合わせて42レースを戦い、チャンピオン奪還を目指します。マシンは、2023年型「YZR-M1」で、今年もMonster Energy社をタイトルスポンサーとするモトクロス世界選手権とAMAスーパークロスのヤマハトップチームと共通のカラーリングを採用しています。

ロードレース世界選手権のMoto2は、昨年に続き、「Yamaha VR46 Master Camp Team」が参戦します。ライダーは昨年、ルーキーイヤーながら3度のトップ5フィニッシュなどでランキング16位となったマニュエル・ゴンザレス選手が継続参戦。これに、2020年に全日本最高峰のJSB1000でチャンピオンとなった後、2年にわたってスーパーバイク世界選手権に参戦してきた野左根航汰選手が新加入。MotoGPを目指すライバルたちを相手にさらなる成長を目指します。

スーパーバイク世界選手権には、「Pata Yamaha Prometeon WorldSBK Official Team」から、2022年は前年を上回る優勝14回を獲得してランキング2位となったトプラック・ラズガットリオグル選手と、ランキング5位のアンドレア・ロカテッリ選手が参戦します。「GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team」はライダーを一新。スーパースポーツ世界選手権で圧倒的な強さを見せ、2021年、2022年と連覇を達成したドミニク・エガター選手と、2021年にMoto2でチャンピオンを獲得、昨年はルーキーとしてMotoGPに参戦しランキング23位となったレミー・ガードナー選手を起用します。

2021-2022年のエガター選手による連覇を含め、ヤマハ発動機が6連覇中のスーパースポーツ世界選手権には、Yamaha Motor Europe N.V.のサポートチーム等から多くのライダーが「YZF-R6」で参戦、7連覇を目指します。

世界耐久選手権には、2022年にランキング6位となった「Yamalube YART Yamaha EWC Official Team」が「YZF-R1」で参戦します。ライダーは昨年と同様、ニッコロ・カネパ選手、カレル・ハニカ選手、マービン・フリッツ選手とし、ヤマハ発動機にとって2017年以来となるチャンピオンを目指します。

MotoAmerica AMA/FIM北米ロードレース選手権には、「Fresh N’ Lean Progressive Attack Performance Yamaha Racing」が「YZF-R1」で、最高峰のスーパーバイクに参戦します。ライダーは昨年、連覇を達成し、今年は3連覇を目指すジェイク・ガニエ選手と、ランキング3位となったキャメロン・ピーターセン選手が継続参戦となります。

全日本ロードレース選手権は、最高峰のJSB1000に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」が参戦します。ライダーは、2021年に続き2022年もシーズン全勝となる13連勝で、自身11回目のチャンピオンとなった中須賀克行選手。そして、昨年はルーキーながら7度の表彰台に立ち、怪我による欠場も乗り越えランキング3位とした岡本裕生選手が参戦します。

マシンは市販化を目指すキットパーツを採用した「YZF-R1」を使用し、開発を行いながら当社にとってクラス6連覇に挑戦します。なお、カーボンニュートラル燃料の使用にあたっては、各種データを収集し、「YZF-R1」で参戦するプライベートチームに展開するなど、競争力を高めながら新フォーマット定着に貢献します。

アジアロードレース選手権(ARRC)は、「YAMAHA GEN BLU RACING TEAM ASEAN」が最高峰のASB1000とSS600の2クラスに参戦します。ASB1000には、昨年、チャンピオン争いを繰り広げた末にランキング3位となったカスマ・ダニエル・カスマユディン選手と、Moto2世界選手権に参戦したケミン・クボ選手を迎え、新たな布陣でチャンピオンを目指します。マシンは「YZF-R1M」です。

SS600には、全日本のST600、ST1000をはじめ、ARRCへの参戦経験も持つ南本宗一郎選手と、2019年にSS600でランキング8位になるなど、ARRCで多くの経験を持つアハマド・アフィフ・アムラン選手が「YZF-R6」で参戦、ASB1000とのダブルタイトルが目標です。

モトクロス/スーパークロス

モトクロス世界選手権の最高峰クラスであるMXGPは、「Monster Energy Yamaha Factory MXGP Team」が参戦します。ライダーは昨年、ランキング2位となったジェレミー・シーワー選手をはじめ、ランキング4位のマキシム・ルノー選手、ランキング5位のグレン・コルデンホフ選手が継続参戦します。

マシンはフルモデルチェンジを果たした「YZ450F」をベースとした「YZ450FM」を使用。昨年は14勝をあげるなどコンストラクターランキングでトップの獲得に貢献した3人が、2015年以来となるチャンピオンに挑みます。

MX2には「Monster Energy Yamaha Factory MX2 Team」から、2022年、ライバルとの大接戦の末にランキング2位となったヤゴ・グリーツ選手と、4度の優勝などでランキング5位となったティボー・ベニスタント選手。さらにヨーロッパモトクロス選手権のEMX250でチャンピオンに輝いたリック・エルジンガ選手を加えた3人体制で参戦。「YZ250FM」を使用し、2021年以来のチャンピオンを狙います。

1月7日に開幕したAMAスーパークロスには、「Monster Energy Yamaha Star Racing 450 Team/250 Team」が参戦中です。最高峰の450SXは昨年、2009年以来のチャンピオンをもたらしたイーライ・トマック選手と、ランキング11位のディラン・フェランディス選手が参戦。また、2021年に250SXウエストでチャンピオンとなったジャスティン・クーパー選手がスポット参戦します。ライダーたちはフルモデルチェンジを果たした「YZ450F」を駆り、2連覇を狙います。

250SXは、大きくメンバーを変更。リーバイ・キッチン選手とスタイルズ・ロバートソン選手がウエスト、ネイト・スラッシャー選手、ジョードン・スミス選手、ニック・ロマノ選手、ヘイデン・ディーガン選手がイーストに参戦。それぞれ「YZ250F」を使用し、チャンピオンを目指します。

5月末に開幕するAMAモトクロスは、スーパークロスと同様、「Monster Energy Yamaha Star Racing 450 Team/250 Team」が参戦。450MXはフェランデス選手が「YZ450F」で参戦。250MXは、クーパー選手、キッチン選手、ロバートソン選手、スラッシャー選手、スミス選手、ロマノ選手、ディーガン選手の7人が「YZ250F」で参戦します。

今シーズンから、スーパークロスとモトクロスに加え、新シリーズとしてスーパーモトクロス・ワールド・チャンピオンシップ(SMX)が開催されます。スーパークロスとモトクロスで獲得したポイントを合算し、上位のライダーのみが出場できるシリーズ。9〜10月にかけて3大会が行われ、AMAシリーズの頂点が決定されます。特に最高峰クラスでは、450SX、450MXでは連覇を、SMXでは初代王者と、AMAでの三冠に挑戦します。

全日本モトクロス選手権は、最高峰のIA1に2チーム・4人のライダーが参戦します。まず「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」からは、昨年、ヤマハ発動機に2011年以来となるチャンピオンをもたらした富田俊樹選手と、ランキング3位の渡辺祐介選手が参戦し連覇を目指します。

また、開発チームとなる「YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM」を新設。ジェイ・ウィルソン選手が監督を兼任しながら、町田旺郷選手とともに参戦。EPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)の開発を進めながら、その進化を示すべくチャンピオン獲得にも挑戦します。4人は2023年型「YZ450F」をベースにモディファイを行った「YZ450FM」を使用します。

トライアル

全日本トライアル選手権は、最高峰のIAスーパーに「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から、昨年、ランキング2位の黒山健一選手が参戦します。マシンは、電動トライアルバイク「TY-E 2.0」をベースに一部仕様を変更した「TY-E 2.1」を投入。全日本では史上初となる電動トライアルバイクでのフル参戦を行います。

「TY-E」は、2018年と2019年にTrial-E CUP、2022年は進化した「TY-E 2.0」でTrial2世界選手権に参戦してきました。今回は、3年後の2025年にIAスーパーでのチャンピオン獲得を目指しつつ、この過程でカーボンニュートラルの実現や、電動バイクなどのEVに活用できるさまざまな技術を獲得していくことが目標となります。

また、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」からは、昨年、ランキング4位の野崎史高選手がIAスーパーに参戦します。マシンはエンジン車の「TYS250Fi」を使用し、自身初、当社にとっては2012年以来となるチャンピオン獲得を目指します。

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リリース

ヤマハ発動機株式会社(2023年2月8日発行)

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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