【カワサキ】 2011年モデルW800続報

掲載日: 2010年12月25日(土) 更新日: 2013年12月11日(水)
この記事は2010年12月25日当時の情報に基づいて制作されています。

バイクブロス×マガジンズ編集部 =文

2010年10月のインターモトで発表された2011年モデル、W800。

人気車両 W650 の後継機であり、往年のW1シリーズの雰囲気を引き継ぐ車両なだけに、発表されてから現在まで多くの注目を集めている。

12月中旬、都内某所にて行われたメディア向け撮影会では、ほぼ販売車両と同じ仕様に仕上げられた W800 が登場した。

気になる W650 からの変更点は、ボア×ストロークの拡大と F.I. の採用で、そのほかメーターパネルのデザイン、ヒートガードの追加なども行われている。

この日の撮影会には、特別カラーの限定車両も披露された。

こちらはエンジン、エキゾーストパイプ、マフラーがブラックで、前後のリムがゴールドに彩られたカスタムマシンのような一台となっている。

また、展開予定のオプションパーツを装着した車両も持ち込まれており、こちらは長距離ツーリングで活躍しそうな大型スクリーン仕様と、カフェレーサーを思わせるビキニカウル&シングルシートの装着車だ。どちらも「スタンダード」な W800 が持つ様々な可能性を感じさせてくれる。

W650 の後継機となる W800 ではあるが、20011年モデルとして発表したことは、ニューモデルの発表と同等以上に価値のあるビッグニュースだと言える。

W650 に始まる新 W シリーズのエンジンは、直立ツインのベベルギア駆動という特殊な機構を採用している。これまでこのエンジンをベースにした車両は W650 と W400 のみで、デザイン自体がクラシカルなため、なかなか他車種へ流用できないという側面がある。

日本ではベーシックでクラシカルなスタイリングを好む幅広いモーターサイクルファンによって、人気モデルと言える W650 だが、海外での評価はまったく異なるものだった。北米や欧州ではホンモノのクラシックマシンが多数現存し、コレクターも多い。さらに純正品のストックやリプロパーツも充実していることから現役でも使われている。そういった状況では、クラシック “風” なマシンはなかなか興味の対象としては見られがたいのだ。若者に人気の高性能スポーツマシンと、年配のライダー層に人気のクラシックマシンの狭間で、W650 は多くの支持を得ることができなかった。早期に生産が終了した背景には、こういった部分も含まれていたようだ。

ところが近年、クラシカルなマシンにも人気が集まっているという。その原因を作ったのは、ヨーロッパのカスタム好きなライダーだ。

スタンダードなスタイルのマシンは、カスタムの方向によって様々に変化する。そこで、クラシカルなマシンをベースにカスタムを楽しむライダーが増え、個人のホームページや、愛好家によるサークルの設立、ミーティングや合同ツーリングが盛んになってきたそうだ。

日本国内だけでなく、ヨーロッパでも受け入れらたこの流れが、W800 の登場を現実のものにした。

マーケティングによりライダーが欲しがるニーズに合わせて製品を作るのではなく、作り手が素晴らしい製品をつくり、新しいユーザーニーズを生み出す。W800 の登場により、カワサキ自身が新たに作ったこの流れは確固たるものになるだろう。

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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