2018年4月21日(土)にオランダのアッセンで行われたSBK(世界スーパーバイク選手権)第4戦のレース1で、カワサキレーシングチームのジョナサン・レイ(Jonathan Rea)が今季3勝目を手にした。
オランダ・アッセンでのレース1では、ホンダのセミワークスチームであるレッドブル・ホンダが出走できないという波乱があった。というのも、前週の第3戦アラゴンでのクラッシュで負傷したエースライダーのレオン・キャミア(Leon Camier)が欠場。レッドブル・ホンダとしては若手のアメリカンライダー、ジェイク・ガニエ(Jake Gagne)に期待をかけたが、そのガニエも金曜日に行われたFP(フリープラクティス)2で大クラッシュを喫してしまう。その後FP4に挑むも、痛みに堪えかねてわずか2周でピットイン。結局、レース1・レース2の出場を見送り、レッドブル・ホンダの2人のライダーが揃って負傷欠場となってしまった。
レッドブル・ホンダ不在の18台で争われたレース1は、PATAヤマハのアレックス・ロウズ(Alex Lowes)がポールスタート。チームメイトであり地元オランダ出身のマイケル・ファンデルマーク(Michael van der Mark)は3列目スタート。オープニングラップはカワサキのレイ、ヤマハのロウズ、Barniレーシングのザビ・フォレス(Xavi Fores)と続く。地元レースに絶対の自信を持つファンデルマークはスタートをうまく決めて、一気に4位までジャンプアップし、ドゥカティワークスの2人を抑え込む展開に。
<写真>レース序盤、トップのレイ(#1)を追走する地元オランダのファンデルマーク(#60)と、チームメイトのロウズ(#22)。Photo/SBK.com
そのファンデルマークは、3周目でフォレスを抜いて3位にアップすると、最終シケインでチームメイトのロウズを抜き去って、早々とレイの追撃体制に入る。その後、トップのレイよりも速いタイムで周回しながらチャンスを待つ。そして残り14周、最終シケインでついにレイを差し、地元大観衆の目の前でトップに躍り出た。
しかし残り12周の最終シケインでレイがファンデルマークからトップを奪い返すと、追いすがるファンデルマーク、デイビスの追撃をかわしてトップでチェッカーを受けた。
<写真>地元のフォレスを見事に抑え込んで優勝したレイ。レース後のインタビューでは「ファンデルマークとのバトルを楽しみつつも、ミスなく走れたよ」と余裕のあるコメントを残す。Photo/SBK.com
地元の大歓声に後押しされたファンデルマークは、デイビスと激しい2位争いを繰り広げながらも意地を見せて2位表彰台を獲得。3位にはドゥカティのデイビスが入った。また、第2戦以降マシンのセッティングに苦んでいたカワサキのトム・サイクス(Tom Sykes)は4位に入賞した。
<写真>特別仕様のカウルで走る地元のファンデルマーク(#60)は、レース中盤から終盤までフォレス(#12)とも2位争いを繰り広げた。Photo/SBK.com
<写真>開幕戦の表彰台獲得以降、調子が上がらなかったサイクス(#66)の走りにキレが戻ってきた。サイクスの4位入賞により、カワサキのマニュファクチャラーランキングもドゥカティと8pt差にまで近づいた。Photo/SBK.com
<写真>3列目スタートながら3位に入賞したデイビス(#7)。予選でイマイチでも、決勝ではきっちり上位に食い込むのがデイビスの強さだ。Photo/SBK.com
<写真>前日金曜日のFP2での激しいハイサイドで負傷したレッドブル・ホンダのジェイク・ガニエ。FP4にも強行出走したが、痛みですぐにピットイン。その後の検査で第4頸椎への打撲と診断され、大事をとってアッセンは欠場に。Photo/Red Bull Honda
<写真>先週のアラゴン・レース1の多重クラッシュで負傷したレオン・キャミア。肋骨の骨折と肺挫傷でアッセンを欠場。いまのところ復帰時期も未定だ。レッドブル・ホンダは開幕から4戦目にして、2人のライダーが負傷欠場するという異常事態に陥ってしまった。Photo/Red Bull Honda
情報元=SBK.com
(Text/Ryo Tsuchiyama)