2019年度国内外レースのヤマハ主要チーム体制が発表された。2018年度では、ロードレース最高峰のMotoGP世界選手権でバレンティーノ・ロッシ選手がランキング3位、マーベリック・ビニャーレス選手がランキング4位を獲得した他、多くの成果をあげたヤマハは今年創立65周年を迎え、世界各地のレース活動にもますます力を入れていくという。
ヤマハ発動機株式会社は、基本方針となる「ブランド価値の向上」、「先進技術の獲得」、「モーターサイクルレースの健全なる普及」を目的に、世界各地でレース活動に取り組んでいます。
2018年の活動では、MotoGP世界選手権でバレンティーノ・ロッシ選手がランキング3位、マーベリック・ビニャーレス選手がランキング4位を獲得したほか、世界耐久選手権の最終戦である鈴鹿8耐の四連覇や、全日本ロードレース選手権・JSB1000、アジアロードレース選手権・SS600、MotoAmerica・スーパーバイクなどでチャンピオンを獲得。数多くの成果とともに世界中の人々と感動を共有することができました。
一方2015年以来、アジアを皮切りに取り組んできた人材育成を柱とするステップアップ構造の構築では、アジアから欧州に渡りチャレンジをはじめるライダーが次々と現れ、着実にその構築が進んでいます。
2019年は当社にとって創立65年目の節目となり、会社創立とともにはじまったレース活動も65年目を迎えます。これまでと同様、世界各地の主要レースに全力で取り組みつつ、次代を担う若手の育成やレース文化の醸成にも貢献しながら、ブランドスローガン“Revs your Heart”の具現化を目指します。
■ロードレース
MotoGP世界選手権は、ファクトリーチームの「Monster Energy Yamaha MotoGP」から、2018シーズンに5度の表彰台を獲得しランキング3位となったバレンティーノ・ロッシ選手と、1勝を含む5度の表彰台を獲得しランキング4位となったマーベリック・ビニャーレス選手が参戦します。
(左から)バレンティーノ・ロッシ選手、マーベリック・ビニャーレス選手
新たにパートナーシップ契約を結んだサテライトチームの「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」からは、2017シーズンのMoto2チャンピオンで、昨シーズンはMotoGPにステップアップしランキング15位としルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたフランコ・モルビデリ選手と、昨シーズンのMoto2でランキング10位のファビオ・クアルタラロ選手が参戦。2チーム・4人が、「YZR-M1」でチャンピオン獲得を目指します。
(左から)フランコ・モルビデリ選手、ファビオ・クアルタラロ選手
スーパーバイク世界選手権(WSBK)には、「Pata Yamaha Team」が参戦します。ライダーは、それぞれが昨シーズンにWSBKでの初優勝を果たし、鈴鹿8耐では「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」のメンバーとして当社初の四連覇に貢献したマイケル・ファン・デル・マーク選手とアレックス・ローズ選手が参戦します。
(左から)マイケル・ファン・デル・マーク選手、アレックス・ローズ選手
また「GRT Yamaha Supported Team」からは、昨シーズンのWSBKでランキング5位のマルコ・メランドリ選手と、昨年のスーパースポーツ世界選手権チャンピオンであるサンドロ・コルテセ選手が参戦。4人のライダーが全日本ロードレース選手権の「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」と技術共有を行いながら開発した「YZF-R1」で、2009年以来となるチャンピオンを目指します。
2018-2019シーズンの世界耐久選手権(EWC)は、2017-2018シーズンにランキング16位となった「YART Yamalube Yamaha Team」が「YZF-R1」で参戦します。ライダーは、ブロック・パークス選手、マービン・フリッツ選手、ニッコロ・カネパ選手で、2018年9月に行われた開幕戦のボルドール24時間耐久レースでは2位を獲得し、チャンピオン獲得に向けて幸先の良いスタートを切りました。
MotoAmerica AMA/FIM北米ロードレース選手権は、最高峰のスーパーバイクに、昨シーズン、2015-16年の連覇に続き3度目のチャンピオンに輝いたキャメロン・ボビエ選手と、昨シーズンからスーパーバイクにステップアップしランキング5位を獲得したギャレット・ガーロフ選手が、「Monster Energy/Yamalube/Yamaha Factory Racing Team」から「YZF-R1」で参戦します。
(左から)キャメロン・ボビエ選手、ギャレット・ガーロフ選手
当社の技術開発と人材育成の重要拠点である全日本ロードレース選手権は、最高峰のJSB1000に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」と、ユースチームの「YAMALUBE RACING TEAM」が参戦します。
ファクトリーチームは、昨シーズンJSB1000で通算8度目のチャンピオンに輝いた中須賀克行選手と、7度の表彰台でランキング4位となった野左根航汰選手が、ファクトリー仕様の「YZF-R1」で参戦。連覇とともに「YZF-R1」の継続的な技術開発に取り組みます。ユースチームは昨シーズン、JSB1000にステップアップしたものの怪我の影響でランキング21位となった前田恵助選手が「YZF-R1」で出場します。
(左から)中須賀克行選手、野左根航汰選手、前田恵助選手
アジアロードレース選手権(ARRC)は、2019シーズンから新たに最高峰としてスタートするASB1000に「YAMAHA RACING TEAM ASEAN」が参戦します。ライダーは昨シーズンのSS600でランキング9位となった伊藤勇樹選手に加え、世界耐久選手権にもレギュラー参戦するブロック・パークス選手が「YZF-R1」で参戦します。また同クラスには「Yamaha Thailand Racing Team」から、2018シーズンのSS600チャンピオンであるラタポン・ウィライロー選手と、2017年から2年間、CEVジュニア世界選手権Moto3に参戦していたアピワット・ウォンタナノン選手もエントリー。ASB1000初代チャンピオンとともに、モータースポーツへの関心が高いアジアで当社のプレゼンス向上を目指します。
(左から)伊藤勇樹選手、ブロック・パークス選手
人材育成において重要な役割を担うSS600やAP250には、当社の現地法人が運営するチームが参戦します。当社は2015年以来、現地法人のチームへのサポートを行ってきましたが、この中で「Yamaha Thailand Racing Team」からAP250に参戦し、鈴鹿4耐で二連覇、全日本JSB1000参戦など多くの経験を積み成長したアヌパブ・サームーン選手が、今シーズンからCEVヨーロッパ選手権Moto2への参戦を開始します。当社は、サームーン選手に続きARRCから世界に羽ばたくライダー育成のためサポートを継続します。
バレンティーノ・ロッシ選手が主宰する「VR46 Riders Academy」と、2016年から3年契約で行ってきた若手人材の発掘・育成プロジェクト「Yamaha|VR46 Riders Academy」について新たに3年契約を行いました。2019年から再び、3年で6回のトレーニングプログラム「The Master Camp」をイタリアにて実施します。
過去3年では、アジアを中心にグローバルに参加者を選抜し、6回のトレーニングで13ヵ国のべ32人が参加。この中で、ウォンタナノン選手(タイ)が、2017年からCEVジュニア世界選手権Moto3へ2シーズンに渡り参戦したほか、ARRC・SS600で成長を見せたケミン・クボ選手(タイ)がサームーン選手とともにCEVヨーロッパ選手権Moto2への参戦を開始します。さらに、昨シーズンからスーパースポーツ300世界選手権へのフル参戦を開始し1勝をあげたガラン・ヘンドラ・プラタマ選手(インドネシア)も継続参戦するなど、本プロジェクトから続々とグローバルに活躍するライダーが育っています。
2019年からの3年間ではこの「The Master Camp」を軸に、ステップアップ構造の強化・拡大を図りながら、世界で活躍するライダーの発掘・育成に取り組みます。
「Yamaha|VR46 Riders Academy」の活動は、特設サイトにてご覧いただけます。
https://race.yamaha-motor.co.jp/sp/vr46ra/jp/
■モトクロス/スーパークロス
モトクロス世界選手権の最高峰であるMXGPには、「Monster Energy Yamaha Factory MXGP」から、昨シーズン、ランキング6位のロマン・フェーブル選手に加え、2018シーズンからMXGPへの参戦を開始しランキング8位を獲得したジェレミー・シーワー選手が、ファクトリー仕様の「YZ450FM」で参戦します。
(左から)ロマン・フェーブル選手、ジェレミー・シーワー選手
また「Monster Energy Wilvo Yamaha MXGP」から、アーヌー・トヌス選手、ゴーティエ・ポーリン選手が「YZ450F」で参戦するほか、MX2には、「Monster Energy Kemea Yamaha MX2」から、ベン・ワトソン選手とヤゴ・グリーツ選手が「YZ250F」で参戦します。
1月5日に開幕したAMAスーパークロスは、最高峰の450SXに、2018シーズン、ランキング10位となったジャスティン・バーシア選手と、昨シーズンの250SX WestとAMAモトクロスの250MXで2冠を達成した若手トップライダーのアーロン・プレシンジャー選手が「Monster Energy/Yamaha Factory Racing Team」から「YZ450F」で参戦しています。東西のエリアごとに開催される250SXには、「Monster Energy/Star/Yamaha Racing」などが「YZ250F」で参戦中です。
5月に開幕するAMAモトクロスには、最高峰の450MXに「Monster Energy/Yamaha Factory Racing Team」が「YZ450F」で参戦します。ライダーはスーパークロスと同様、バーシア選手とプレシンジャー選手です。250MXには、「Monster Energy/Star/Yamaha Racing」などが「YZ250F」で参戦するほか、2018シーズンに続き、渡辺祐介選手が参戦します。
渡辺選手は、若手育成をミッションとするユースチームで成長を遂げ、2017年にIA2のチャンピオンを獲得。昨シーズンから、さらなる成長とともに日本から世界にチャレンジするモデルケースとして、AMA挑戦をスタートしました。2年目となる今シーズンはポイント獲得、上位進出を目指します。
(左から)ジャスティン・バーシア選手、アーロン・プレシンジャー選手、渡辺祐介選手
渡辺祐介選手のアメリカでの活動の様子は、特設サイトにてご覧いただけます。
https://race.yamaha-motor.co.jp/sp/amamx/
全日本モトクロス選手権では、最高峰のIA1に「TEAM YAMALUBE YAMAHA RACING」から、昨シーズンにランキング8位を獲得した岡野聖選手が「YZ450F」にて、その開発を行いながら参戦します。
IA2は、若手育成を担うユースチーム「YAMALUBE RACING TEAM」から、昨シーズン、ランキング5位の大倉由揮選手と、ランキング6位の鳥谷部晃太選手が「YZ250F」で継続参戦。渡辺選手に続き世界進出を目指し、チャンピオン獲得にチャレンジします。
(左から)岡野聖選手、大倉由揮選手、鳥谷部晃太選手
■トライアル
全日本トライアル選手権は、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から、昨シーズンにランキング3位を獲得した黒山健一選手が、ファクトリーマシン「TYS250Fi」で出場。2012年以来となるチャンピオンの獲得を目指します。また「Team FwO with YAMALUBE」からは、昨シーズン、ランキング2位を獲得した野崎史高選手が同じくファクトリーマシンの「TYS250Fi」で参戦します。
(左から)黒山健一選手、野崎史高選手
【2019年主要ヤマハチーム】
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リリース = ヤマハ発動機株式会社