2018年11月6日にBMW MotorradはEICMA2018(ミラノショー)のカンファレンスでニューモデル6機種の発表を行った。新たに発表されたのはミドルクラスのマキシスクーターC400GT、F850GSアドベンチャー、R1250GSアドベンチャー、R1250RS、R1250R、S1000RRの6機種だ。
カンファレンス冒頭でまずアンベールされたのはC400GT。
2017年のミラノショーで初お披露目されたマキシスクーターC400Xと基本構成を同じとする車体。C400Xがスポーティなタウンユースを想定しているのに対し、こちらはGTという名が示すようにツアラー的な位置付け。
LEDヘッドライトを採用するフロントマスクは、ヘッドライトユニット含めてC400Xとはまったく異なる新規パーツで構成されている。
BMW Motorradは600ccクラスでもC650Sports・C650GTと、キャラクターの異なるマキシスクーターをラインナップしているが、C400GTの登場で400ccクラスでも同様のラインナップが揃うことになる。
続いて登場したのがF850GSアドベンチャーだ。
今年完全新設計モデルとして発表された新型Fシリーズ。すでにF750GS、F850GSのローンチは終わっているが、ここに来てF850GSのオフロード性能をさらに高めたモデルとしてアドベンチャーが登場。写真はデザインについて解説するBMW Motorradデザインチームのボス、エドガー・ハインリッヒ氏だ。
BMW-GSのアドベンチャーモデルといえば、タンク容量の拡大、オフ走破性の向上などのセットアップがセオリーとなる。今回発表されたF850GSアドベンチャーでは、タンク容量は23リットルへと拡大(STDモデルのタンク容量は15リットル)。
また、専用サスペンションの採用にともなってフレームのジオメトリーも変更されていて、ステアリングヘッドアングルはSTD比で2度寝かされてキャスターも増大、ホイールベースも15mm延長されている。
上の写真のブルーメタリックのモデルは「Rallye:ラリー」と呼ばれるグレードとなる。
こちらはオプションのパニアケースを装着したモデル。
初代モデルからシート下ガソリンタンクを採用していたFシリーズは、新型F850GS・F750GSから通常のタンク位置に変更された。F850GSアドベンチャーでもそのタンク位置のまま容量を拡大している。
2018年9月に突如発表されたボクサーツインモデルのエンジンアップデート。排気量を1250ccにまで拡大して、可変バルブタイミング機構「BMW ShiftCam(シフトカム)」の搭載が明らかにされ、R1250GSとR1250RTが発表された。
そしてこのミラノショーでは、その新型ボクサーエンジンを搭載したR1250GSアドベンチャー、R1250RS、R1250Rが同時にアンベール。これによりこれまでの水冷ボクサーエンジンモデルは、すべて可変バルブタイミング機構を搭載する新型エンジンへ移行したことになる。
こちらはR1250GSアドベンチャーHPは容量30リットルのビッグタンクと専用サスペンションでオフ性能に特化したモデル。ホワイトのメインフレームとトリコロール外装でスポーティな印象に。従来型R1200GSの「Rallye」に相当するモデルだ。
新型エンジンの搭載とともに、外装もアップデートされたR1250RS。
R1250RSでもついにLEDヘッドランプが純正採用となった。それにともなってアッパーカウルは完全に新しい型へと変更され、顔つきはよりシャープに。
ハンドル周りやスクリーンなどは変わっていないように見える。メーターは液晶に。
タンク、サイド&リアパネルなどの外装パーツは、アッパーカウルを除いて意匠に変更はないようだ。
こちらはR1250Rのオプション装着車。RSと同じく新型エンジンを搭載する。こちらもメーターはTFT液晶に。
S1000RRを含めて新型6機種をお披露目したBMW Motorrad。今回の新型の投入時期などはまだすべて明らかになっていないが、BMWが2020年までに年間販売台数20万台を目指すと公言していることを踏まえれば、この怒涛の新型車攻勢も納得だ。これら新型モデルのさらなる車体詳細についてはVIRGIN BMWで改めてお伝えする。
Text&Photo/RyoTsuchiyama
Special Thanks/BMW Motorrad, ITA(Italian Trade Agency)
同日発表された新型S1000RRについてはコチラ。