リリース = ヤマハ発動機株式会社
ヤマハは、世界20ヵ国から選抜されたヤマハ二輪サービスマン28名がサービス力を競う、第5回「YAMAHA World Technician GP 2012(ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ2012)」を本社敷地内にある企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」で開催し、その結果を発表した。
ヤマハ発動機株式会社は、10月23日(火)~24日(水)の2日間、世界20ヵ国から選抜されたヤマハ二輪サービスマン(ディーラー・販売店のメカニック)28名がサービス力を競う第5回「YAMAHA World Technician GP 2012(ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ2012)」を本社敷地内にある企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」で開催しました。
このコンテストは、お客さまが世界中どこのヤマハディーラーに出向いても高品質な均一のサービスが受けられることを目的に“One to One Service(一人一人のお客さまとのより良い関係づくり)”を理念に掲げ、2000年より推進しているヤマハ独自のサービスマン教育プログラム「YTA(ヤマハ・テクニカル・アカデミー)」の一環です。全世界のヤマハ販売店のサービスメカニックの技術向上とヤマハグループの意識高揚を図ることで、お客さまにより良いサービスを提供しお客さまの満足度を高めようと世界各地でコンテストを実施。各国から選出された精鋭を集め、世界でNo.1のヤマハメカニックを決定しています。
5度目となる今大会は前大会に引き続き、「スポーツモデルクラス」と「コミューター/ビジネスモデルクラス」の2つのカテゴリーに別れ、「確かな整備知識と技術力」「商品の魅力を伝えるサービス」「フレンドリーな接客」といった要素を、(1)二輪整備学科、(2)二輪整備実技、(3)接客の3項目で審査し、その総合得点によりチャンピオンを決定しました。
結果は、スポーツモデルクラスの優勝者はドイツ代表のThorsten Brand(トルステン・ブランド)さん、2位はアメリカ代表代表のMark William Sagers(マーク・ウィリアム・セイジャース)さん、3位はフランス代表のDamien Vincent(ダミヤン・ヴィンソン)さんとアメリカ代表のEric JohnRomanowicz(エリック・ジョン・ロマノウィス)さんになりました。
一方のコミューター/ビジネスモデルクラスの優勝者はベトナム代表のLe Truong Qui Tu(レ・トゥン・ウィ・トゥ)さん、2位はインドネシア代表のSukrisna Beni Istiawan(スクリスナ・ベニ・イスチワン)さん、3位はベトナム代表のHuynh Ngoc Hoanh(ウン・ノッ・ホン)さんとアルゼンチン代表のFernando Guglielmucci(フェルナンド・ググリエルムチ)さんになりました。
日頃各国の販売の最前線でお客さまに接しているメカニックのみなさんの真摯な姿をより多くのヤマハ発動機社員にも見て感じてもらおうとの考えから、本社内のコミュニケーションプラザにて開催した今大会、昨今ASEANや中国、インドを中心にF.I.(フューエル・インジェクション)搭載車の導入を積極的に進めていることもあって“F.I.”を競技テーマに実施しました。
初日の10月23日に(1)二輪車の整備に不可欠な知識を問う「学科」(50分)、2日目の24日に(2)定期点検とF.I.不具合車両の診断と修理を行う「実技」(40分+55分)と(3)来客対応の内容審査をする「接客」(20分以内)を行い、各競技の総合得点で優勝、2位、3位を決定しました。
学科
整備に必要な技術や製品に関する知識はもちろん、お客さま動向や二輪業界に関するものまで幅広く出題されました。
実技
適切な定期点検作業とそれに伴う消耗部品の交換作業(40分)と、不動車両を診断し、エンジンが始動するように修理する作業(55分)の2つの課題が行われました。
接客
定期点検を済ませた車両をお客さまが引き取りに来るという設定の下、日頃の保守整備の大切さをアドバイスしたり、F.I.の特徴や仕組みについて説明。審査員の他大勢が見守るなかでの接客は緊張を強いられる状況でした。
スポーツモデルクラス上位入賞者の談話
優勝 Thorsten Brand(トルステン・ブランド)さん(ドイツ代表)
「この場に立てていることはとても光栄なことですが、ここに来るまではすごい重圧がありました。本大会に向けての準備期間は1カ月あまり。その間、サービスマニュアルを読んだり、2度ほどヤマハ・モーター・ドイツにて特別研修を受けたりしましたが、なによりも“絶対勝つ!勝ちたい!!”という執念が、優勝という結果に結びついたのではないかと思います。
現在働いているショップのオーナーさんが高齢なので、その後私が店を引き継ぐことになるかと思いますが、今回の経験を活かしていきたいですね。そうそう、帰国したら町の新聞社に優勝を報告したいと思います」
2位 Mark William Sagers(マーク・ウィリアム・セイジャース)さん(アメリカ代表)
「すばらしい機会を与えてもらえたことに感謝しています。いつもと異なる環境、使い慣れない工具での実技、そして体調も万全でなく、どのような問題が出題されるのか皆目見当がつかない故のプレッシャーと闘うのが一苦労でした。ものすごく緊張したけれど、ハイレベルなメカニックのみなさんが集まっている中で、2位を勝ち取ることができてとても嬉しく思っています。
世界で2位というこの結果は、他店との差別化にもつながりますし、お客さまにも喜んでいただけるものと思っています」
3位 Damien Vincent(ダミヤン・ヴィンソン)さん(フランス代表)
「世界中のすばらしいメカニックのみなさんの中からトップ3に入ることができ、自分自身の自信になります。今後の仕事において力になるし、自信を持って接客にあたれます。日頃の業務を通じて準備を進める他、4月に開催されたフランス国内大会に向けて、前回の世界大会の課題に取り組んだのが奏功したのだと思います。
競技自体、実技や接客は普段やっていることなので少しも難しくありませんでしたが、なにしろいつもの仕事場ではないし、たくさんの人に見られているという特殊な環境が難しかったですね」
3位 Eric John Romanowicz(エリック・ジョン・ロマノウィス)さん(アメリカ代表)
「今大会に向けて、普段の仕事に加えてYTAの資格制度であるシルバーとゴールドクラスの題材を使って練習してきましたが、世界3位という結果は、自分自身を誇らしく思うとともに、国内予選で戦ったみなさんにも顔向けできるものだと思います。ここ数日緊張しすぎてなかなか寝付けずに、天井を見上げてばかりでしたので、午後の実技競技が終わって工具類を片付けているときに、ものすごくホッとしました。今回の経験をお客さまに喜んでいただくために役立てていきたいと思います」
コミューター/ビジネスモデルクラス上位入賞者の談話
優勝 Le Truong Qui Tu(レ・トゥン・ウィ・トゥ)さん(ベトナム代表)
「優勝だなんて! ものすごく嬉しいですね。日頃は業務に追われ、大会に向けて十分な準備時間を取ることができませんでしたが、家でサービスマニュアルを読み返したり、数多く接客にあたるよう心がけた成果でしょうか。接客競技では、“Oneto One Service”を胸に臨んだのですが、審査員はもちろんその他の見学のみなさんがいるなかで、実践するのが難しかったですね。
ベトナムに戻ったら、両親やパートナーにこの歓びを伝えたいです。そしてお客さまにも報告し、うちのショップは他とは違うという差別化にも役立てたいと思います」
2位 Sukrisna Beni Istiawan(スクリスナ・ベニ・イスチワン)さん(インドネシア代表)
「2位を獲得できたこと誇りに思っています。とにかく精神力がネックになると自他ともに認めていましたので、お客さまとたくさん接して動じない胆力を鍛えてきました。実際の接客競技ではナーバスになりすぎないように心がけて望みました。実技では使う工具や環境がいつもと全く違うので多少の戸惑いはあったものの、最大の敵は日本の寒さです。もし今の時期の日本がインドネシアのように気温30度くらいでしたら、もう少し良い成績を挙げられたかもしれませんね(笑)。
この12月にはヤマハ世界整備士コンテストのインドネシア国内大会が開かれるので、今大会で私が経験したことを他のメカニックのみなさんにお話しするなど、ワールドテクニシャンGPを目指す仲間を鼓舞したいですね」
3位 Fernando Guglielmucci(フェルナンド・ググリエルムチ)さん(アルゼンチン代表)
「このような機会を与えてもらったことに感謝するとともに、“感動”の大切さを改めて実感する契機となりました。3位を獲得できたことは、自分はもちろんお店も、そしてヤマハ・モーター・アルゼンチンにとっても誇らしいことです。
3店舗受け持っているので平日は忙しく、出勤前の2時間を使って練習を重ねてきました。兄弟が練習につきあってくれたんですよ。そして週末にサービスマニュアルを読み返えしたり、YTAのブロンズやシルバーの課題をこなしてきました。本大会に向け、仕事を見直すチャンスにもなりました。学び直した知識を今後の仕事にも役立てていきたいですね」
3位 Huynh Ngoc Hoanh(ウン・ノッ・ホン)さん(ベトナム代表)
「たった1度の世界大会出場のチャンスに3位という成績を残すことができ、ものすごく嬉しいですね。ベトナムの代表に選ばれ、世界大会に来るまでにたくさん勉強するのがとても大変でした。世界大会に出るのですから、誰だって勝ちたいじゃないですか。勝つためにとサービスマニュアルやCSマニュアルを読み込んだり、業務においては積極的に車両に触ったり、接客するように心がけてきました。
今後、世界中から優秀なメカニックのみなさんが集まった今回のテクニシャンGPの様子を店の若いメカニックらに伝えるなどし、後輩育成に役立てたいと思います」