バイクブロス×マガジンズ編集部 =文/写真
国内メーカーだけでなく、海外メーカーからも続々とニューモデルが登場し、盛り上がりを見せている原付2種市場。昨今の景況の悪さやガソリン価格の高騰も追い風となり、ローコストで実用的なこのカテゴリは成長中だ。総務省の調べによると2005年では135万台だった保有台数は年々伸びており、2009年の時点で148万台。他のカテゴリが軒並み台数を減らす中、メーカー各社ではさらなる市場規模の拡大を予測している。
その期待高まる原付2種市場だが、2010年はホンダの世界戦略車であるPCXが市場を牽引している。しかし、アドレスシリーズでシーンを盛り上げてきたスズキが黙っているはずが無い。その証拠に、ついにニューモデルの投入を決定した。7月27日に発表された新型「アドレスV125S」は、ベストセラーであるアドレスV125のバリエーションモデルとなる意欲作。ユーザーの意見を積極的に取り入れつつ、コンパクトで使い勝手が良いというシリーズの美点に対して忠実に進化した1台となっている。発表では車格や設計思想において、言外にPCXを意識している部分も見受けられ、これまで原付2種スクーターを牽引してきた同社のプライドを感じさせるシーンも。とは言え、一ユーザーとして考えた場合、メーカー同士がライバル意識を持って切磋琢磨し、魅力あるニューモデルを続々と発表する、というのは理想の展開。アクシストリートを発売して以来沈黙を保っているヤマハの動きも気になるところだ。キムコやPGOをはじめとするアジアンスクーター勢のニューモデルが続々と上陸している現在、国内メーカーの次の一手から目が離せない状況だ。今が伸び盛りの原付2種市場を起爆剤として、バイクシーン全体が盛り上がることを期待したい。