トライアンフは、2021年度の BSB(英国スーパーバイク選手権)に、レーシングチーム「Dynavolt Triumph」として、ストリートトリプル RS をベースとした車両で参戦する。
チームパートナーは、サイモン・バックマスター氏が率いる PTR Racing Ltd。ライダーにはブランドン・パーシュ選手(#96)およびカイル・スミス選手(#11)の2名を迎える。
2021年クアトログループブリティッシュスーパースポーツのシーズンに向けて、新型 Triumph Street Triple 765 RS を発表いたします。トライアンフのレースでの将来的な野望において重要な一歩となるモデルです。PTRとパートナーシップを組み、Dynavolt Triumph としてレースに参戦する上で、765ccトリプルエンジンと Street Triple RS のシャーシ性能の信頼性をトップレベルの過酷な環境下で実証することを目的としています。
Simon Buckmaster の PTR チームによってマネージメントされる Dynavolt Triumph は、トライアンフにとって理想的なパートナーシップであり、スーパースポーツレースにおける準備、トラックサイドオペレーション、およびトライアンフ社内のエンジニアリング部門との調整力において既に実証されている能力が備わっています。
トライアンフモーターサイクルズの公式レースへのこの歴史的な復帰で、Dynavolt Triumphのチームカラーを身にまとうファクトリーライダーは、元WSSブリティッシュライダーの Kyle Smith と元ブリティッシュモトスターチャンピオンの Brandon Paasch の2名になります。
Dynavolt Triumph 765は、Street Triple RSをベースとしており、世界的な販売台数で大きな成功を収めクラスをリードするハンドリングと爽快でトルクの厚いエンジンが高く評価されています。MSVR および Dorna WorldSBK Organisation(DWO)との協議後、トライアンフはより幅広いエンジンフォーマットの同条件下での競争が可能な新たなスーパースポーツフォーミュラの確立に協力しております。これにより市販車の開発にフィードバックできるような高いポテンシャルを提供するとともにエキサイティングなレースを展開することができます。
トライアンフのチーフプロダクトオフィサーであるスティーブ・サージェントは、次のようにコメントしました。
「私たちはチャンピオンシップの幅広いフォーマットの拡大のために、テストする機会を与えられました。そして、今年は性能を試すための1年とみています。いまこそ、私たちが十分に戦闘力のあるバイクを有していることを証明する時なのです。私たちの野心はこれだけに留まりません。来年にはスーパースポーツ世界選手権に参入します。これは長期に渡るレーシング戦略の一環となります。そして、市販車をベースとするレーシングマシンの開発という点で、とても重要な戦略となります。お客様が実際にショールームを訪れ、バイクを購入し、走行し、そしてレーシングマシンに改良できるバイクを手に入れることは、トライアンフのようなメーカーにとってとても重要です」。
スティーブ・サージェントは、Street Triple RS の戦闘力に関して次のコメントを付け加えました。
「私たちは、このバイクの戦闘力が本物であると確信していないならば、そもそもこのプロジェクトに参入していません。Street Triple はネイキッドスポーツバイクです。しかしこれは Daytona をベースとするバイク。つまり、私たちの考えでは、ジオメトリーの点から見ると、これはレーシングマシンにとってとても良いベースなのです。スターティングパッケージとして、レースに使えるシャシーと765トリプルエンジンという優れたエンジンを手に入れることができます。私たちはこのエンジンを Moto2において、この2~3シーズンに渡り採用していました。このエンジンに対してのレスポンスと実証した性能により、このエンジンのパッケージとしての戦闘力は明らかになったと思います。このエンジンとシャシーという2つの要素の融合により、本当に素晴らしいスタート地点に立っていると思います。」
2021シーズンの予想に関して、スティーブ・サージェントは次のように結論付けました。
「私とサイモン・バックマスターは、2021シーズンに関して、共に予想しました。言うまでもなく、我々のどちらも先頭を行くこと以外は考えていません。もちろん、サイモンはその点に強くフォーカスしており、当社のパッケージはそれを実現できるものだと自負しています。また、そのパフォーマンスを引き出せる2人のライダーを擁しています。そして、トライアンフとしてトライアンフがサーキットで何ができるのか!それを実証したいです。」
Dynavolt Triumph のチーム主任であるサイモン・バックマスターも、次のようにコメントしました。
「PTR、Dynavolt、およびトライアンフを代表してお伝えします。私はこのマシンをとても誇りに思っており、レースの開始が待ち切れません。もちろん、自信はあります。しかし同時にわずかな緊張感もあります。これは新たなプロジェクトですが、我々は勝つために挑戦を続けなければなりません。これが今シーズンに向けた我々の目標となります。」
Dynavolt Triumphのファクトリーライダーであり、ゼッケン96のブランドン・パーシュ選手は次のように語りました。
「トライアンフの工場見学は最高の経験でした。一つ一つのディティールに対して費やす時間と努力を知り私は驚嘆しました。それは、ライダーに更なる自信を与えてくれるものです。その後、チームのスタッフに会って話し、Dynavolt Triumph のレーシングマシンと対面できたことも素晴らしい経験でした! 私は何か月もの間この瞬間を思い描いていて、ようやく思い描いていたもの全てを目のあたりにできたことは、とてもエキサイティングなことでした。間もなくここでテストが始まります。私はその時に向けて集中しています。トライアンフの歓待とサポートに対しては、どんなに感謝しても感謝しきれません。他の皆さんも、私が感じたのと同じように、この巡り合わせに興奮してくれると良いのですが!」
Dynavolt Triumphのファクトリーライダーであり、ゼッケン11のカイル・スミス選手は次のように語りました。
「新しいマシンを操って新しい選手権で戦うという、自分にとっての新たなチャレンジの始まりに心が踊っています。サイモンから電話を貰った時、一切のためらいはありませんでした。基本的なセットアップを目的としたシルバーストーン・サーキットでのテストの開始は、もう待ちきれません!トライアンフの新しいマシンは優れたマシンですよ、間違いありません。PTR のスタッフとは以前共に働いたこともあり、我々のチームは戦闘力を発揮できると確信しています!」
2021年4月28日、シルバーストーン・サーキットにおける最初の公式 BSB(英国スーパーバイク選手権)テストで、Dynavolt Triumph Street Triple 765 RS は初めてサーキットに姿を現しました。
トライアンフモーターサイクルズジャパン株式会社(2021年5月20日発行)
Street Triple RS の試乗インプレッション記事はこちら>>
Street Triple RS のカタログページはこちら>>
その他トライアンフに関する記事はこちら>>