【BMW Motorrad】2018年の全世界販売台数を発表! 一番売れたモデルとは?

掲載日: 2019年01月17日(木) 更新日: 2019年01月18日(金)
この記事は2019年1月17日当時の情報に基づいて制作されています。

2019年1月16日、ドイツのBMWグループは2018年におけるBMW Motorradの全世界新車販売台数を発表した。2018年に販売された新車台数は16万5566台で、2017年の販売台数16万4153台を上回った。これにより、BMW Motorradとしては8年連続で年間販売台数記録を更新したことになる。

以前より「2020年までに年間販売台数20万台を達成する」という目標を掲げてきたBMWだが、2018年に関しては発売予定モデルの出荷が下半期に集中した感もあり、伸び率としては前年比+0.9%にとどまってしまった。しかし結果的には6機種の新型車(K1600グランドアメリカ/F850GS/F750GS/R1250RT/R1250GS/R1250GSアドベンチャー)を市場に投入、なんとか前年割れを免れた格好となった。

ここからは、世界各国の主要マーケットの販売台数や、モデル別の販売台数についてご紹介しよう。

世界で一番BMWが売れている国はドイツ!

■2018年 BMW Motorrad販売台数/国別ランキング
1位 ドイツ 2万3824台
2位 フランス 1万6615台
3位 イタリア 1万4110台
4位 アメリカ 1万3842台
5位 スペイン 1万1124台
6位 イギリス/アイルランド 9224台
単一マーケットで世界最大の市場はBMWのおひざ元のドイツだ。ここ数年は毎年2万台以上を販売している。以下フランス、イタリア、アメリカ、スペイン、イギリス/アイルランドと続くが、この顔ぶれはここ数年変わってはいない。

新興国市場では中国、ブラジル、インドが躍進

欧米主要マーケット以外で躍進が目立つのが新興国だ。BMWが大きく注目しているのは中国とブラジルで、それぞれの販売台数は明らかになっていないが、この2か国合計で2018年は7561台の新車を販売。伸び率は昨年比+35%という驚異的な数値だ。また、BMW Motorradの世界戦略モデルG310R/G310GSを製造するインドでも2018年は2187台を販売した。数字的には大きくはないが、BMW Motorradのインド市場への参入は2017年から。その点を考慮すると、インド市場の今後は明るいと言えるだろう。(ちなみに2017年は日本国内でも5230台を販売している)

モデル別販売台数はR1200/1250GS系がダントツのトップ

ここからはモデル別の販売台数を見ていこう。2018年に販売された新車のうち、R1200GSとR1250GS、同アドベンチャーシリーズの販売台数はトータルで約5万1000台。全販売台数に占める割合は3割にも及ぶ。


<写真>EICMA2018(ミラノショー)でローンチされたR1250GSアドベンチャー。

エンジンに可変バルブタイミングシステム「BMW ShiftCam(シフトカム)」を採用したR1250GSは2018年9月に発表され、同年秋から世界各国でのデリバリーが開始。さらにR1250GSアドベンチャーも年末以降各国でのデリバリーが始まっている(日本では1/11~)。

また、水平対向エンジンを搭載するRシリーズトータルの新車販売台数は約8万4500台。つまり新車販売台数の半数は水平対向エンジンモデルということになる。台数は明らかになっていないが、ヘリテイジモデルのR nineTシリーズのセールも好調だったという。
<写真>2018年9月にR1250GSと同時に発表されたR1250RT。GSと同時期にデリバリーも始まっている。写真は「Option 719」装着車。


<写真>旧世代の空油冷水平対向エンジンを搭載するR nineTシリーズ。2018年には新機種投入が行われていないが、Urban G/Sを除く各モデルに特別塗装の「Option 719」モデルを追加、ラインナップのテコ入れを図った。

また、S1000RR、S1000R、S1000XRについても新機種投入がなかったにも関わらず、コンスタントに売れており3機種トータルで1万8773台を発売した。

K1600シリーズはアメリカで人気に

K1600B(バガー)やK1600グランドアメリカなど、新機軸モデルの導入を進めるK1600シリーズのセールスも好調で、2018年は全世界で8306台を販売(前年比+25%)。K1600シリーズはどのモデルも車両価格が300万円を超えるラグジュアリーツアラーだが、BMWが重要視しているアメリカ市場で成功を収めたことで台数を伸ばした。


<写真>アメリカ市場にターゲットを絞って開発されたK1600グランドアメリカ。その目論見通りアメリカでの販売は好調だという。

G310R/G310GSが販売台数トップ5入り

2017年に発売されたG310RとG310GSも好調なセールスを持続している。2機種トータルの販売台数は2万4363台で、BMWのモデル別販売台数ではトップ5にランクインする数字をたたき出した。前述の中国、ブラジル、インドなど新興国での販売拡大もG310シリーズが貢献していると思われる。

怒涛の新車ラッシュを控える2019年

2020年までに年間20万台を販売するというBMW Motorradの目標は、2018年の数字を見ると、少し厳しい気もする。しかし、2019年に投入が予定されているモデルの顔ぶれを見ると、年間で18万台ほどは売れるのではないかという予感はある。ここからは2019年に発売予定のモデルを見ていこう。

■C400X/C400GT


<写真>500cc以下のセグメントに注力するBMW Motorrad。その目玉はミドルレンジのマキシスクーターC400XとC400GTだ。日本でも2019年1月26日からC400Xが、2月8日からC400GTの販売が開始。

■R1250R/R1250RS


<写真>R1250RT、R1250GSに続き、可変バルブタイミングシステム「BMW ShiftCam」を搭載したR1250RとR1250RSも2019年に市場へ投入される見込み。現在はR1200系とR1250系が混在する水冷Rシリーズは2019年中にはすべてR1250系へ統一されるはず。ネイキッドのR1250R、スポーツツアラーのR1250RSともに日本でもそれなりの台数が出るだろう。

■F850GSアドベンチャー

<写真>EICMA2018でお披露目された新生F850GSのオフロード仕様F850GSアドベンチャー。日本でも2018年秋からF850GS/F750GSの販売が始まっているが、このモデルを待ち望むライダーも多いはず。こちらも2019年発売予定だ。

■S1000RR

<写真>EICMA2018で衝撃のデビューを果たしたS1000RR。完全新型のスーパースポーツバイクは2019年にもっとも動向が気になるモデルだ。

<写真>R1250系同様に可変バルブタイミングシステム「BMW ShiftCam」を搭載する新型S1000RR。写真はその肝となるカムシャフトとアクチュエーター部。こうしたギミックに注目するスーパースポーツファンも多いはず。


<写真>新型S1000RRの発表とともに、世界スーパーバイク選手権(SBK)へのワークス復帰も明らかになったBMW。ライダーは元カワサキワークスのトム・サイクス(中央)と、スーパーストック世界選手権でも活躍したマーカス・ライテルベルガー(左から2番目)。

 

このように2019年のBMW Motorradは怒涛の新車ラッシュを迎えることもあり、歴代最高の年間販売台数を記録するのはほぼ間違いないだろう。2020年に掲げた大きな目標に向かって着実に歩みを進めるBMW Motorradの動向には今後も注目しておきたい。

 

情報元=BMW AG
Text/RyoTsuchiyama

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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