取材・写真・文 = 土山 亮
テラモーターズ株式会社は3月27日に、フィリピン市場向けに開発を進めている3輪EVタクシーのプロトタイプを報道陣に向けて公開した。
同社はベンチャー企業として日本国内で原付EV(電動バイク)・シードシリーズを販売し、新規参入企業としては異例の大ヒットを収めているが、かねてから新興国市場を見越した車両開発も行っていた。今回発表された3輪EVタクシーは、フィリピン政府が進める既存3輪タクシーの代替プロジェクトへ参入するためのプロトタイプとなる。
フィリピンをはじめとする東南アジア各地の新興国では、市民の足として3輪タクシーが数万、数十万台のレベルで普及しているが、その多くが旧式の2ストロークエンジンを搭載するモデルであり、それらが大気汚染の一因となっている実情に各国は頭を悩ませている。フィリピン政府は国家的プロジェクトとして3輪タクシーのEV化を模索中で、現在350万台ある3輪タクシーのうち、2016年までに10万台を電動化する計画である。同社はこの3輪EVタクシーの製造業者選定入札に参加、既にフィリピンに現地法人も設立し、量産体制を確立させている。
この競争入札では複数の業者が選定されることが決まっているが、既に世界各地から11の企業が名乗りを上げている。こうした状況の中、徳重社長はこれまでの日本国内での販売実績に加え、着実に技術を蓄積している同社の現状から、その入札獲得に自信を覗かせる。
気になる車両の主なスペックは以下の通り。
■乗車人数/6名
■電池/48V60Aリチウムバッテリー
■モーター/7kW
■実用登坂力/12度
■航続距離/50km
■最高速度/50km/h
■充電時間/2時間
■バッテリー取り外し/可能
■全長×全幅×全高/3300×1470×1885mm
■積載量/300kg
[ お問い合わせ ]
テラモーターズ株式会社
http://www.terra-motors.com/jp/
TEL/03-6674-9558